2018年4月 8日 (日)

栃木の大柿花山はキバナカタクリ、イカリソウなど山野草の花園



 4月上旬の週末(4/8)、栃木の大柿花山を訪ねてきました。大柿花山は、日光連山の裾野に広がる大柿の里山にある古城・袋ヶ岡城跡の山地を老園主が長年かけて花山として大改造した植物園で、四季折々の花々やトレッキングを楽しむことができるようになっています。


 この日は、キバナカタクリ、イカリソウなどの山野草やモモ、ツツジ、モクレンなどの木々の花々が山いっぱいに咲き広がっていました。



 この日は初めてのキバナカタクリを求めて大柿花山に足を運びました。大柿花山へのアクセスは、東京から東北自動車道を使い栃木インターで降りて約10~15分の道のりです。近くにはカタクリ自生地の三毳山やセツブンソウ自生地の星野の里があります。


 花山のトレッキングコースを進んでいくと、遊歩道の周りは桃色や白色のモモの花、黄金色に輝くチョウセンレンギョウなど満開になった季節の花木が目を楽しませてくれます。



 ツツジ(上)やシャクナゲ(下)も所々にあざやかな花を咲かせています。



 これ以外にも優美な紅白の花を咲かせたボケ(上)、紫モクレンとハクモクレン(下)などのいろんな花木を見かけました。


 さて、園入口から入ったすぐのスペースに色々な山野草が咲いていました。真っ先に目に入ったのが、お目当てのキバナカタクリ(ユリ科カタクリ属 )で、黄色の可憐な花が所々に咲き始めていました。


 北米に分布するキバナカタクリは、春の妖精の代表格で赤紫色の花のカタクリと同属です。花の形はカタクリとよく似ていますが、茎が長めで背丈が30~40㎝になります。キバナカタクリも開花後1ヶ月程度で葉が枯れてきて長い休眠期に入るといったサイクルを有するということですので、春の妖精の仲間になると思われます。


 イカリソウの仲間も多く開花していました。これは各地の林地に野生する多年草のイカリソウ(碇草、錨草;メギ科イカリソウ属)。4枚の花弁が中に蜜をためる距を突出しています。滋養・強壮に効果がある薬草です。


 小さな白い花のバイカイカリソウ(梅花碇草;メギ科イカリソウ属)。日本固有種で、本州、四国、九州の山地の林内、林縁に生育します。イカリソウ属の特徴である碇状の距がありません。


 イカリソウ(サルフレウム Sulphureum)の淡黄色の花も房状になって盛んに咲いていました。洋種のサルフレウムは普通のイカリソウと比べると、碇状の距を持っていますが、花の形状が少し違います。市場ではサルフレアの名で流通しています。


 キバナカタクリやイカリソウ以外にもいろんな珍しい山野草を見かけました。この白い花はハルオコシ(キンポウゲ科イチリンソウ属)。半八重咲きの白い花びらの周りに、緑色のがく片と総苞葉がついています。欧州原産のヤブイチゲの八重咲の品種。夏になると葉が枯れて休眠しそのまま越冬するので、ハルオコシも春の妖精の仲間になります。


 薄い青紫色の花のシラネアオイ(白根葵;キンポウゲ科シラネアオイ属)。深山に生育する山野草で普段あまり見かけません。日光白根山に多く生えています。

 上記以外にも、大柿花山の多くの写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年4月 大柿花山)


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2018年4月 6日 (金)

サクラ散り、春爛漫から初夏のたたずまいへ



 今年は4月上旬に早々とサクラ(ソメイヨシノ)の花が散ってしまいました。サクラの後の園内は色とりどりのツツジの花が咲き出してきて、引き続き私たちの目を楽しませてくれます。ツツジ以外にも、ハナミズキなどの初夏の到来を告げる花も見かけるようになってきてました。

(サトザクラ)

 ソメイヨシノが散っていも、サトザクラの幾つかのサクラの花が咲き残っていました。これは晩都(おそみやこ)の品種名が付いています。落ち着いた感じで咲いていました。


 仁科蔵王(にしなざおう)の名が付く珍しいモスグリーン色のサトザクラも咲き出しました。仁科蔵王は、2007年に理研の加速器から発生する重イオンビームをサトザクラの栽培品種の御衣黄(ぎょいこう)に照射して突然変異を誘発させてつくり出した新種のサクラです。“仁科”は理研加速器の父である仁科芳雄に、“蔵王”は山形で育種したものであることに由来します。

(ツツジ、シャクナゲの花々)

 柴田記念館前でツツジやシャクナゲが美しく咲いています。このシャクナゲ(石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)の高木は真赤で大きな花をギッシリと並んで付けていて壮観です。シャクナゲは葉にケイレン毒を含む有毒植物です。


 シャクナゲの高木の隣は台湾原産のアカボシシャクナゲ(赤星石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)です。淡い色のシャクナゲで優雅な感じがします。


 林地の奥の方にもツツジの花を見かけました。真紅のオンツツジ色が鮮やかに目に飛び込んできます。


 ツツジ園にはいろんな種類のツツジの花が咲き出していますが、この中でアマミセイシカ(奄美聖紫花;ツツジ属セイシカ亜属)の白い美しいツツジの花を見かけました。奄美大島の山地に自生する貴重なツツジです。

(初夏を告げるハナミズキの花など)

 しっとりと美しい紅白のハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)の花も咲き出していました。スズカケノキ、ユリノキなどの巨木並木からかなり奥まった林地に生えています。初夏の季節の到来を知らせてくれます。かつて米国赴任時のニューヨーク郊外の住まいの庭先にも植えてあった思い出深い花木です。


 イロハモミジは日増しに新緑があざやかになってきました。日本庭園の一角に立つ旧東京医学校の赤い建物もイロハモミジの新緑に囲われていました。


 イロハモミジの林縁種のオニカエデ(カエデ科カエデ属、別名はカジカエデ)は、新緑というよりも多数垂れ下がった大きな花穂が目立ちます。


 びっくりするような光景です。木全体が白雪に覆われたようなトキワマンサク(常磐万作;マンサク科トキワマンサク属)の大樹です。リボンのような細長い4枚の 花弁の淡黄色の花が大木に溢れんばかりに枝垂れて咲いていました。


(初夏の野の花)

 多くの野の花が競い合いながら草むらに咲き出してきました。ニュートンのリンゴの木の近くの草むらに群生しているシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の群生地がありますが、独特の紋様の花が次々に咲き出してきています。


 群生するヤマブキソウ(山吹草;ケシ科ヤマブキソウ属)が鮮やかな山吹色の花を咲かせていました。カタクリの群生地と隣接していて、カタクリの花が終わった後に咲き出します。


 オオアマナ(大甘菜;ユリ科オオアマナ属)も随所に見かけるようになりました。小さな星型の白い花が群生し、園内のあちこちの林床を一面の白に染めています。


 タンポポ( 蒲公英;キク科タンポポ属)の周りでサギゴケ(鷺苔;ゴマノハグサ科サギゴケ属)が咲き広がっていました。

 これ以外にも、多くの初夏の風景写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年4月)



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2018年4月 1日 (日)

サクラ満開の小石川植物園は春爛漫



 日本列島の上空に高気圧が連綿とつながる初夏の頃の気象配置になっているようで、雨が降らずに連日やや暑い感じの陽気が続いています。小石川植物園ではソメイヨシノが3月最後の週の後半から土日の週末にかけて満開になりました。そして、春から初夏にかけての木々の花や野の花が一斉に咲き出し、まさに春爛漫の様相を呈してきました



  ソメイヨシノが満開になり春本番ということで、みんな浮き浮きと楽しい気分で満開の桜の木の下に集います。週末の植物園では臨時の入口を設け、大勢の人出に対応していました。


 普通に桜といえばソメイヨシノのことを言いますが、植物園の桜並木にある多くのサクラの木もソメイヨシノです。ソメイヨシノは圧倒的なボリュームの優雅な桜色の花が木全体を覆い、春の青空の中に美しく広がっていきます。


 ヤマザクラの仲間の桜も咲いています。このオオヤマザクラは野生種の桜で、ヤマザクラに比べて花や葉が大きい。花色が淡紅色であることからベニヤマザクラ(紅山桜)、また北海道に多く生育していることからエゾヤマザクラ(蝦夷山桜)の別名があります。



 観賞用にオオシマザクラを基にしてヤマザクラ、エドヒガン、マメザクラなどを掛け合わされた園芸品種の総称をサトザクラと呼びます。上から長州緋桜(ちょうしゅうひざくら)、一葉(いちよう)の名が付いています。


 サクラ以外の花も多く見かけました。これは本州、四国、九州の山地に生育するイヌザクラ(犬桜;バラ科 サクラ属ウワミズザクラ亜属、別名シロザクラ)ですが、花より先に新葉に覆われています。


 枝の中をよく見てみると花芽が出ています。サクラの名が付いていますが、普通の桜とは違い5月頃に密生した総状の白い花が咲きます。


 落葉低木ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅;バラ科サクラ属)。主に庭木として用いられ、サクランボに似た赤い小さな実を付けます。


 中国原産の常緑低木ウンナンオウバイ(雲南黄梅;モクセイ科ソケイ属)。枝垂れながら鮮やかな黄色の花が盛んに咲き出していました。


 園内をぶらぶらしていると、ソメイヨシノの花の傍に紫色の花が鮮やかに咲いていました。


 近づいてみると、ハナズオウ(花蘇芳;マメ科ハナズオウ属)でした。勢いよく咲いている花は幹や枝から直接吹き出しているように見え、ビッシリと密生しています。


 冬木立だった木々に新葉が付き始め、新緑が広がってきました。これは、ケヤキ(欅;ニレ科ケヤキ属)の大樹です。スズカケノキ巨木群の一角に生えています。秋には褐色に紅葉します。


 日本や朝鮮半島、中国に自生する落葉高木のカツラ(桂;カツラ科カツラ属)。新年の冬木立から新緑へと衣を付け始めました。


 メタセコイア林付近の小さな池の風景です。うっすらとした新緑で色づいてきました。左上方がシダレヤナギ、中央後方がラクウショウになります。


 数多くの野の花が咲き広がってきました。園入口付近にスイセン(水仙;ヒガンバナ科スイセン属)が植えられています。その周りにはハナニラ(花韮;ユリ科ハナニラ属)の白い花が咲いています。


 全国の木陰地に生育するムラサキケマン(紫華鬘;ケシ科キケマン属)の赤紫色の花。キケマン属に特徴的な筒状の花を咲かせます。春の妖精の仲間。


 中国原産のバイモ(貝母;ユリ科)が群生しています。小さなつり鐘状の花のウラ側の模様が神秘的です。編笠百合とも呼ばれます。


 ヘビイチゴ(蛇苺;バラ科キジムシロ属)が小さな黄色の花を咲かせています。あぜ道や野原などに広く自生するバラ科の多年草。5月頃に赤い実を付けます。

 上記以外にも、いろんな春の風景の写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(2018年4月)

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2018年3月25日 (日)

三毳山の山腹に無数のカタクリの花が咲き広がる



 3月下旬の週末 (3/25)、 サクラがほぼ満開の小石川植物園を早朝に回った後、急いで東北自動車道に乗り、次の目的地の三毳山(みかも山)に向かいました。車で都心から1時間半もあれば楽に到着です。三毳山では山腹一面にカタクリの花が咲き広がっていて、息を呑むような美しい光景に出会うことができました。


 花の百名山にも選定されている栃木の三毳山はカタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなどの山野草の自生地になっています。東北自動車道の佐野藤岡ICを降りてすぐの所に標高229m のやや低めの三毳山がそびえていますが、みかも山公園はその三毳山と一体化した広大な自然公園になっています。


 みかも山公園東口広場に車を留め、案内表示に従って山中のカタクリ園まで15分ほど山道を登っていきます。道の途中で「北国の春」の唄に出てくるコブシ(辛夷;モクレン科モクレン属)の花を見かけました。


 やがてカタクリ園に到達しますが、周りの山腹一面に赤紫色に彩る無数のカタクリのが咲き広がっていました。この世のものとは思えない美しい光景にしばし茫然となりました。この自生地は日本有数の規模で約150万株ものカタクリが自生しているそうです。


 可憐なカタクリ(ユリ科カタクリ属)の花は春の野の花の代表格です。春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ち、春の妖精(スプリング・エフェメラル)とも呼ばれます。



 赤紫色のカタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。カタクリは古来から親しまれ、万葉集では「堅香子(かたかご)」の名で詠まれています。




 カタクリ園から降りてきて広場近くの野草の園に向かうと、カタクリ以外の野の花も自生しています。上からニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)、キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属、別名はキクザキイチリンソウ)、そしてアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)になります。いずれも春の妖精の仲間です。

 今月は好天の下で奥秩父のセツブンソウの自生地、三毳山のカタクリの自生地と立て続きに行くことができ、無数の春の妖精たちとの出会いがかなって非常に幸運でした。

 三毳山のいろんな写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月 三毳山)


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春の陽気が続き、いろんなサクラが満開に

 このところ春の陽気が続き、気象庁は3/24(土)に東京の桜満開(靖国神社境内の染井吉野の標本木)を発表しました。1953年の統計開始後3番目に早い満開で、平年に比べると10日早いとのことです。

(いろんなサクラの花)

 この週末に近くの小石川植物園に出かけましたが、ここではソメイヨシノが7分から8分咲きといった感じでした。


 ぽかぽか陽気の好天にも恵まれ、桜並木の下では9時開園直後の朝早くから席取りが始まっていました。


 桜の花の代表格は何といってもソメイヨシノ(染井吉野)です。園内に数多く植えられているソメイヨシノも徐々に満開に向かっています。


 ソメイヨシノの研究過程や実生から多くの変種が生まれています。この品種名は伊豆吉野です。少し野性味が強いような感じがします。


 ソメイヨシノ以外にも色んなサクラの花が咲いていました。これはヤマザクラ(品種名:群桜)。メタセコイア林へ向かう散策路の始まり付近に生えていて、見事に満開になっていました。


 古井戸付近のヤマザクラの大樹も満開でした。赤い新葉とともに花を付けるのが特徴的です。


 桜の野生種の一つのエドヒガン(江戸彼岸)。花のボリュームはソメイヨシノより少ないものの、細かい白い花が青空に咲き広がる様は美の極致のようです。


 天空から降り注ぐかのように上品な白い花がに無数に枝垂るシダレザクラ(枝垂桜)の高木がエドヒガンに隣接して並んでいます。シダレザクラはエドヒガン系です。



 3月中旬に満開になっていたサクラもありました。上がマメザクラ(品種名:早春桜)。小振りのあざやかなピンク色の小さな花を一斉に咲かせます。下の白い花は伊豆大島に自生するオオシマザクラ(品種名:寒咲大島)。若葉と同時に白色の花を多数つけます。

(サクラ以外の木々の花)

 サクラ以外の花木もにぎやかになってきました。これは無数の黄緑色の花が吹き出すトサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)。トサミズキは高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。


 トサミズキの同属のシナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)もあざやかに開花しました。周りの空間を黄色の花で埋め尽くしているかのようです。


 ツツジ園ではハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅)が赤紫色の力強い花を咲かせていました。薩摩地方を中心に分布します。


 ツツジ園からの巨木の冬木立の眺望です。左から、黄(シナミズキ)、赤(早春桜)、白(寒咲大島)とカラフルで美しい時季を迎えました。


 メタセコイア林の風景。まだ冬木立のままですが、周りにはチョウセンレンギョウの黄色の花やサクラの桜色の花など、次第に色鮮やかになってきました。

(春の野の花)
 春の野の花も次々に咲き出しています。


 スミレの仲間を探してみました。これはタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地など身近に見られます。丸い葉と立ち上がる茎が特徴。今までずっとコスミレと思っていたのですが、よく調べてみると違っていたようです。


 これが本当のコスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)です。花姿がタチツボスミレによく似ていますが、細長い葉の形状が異なります。本州から九州の人里や山野に分布します。


 園入口の職員の方に開花を教えてもらったツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)をようやく見つけました。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。また、唇弁が小さく 上弁がひしゃげていないのも特徴のようです。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したと言われています。花が非常に小さいので、うっかり見過ごしてしまいそうになります。


 春の妖精の女王といわれるカタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の自生地を見やると、うすい赤紫色のカタクリの花が草の茂みの中で点々と咲いていました。自生地の中を小川が流れているのですが、生息地が小川の両岸に広がっています。


 同じ春の妖精の仲間のニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)も、メタセコイア林の林床地で咲き始めていました。

 これ以外にも様々な季節の花が咲いていました。
  …> 季節のスケッチ(30年3月) 


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2018年3月10日 (土)

奥秩父の自生地に咲き広がる無数のセツブンソウ



 3月上旬、奥秩父に自生するセツブンソウが満開だということで、関越道と皆野寄居有料道路を乗り継ぎ、小鹿野町両神地域の節分草園を訪れてきました。両神小森の一角に張り巡らされた園内では、満開になった無数のセツブンソウが一面に咲き広がっていて圧巻の眺めでした。


 奥秩父山地に位置する小鹿野町両神地域の両神小森に2月から3月にかけて可憐な小さく白い花を咲かせるセツブンソウの自生地が広がっています。広葉落葉樹に囲まれたこの自生地は、節分草園として小鹿野町が管理運営に当たっています。石灰岩地を好むセツブンソウの主な自生地として、わが国では埼玉県小鹿野町両神小森、栃木県栃木市星野の里、広島県庄原市総領地域などが挙げられます。近年、セツブンソウは乱獲や自生地の環境破壊によって希少植物になっています。


 奥秩父の両神小森に咲き広がるセツブンソウ(節分草;キンポウゲ科セツブンソウ属)はちょうど満開の時期でした。落葉樹林の隙間から差し込んでくる春の陽光を受け、地上の枯葉やコケの間から可憐な小さな白い花が一斉に吹き出しているかのようで見事な眺めでした。圧巻の光景です。


 セツブンソウは春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間とされています。春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる山野草は、春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ちます。


 セツブンソウもカタクリ、アマナ、ユキワリイチゲなどの他のスプリング・エフェメラルの仲間と同じように、落葉した広葉樹林に春の陽光が差し込んでくるのをじっと林床の下で待ち、そしてこのように地上に出た後、精一杯に命を輝かせながらつかの間の春を謳歌します。


 園の入口に臨時の小さなの出店があって、地元産品を販売していました。無数のセツブンソウに感動した後、黄金色のフクジュソウの鉢ポットや美味しそうなジャムなどを買い求め、そして帰途につきました。この日はいいドライブになりました。

 このほかにもいろんな写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月 奥秩父)


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2018年3月 4日 (日)

陽春の候、梅の花や野草の春の花など百花斉放の感


 先月の平昌五輪では日本チームが大健闘し、日本のメダルは冬季で過去最多だった1998年長野五輪の10個(金5、銀1、銅4)を上回る13個(金4、銀5、銅4)を獲得しました。正直言ってあまり期待していなかったのですが、大会が進むにつれ選手たちの活躍ぶりについテレビ観戦に熱が入るようになってきました。やはり白熱した競技を伝える生中継はいいですね。いろんな選手たちの人間ドラマも知ることができ、素晴らしい大会だったと思います。多くの感動をありがとうございました。


 さて、3月に入ってすぐの週末は気温がぐんぐん上昇し、20℃を超えまるで初夏のような陽気になりました。新年から3月にかけて次々に梅の花が咲き出してきた小石川植物園の梅林は、この日はいい香りを放ちながら数多くの梅の花が咲き競っていました。


 また、梅の花以外でも、カンヒザクラ、サンシュユなどの花木も咲き出し、アマナ、ユキワリイチゲ、フクジュソウなどの春の妖精(スプリング・エフェメラル)などの野の花も園内のあぜ道や草むらなど随所で見かけました。まさに百花斉放が間近といった感じでした。


 小石川植物園の梅林には多くの品種の梅の木が生えていて、新年から3月にかけて次々に紅梅、白梅が咲き出してきます。


 特に2月中旬から3月上旬頃は梅林中にいい香りを放ちながら数多くの梅の花が咲き競うようになり、春暖のこの日は花見を楽しむ人たちで賑わっていました。


 また、梅林の中央部には黄金色のサンシュユの花も咲き出し、赤、白、黄の見事な色の三重奏を堪能することが出来ました。


 この日勢いよく咲いていた梅の花を以下に紹介します。この桃色の梅の品種名は開運(かいうん)です。


 白梅の冬至(とうじ)。


 香りが強い鹿児島紅(かごしまこう)。


 普通の梅花とは異なる珍しい形状の酈懸(てっけん)。黄色のおしべや萼が目立ちますが、少しだけ白い花びらも付いています。


 園内では冬木立のままの木々も多いのですが、よく見ると白黒の世界に少しずつカラフルになってきました。そして、園内ではさまざまな春の花木が賑やかになってきました。これは、沖縄に自生するカンヒザクラカンヒザクラ(寒緋桜)。満開が過ぎたものの、それでも数多くの原色の花々が青空に広がっていました。


 サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出してきました。


 黄緑色のトサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)の花。高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。


 園内の散策路やあぜ道などで、いろんな野の花も見かけるようになってきました。これは春の妖精(スプリング・エフェメラル)のアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)の小さくて可憐な花で、メタセコイア林の近くで群生していました。2年前に数輪だけ咲いているのを見つけて以来の出会いです。植物の生命力の強さには驚かされます。


 やはり春の妖精の仲間のユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。先月から可憐な白い花が咲き始めましたが、かなり花の数が増えてきました。メタセコイア林の近くに群生地があります。近縁種のアズマイチゲは北方系ですが、ユキワリイチゲは本州西部から九州に分布します。


 オオキバナカタバミ(大黄花片喰;カタバミ科カタバミ属)の黄色の花が咲いていました。葉の紫の斑点が特徴になります。


 オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)の星くずのように可憐な青い小さな花です。先月はまだポツポツとしか咲いていませんでしたが、この日は草むら一面に咲き広がっていました。


 春の七草の一つハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)の小さな花を見つけました。島崎藤村の千曲川旅情の詩に「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」 とハコベが登場します。小さいので、よく見ないと見逃してしまいます。


 タチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)の可憐な花です。今までコスミレだとばかり思っていたのですが、調べてみると違っていたようです。園内のスミレの仲間をもう少し探してみようかと思います。

 このほかにも、いろんな花々が咲いていました。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月)



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2018年2月12日 (月)

閑静な皇居東御苑に梅の香り広がる



 寒さは厳しかったのですが、澄み切った青空が広がった2月上旬の3連休の最終日、皇居東御苑を訪れてきました。苑内では梅の花が咲き出し、梅の香りが辺り一面に漂っていました。


 平川門から入苑してすぐの所に梅林があります。梅林では品種名は不明ですが、紅梅や白梅が華やかに咲き出していました。


 梅の木枝をよく見てみると、小鳥のメジロが楽しそうに花を啄んでいました。メジロは目の周りが白いのが特徴です。


 梅林を過ぎ二の丸ゾーンを進んでいくと、殆ど人出がなくひっそりとした二の丸庭園に行き着きます。背景は丸の内の高層ビル群です。


 初夏には緑一色になる二の丸雑木林。大部分が落葉樹で、まだ冬木の状態なので、春の陽光が十分に林床に差し込みます。日差しを受け、これから春の野の花が次第に開花してきます。


 二の丸ゾーンから本丸ゾーンに上っていくと、かつて江戸城の天守閣がそびえていた天守台が目に飛び込んできます。大勢の人が往来しています。手前にリュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)が見えます。


 リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)は強烈な濃紅色の花を付ける南国の桜ですが、ちょうど開花が始まったところでした。沖縄ではこの桜が新春に咲き出し、皆で花見を楽しみます。


 苑内ではツバキ科の花々があちこちに生えていました。これは普通にツバキと呼ばれ、昔から観賞用花木あるいは代表的な茶花として知られているヤブツバキです。ヤブツバキは日本のツバキの原種で、東北以南の暖地に生育します。


 ハルサザンカ(春山茶花)の高木も見かけました。普通のサザンカは秋口から年末にかけて咲き出しますが、ハルサザンカは年明けから花を付けます。


 本丸ゾーンと二の丸ゾーンを結ぶ汐見坂からの眺望です。江戸時代の頃は、この坂の下まで日比谷入江が入り込んできていて、海浜を眺めることが出来たそうです。

 皇居の後は少し離れた神田明神へ向かいました。
詳しくは 季節のスケッチ(2018年2月 皇居東御苑) をご覧ください。


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2018年2月10日 (土)

最強の寒波去り、梅林が少しずつにぎやかに



 建国記念日をはさんだ3連休の初日。都心にも積雪をもたらした最強寒波が去り、少し日差しも出てきましたので、小石川植物園を散策してきました。


 園内の日本庭園の一角に位置する梅林には数多くの紅梅、白梅の木が植えられています。新年早々からポツポツと咲き始めますが、この頃になると少しずつ増えてきて、賑やかな感じになります。全体として2分~3分咲きといった感じでした。

(この日咲いていたいろんな品種の梅の花)

 これは未開紅(みかいこう)の品種名が付いています。


 長寿(ちょうじゅ)。


 五節の舞(ごせちのまい)。


 月の桂(つきのかつら)。これ以外にもいろんな梅の花が咲いていて、梅林一帯ではいい香りが漂っていました。

(梅の花以外の花々)

 冬木の多い林間部の一角では、アテツマンサク(阿哲満作;マンサク科マンサク属)が満開になっているのを見つけました。アテツの名は最初に発見された岡山県阿哲地方にちなんで付けられています。


 また、クスノキの巨木の下に広がるツバキ区域ではカメリア・ドルピヘラ(ツバキ科、別名は油椿)の花が勢いよく咲いていました。中国、ベトナム原産のツバキで。種子から油が採れ、化粧液などに用いられます。


 野の花はまだ数少ないのですが、春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間のユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)の群生地をのぞいてみると、うれしいことに清楚で可憐な白い花が顔を出し始めていました。これから4月頃にかけて、フクジュソウ、ニリンソウ、カタクリなどの春の妖精たちが次々に咲き出してきます。

 これ以外にもいろんな写真がアップされています。
    …> 季節のスケッチ(2018年2月)


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2018年2月 4日 (日)

本物の春が待たれる立春の頃

 2月に入り、3日が節分、4日が立春(24節気)と続き、暦の上では春の到来です。しかしながら、今年は1月後半から強烈な寒気が日本に上空流れ込むようになり、1/22には南岸低気圧の東進と相まって東京都心で23cmの積雪を観測するなど大雪に見舞われました。


     [1/23朝の小石川植物園の雪景色]
 普段雪への備えが無い東京では大変です。車には冬タイヤを付けているわけでないので使用できず、自分の足だけが頼りになります。革靴は雪道や氷結した部分で滑ってしまうので使い物になりません。幸い、大地震などの災害時用に職場の机の下に運動シューズを置いていましたので、22日以降はこのシューズが大いに役立ちました。大きな道路はすぐに積雪が消えてしまうのですが、家の近くの小さな路地に入るといつまでも雪が残っていました。こんな所でも安心して歩くことができるので助かります。

 2月に入ると、1/22の積雪が路地からも消えかかったのですが、2/2に再び南岸低気圧が接近し、夜間から2/3朝方にかけて盛んに雪が降り出しました。


    [2/3朝、小石川植物園の雪模様]
 しかし、今回は寒気が少し弱かったのでしょうか。幸いにも都心の降雪1cmと大事にならずに助かりました。2/3の昼過ぎ以降は青空も見えるようになり、雪もほとんど消えました。心情的には春到来の期待感が膨らんできます。



 例年、小石川植物園では立春を過ぎると梅林がにぎやかになり、多くのいい香りの紅梅、白梅が咲き競うようになり、メジロなどの小鳥も盛んに飛び交うようになります(写真はいずれも昨年2月のもの)。


 また園内の草むらでは、春の妖精と呼ばれる何種類ものスプリング・エフェメラルが次々と咲き出すようになります。その中で真っ先に咲き出すのはユキワリイチゲ(雪割一華)で、可憐で白い小さな花が恐る恐る地表に顔をのぞかせてきます(写真は昨年2月のもの)。

 暦の上ではない本物の春の到来が待たれます。

  …>季節のスケッチ(30年2月)


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