2018年5月20日 (日)

緑豊かな小石川植物園、大樹ハナキササゲが満開



 緑が一層あざやかになってきた5月中旬の小石川植物園、多くのグループの人たちで賑わっていました。この日は、ハナキササゲの大樹が満開になっていました。また、ウツギをはじめこの季節の花々が数多く咲き出していました。


 日本庭園の池の辺に生えるハナキササゲ(花木大角豆;ノウゼンカズラ科キササゲ属)の大樹。満開になっていて木全体が白い花で覆われていました。


 白黄色のふわふわとふちが縮れたような花には紺や黄色のスジが入っていて独特な文様です。やがて秋になると、ササゲ(大角豆)に似た細長い果実を付けます。


 全国に広く分布して卯の花とも呼ばれ、この季節の風物詩のウツギ(空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)。白い花が盛んに咲いていました。


 園入口付近ではサラサウツギ(更紗空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)の花がにぎやかに咲いていました。サラサウツギはウツギの八重咲き種で白い花に淡いピンク色の文様が入っていて美しい色合いです。


 山地に自生する落葉性の低木バイカウツギ(梅花空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)も満開で、数多くの白い花が咲き出していました。花の形が梅の花に似ています。


 ガビハナミズキ(峨眉花水木;ミズキ科ミズキ属)。中国雲南省の峨眉山が付くことから中国原産であることが判ります。花はヤマボウシによく似ていますが、葉の表面がつやつやしているのが異なります。


 山野に自生するシモツケ(下野;バラ科シモツケ属)。ふっくらとした感じのピンク色や白色の花が椀状に密集して咲いています。シモツケは庭木としてもよく用いられる。


 メタセコイア林の近くでハグマノキ(白熊の木;ウルシ科ハグマノキ属)の花が咲いていました。うす紅く煙っている霞がかかっているように見えていました。


 巨木ゾーンの奥の方に生えるシマサルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)が緑葉で覆われていました。夏になると高木の頂部に白い花が咲くようになります。


 ムシトリナデシコ(虫取り撫子;ナデシコ科マンテマ属)。小さい赤紫色の花が密集して咲いていました 。対生する葉のすぐ下の茎から粘液を出していて、そこに小さな虫がくっつきます。


 本州から九州の山地や草原に自生する多年草のナルコユリ(鳴子百合;キジカクシ科アマドコロ属)が可憐な花を付けていました。茎が丸く稜がないので、よく似たアマドコロと区別がつきます。


 草むらでダンドク(曇華;カンナ科カンナ属)の花がスクッと咲いていました。ダンドクはカンナの原種で南米原産。堅い実の形から、インデアンの弾丸と呼ばれています。


 熱帯アメリカ原産の一年草シロアザミゲシ(白薊芥子;ケシ科アザミゲシ属)の花は、透き通ったような白い色で妖美な感じがします。茎や葉にアザミのような鋭いトゲがあります。


 ドクダミ(毒溜;ドクダミ科ドクダミ属)の白い花が咲き広がってきました。「十薬」ともいわれるドクダミは、様々な薬効があり、腫れ物、皮膚病などに利用されます。


 上記以外にも、いろんな5月中旬の小石川植物園の風景写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(2018年5月)



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2018年5月 6日 (日)

初夏の山形野草園の風景



 連休の合間に西蔵王高原に造られた山形野草園を訪ねてきました。北国のこの時季はちょうど新緑が美しい頃です。園内をゆっくりと散策し、世界で一本しかないというミヤマカスミザクラや今が見頃のアズマシャクナゲ、林間に咲き広がるシラネアオイ、サクラソウなどを楽しんできました。


 山形野草園は、西蔵王高原の中に「自然との共生」を図ることをねらいとして1993年に開園され、野草、樹木あわせて約1,000種類のさまざまな植物があり、四季折々の野草が群生しています。山形市の市政施行100周年の記念事業の一環として整備されたものです。この日はちょうど新緑が美しい時季で、暑くもなく寒くもなく絶好の散策日和でした。


 園内にはいろんな植物が生えていて、花を咲かせていました。これはミヤマザクラとカスミザクラが自然交配した新種のサクラで、世界に1本だけの貴重なサクラとのこと。ミヤマカスミザクラと命名されています。花期は過ぎていたものの、花が少しだけ咲き残っていました。


 日本固有種の一属一種の植物で中部地方以北の多雪地に生える多年草のシラネアオイ(キンポウゲ科シラネアオイ属)の群生が見られました。新緑の林の中で、薄紫色の花がしっくりと落ち着いた感じで咲き広がっていました。日光の白根山に多く生え、花がタチアオイに似ていることが和名の由来。


 山地の湿り気の多い所に生える多年草のサクラソウ(サクラソウ科サクラソウ属)も、シラネアオイの近くで群生していました。サクラソウは地中に根茎があり、高さ15~40cmの花茎を直立させ、5~10個の清楚な美しい花をつけます。花が美しいのでよく栽培され園芸品種も多く流通しています。


 地下茎で繁殖する多年草のクマガイソウ(ラン科アツモリソウ属)が林地で群生していました。袋状の花が源氏の武将熊谷次郎直実が背負った母衣に似ていることから和名が由来。


 トウゴクマムシグサ(サトイモ科)を見かけました。花のように見えるのは仏炎苞です。ウラシマソウミズバショウザゼンソウも同じサトイモ科の仲間。


 薄紅色や白色の数多くのアズマシャクナゲ(東石楠花;ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属)の花が満開になって咲き競っていました。アズマシャクナゲは東北地方(宮城県、山形県以南)、関東地方、中部地方(南部)に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生します。


 アズマシャクナゲの周辺の木々にはウワミズザクラ(上溝桜;バラ科サクラ属)の白い花が咲いていました。北海道、本州に自生するウワミズザクラは普通のサクラの花とは違い、ブラシのような白い花序に小さな花が凝集しています。


 ミズバショウとザゼンソウの群生するミズバショウの谷ですが、この時期はもう両者とも花が咲き終わっていて、青々とした大きな葉だけが繁茂していました。


 ミズバショウの谷では、山地の湿地や沼に生える一属一種の多年草のミツガシワ(ミツガシワ科ミツガシワ属)の白い花が群生していました。葉は複葉で3小葉からなります。寒冷地に分布し、氷河期の生き残りと考えられています。


 リュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)の花もミズバショウの谷で見かけました。本州、九州に分布し、水辺や湿地などに生育します。茎が直立し、黄金色の花をつけます。


 オキナグサ(翁草;キンポウゲ科オキナグサ属)も多く生育していました。山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育しますが、草地の開発が進んだことや山野草としても乱獲が進んだことから、各地で個体数が激減しているとのこと。オキナグサは花が終わると雌しべが羽毛状に伸び、老人の白髪のようになります。


 山地の草地に生える多年草のアマドコロ(甘野老;キジカクシ科アマドコロ属)も見かけました。茎に6本の稜があり、触ると角ばった感じがします。茎や根茎には甘みがあり、山菜として食用にされます。


 山形野草園の出入口付近です。山野草祭りが催されていたこともあり、お年寄りのグループも多く見かけました。野草園には珍しい野の花が多く、これからもリピートしたいと思います。


 上記以外にも、いろんな野草園の風景写真をアップしています。  …> 季節のスケッチ(2018年5月 山形野草園)


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2018年5月 1日 (火)

万緑の中にユリノキやナツロウバイの初夏の花々



 今年は暑い大型連休のスタートです。前半の三連休 (4/28-4/30) から東京では真夏日が続き、季節もぐんぐん進んでいます。小石川植物園の新緑の風景は緑が日に日に鮮やかになり、あっという間に万緑の世界に一変しました。園内では豊かな緑の中でユリノキやナツロウバイなどの初夏の花々が咲き出していました。


 ニュートンのリンゴの木の前を通るイロハモミジの小径も見事な緑のアーチになっていました。年末には真赤なアーチに変貌します。


 ひと月前は満開だったソメイヨシノの並木も様変わり。暑い日に格好の緑陰を提供してくれます。


 メタセコイア林の近くの小さな池の周りの木々が池面を緑色に染めています。この池は秋になると、木々の紅葉で赤、橙、黄に染まります。


 園内の木々も新緑から夏木立に変身中です。これは巨木ゾーンの林間地のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)の大樹です。樹上にかすかに花が見えます。


 よく見てみると、樹上のあちこちに緑葉に囲まれるようにしてユリノキの花が咲いていました。花の形は百合の花というよりもチューリップに似ています。


 初夏に咲くナツロウバイ(夏蝋梅;ロウバイ科ナツロウバイ属)の花も咲き出しました。新春に咲く同じロウバイ科のロウバイソシンロウバイとは花の形があまり似ていません。


 ツツジ園のツツジの花は残り少なくなっています。後方では精子発見のイチョウ(右)とニレ科のウルムス・プロセア(左)の大樹が夏木立に変貌中です。


 この頃は〇〇ウツギの名の付いた花を沢山見かけ ます。これはシロバナヤエウツギ(ユキノシタ科ウツギ属)。ウツギの変異種で枝先に八重の白い花を咲かせます。


 ハマナス(浜梨;バラ科)の赤紫色い花があざやかに咲き出しました。浜(海岸の砂地)に生え、果実がナシに似た形をしていることが名の由来になります。


 草本の草花や野の花もいろいろと咲いていました。これは、マンシュウキスゲ(満州黄菅;ユリ科ワスレグサ属)の黄色い花。ニッコウキスゲ、ノカンゾウなどのキスゲの他の仲間より早い時期に咲きます。


 アヤメ属の花々も咲き出してきました。これはイチハツ(一八、鳶尾草;アヤメ科アヤメ属)。アヤメの仲間の中で「いち早く咲く」ことからこの名が付く。


 ヨーロッパ原産の西洋あやめの代表種の一つジャーマンアイリスの美しい花。日本のアヤメと比べて大柄、花弁にはフリルが入って華やかです。


 山林に分布する山野草のフタリシズカ(二人静;センリョウ科チャラン属)。白い2本の穂状の花序が付いています。


 カタバミ科の花も多く見かけました。これはカタバミ(傍喰;カタバミ科カタバミ属)の黄色の花。3枚のハートの小葉を連ねた葉が特徴的です。


 赤紫色の花のイモカタバミ(芋紫傍喰;カタバミ科)がメタセコイアの林地に群生して咲いていました。イモカタバミは地下に芋状の塊茎を持ちます。白花のものも見かけます。イモカタバミの花の中心部の雄しべが黄色っぽく、この部分が白っぽいムラサキカタバミと区別できます。


 道端や河原に生えるコメツブツメクサ(米粒詰草;マメ科シャジクソウ属)。シロツメクサに似ているが全体的に小さい。小米詰草、黄花詰草の別名があります。


 春の野の花のハルジオン(春紫苑;キク科ムカシヨモギ属)が至る所で咲き広がっていました。ハルジオンは春に咲く紫苑(しおん)という意味です。


 道端にノアザミ(野薊;キク科アザミ属)の赤紫色の花を見かけました。葉の縁にとげがあります。草むらや河川敷にふつうに見られ、比較的早い時期に咲き出します。


 上記以外にも、いろんな初夏の風景の写真をアップしています。   …> 季節のスケッチ(2018年5月)


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2018年4月27日 (金)

4月下旬の青森小旅行(弘前公園、岩木山麓、奥入瀬渓流) 


 このたび(4/25~4/27)仲間が企画した青森小旅行に参加させてもらい、弘前公園、岩木山麓、奥入瀬渓流などを回ってきました。

(桜満開の弘前公園)

 わが国有数の桜の名所といわれる弘前公園は、幸運なことにちょうど桜が満開になっていました。この日(4/26)は見頃とあって平日でしたが、大勢の人出で賑わっていました。


 公園の中心部に立つ弘前城は江戸時代に建造された天守や櫓などが現存し、国の重要文化財に指定されています。天守付近の本丸石垣の膨らみや天守の傾きがあることから修理が必要ということで、現在仮天守台に移動されています。城から満開の桜に飾られた岩木山を望むことができます。


 公園にはソメイヨシノやシダレザクラなど約2,600本の桜の木が立ち並んでいます。風格ある見事な桜の古木を数多く見かけました。


 弘前公園の桜は城の周りの堀沿いにもすき間なく配置されていて、この時期はまるで桜の花が城を包み込んでいるようになります。弘前市公園緑地課に桜を守り育てるための桜守(さくらもり)のチームが作られていて、この人たちの長年にわたる活動のお蔭でどの桜の木も元気に立派な花を咲かせ続けているとのことです。

(岩木山麓にミズバショウが群生)

 弘前の桜を見た後は、近くにそびえ立つ岩木山の山麓にあるホテルに宿泊しました。ホテル周辺の常盤野農村公園(ミズバショウ沼公園)まで足を伸ばしてみたところ、群生するミズバショウはちょうど見頃になっていて、春空に似合う無数の白い花がが出迎えてくれました。木々のすき間から岩木山が見えます。


 弘前地方ではどこにいても岩木山がよく見えます。この地方の人々にとって原風景の中心に位置する存在かと思われます。上の写真は市内から百沢温泉に向かう途中の桜並木からの眺望です。


 湿地帯になっているミズバショウ沼公園は、雪渓が残る落葉樹林の中を雪解け水が流れ、水生のミズバショウの生育に格好の場所になっています。


 ミズバショウの白い花のように見える部分は、実は花ではなく仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ぶ葉が変形した苞です。そして真ん中の緑の部分に粒々のような小さな花が結集しています。

(早春のたたずまいの奥入瀬渓流)

 弘前、岩木山を後にして南下し、十和田湖、奥入瀬渓流を回ってきました。今回の訪問は、2004年11月(紅葉時)2012年10月(紅葉前) に次いで3回目になります。奥入瀬渓流は、青森・秋田の両県にまたがるカルデラ湖の十和田湖から唯一流れ出る奥入瀬川の上流部分に当たり、北東に約14kmにわたり渓流が延びています。


 今回はは新緑の奥入瀬を見たかったのですが、新緑は5月中旬過ぎとのことです。しかしながら、どの時期に来ても奥入瀬渓流の迫力に圧倒され、大自然の醍醐味を感じ取ることが出来ます。




 渓流沿いの落葉樹はこの時期まだ冬木立の状態のものが多く、陽光が十分に差し込むことから春の妖精といわれる山野草の花々が姿を現わします。この日は、キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属、キクザキイチゲともいう)、カタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)、オトメエンゴサク(乙女延胡索;ケシ科キケマン属)などを渓流沿いの遊歩道で見かけました。奥入瀬はまさに早春のたたずまいでした。


 楽しかった青森小旅行もいよいよ終了です。奥入瀬渓流から青森空港へ帰路につきましたが、八甲田山を越える必要があります。八甲田山の山中には相当の雪渓が残っていて、ここは春まだ遠しの感がありました。


 これ以外にも、小旅行の多くの写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年4月 青森)

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2018年4月 8日 (日)

栃木の大柿花山はキバナカタクリ、イカリソウなど山野草の花園



 4月上旬の週末(4/8)、栃木の大柿花山を訪ねてきました。大柿花山は、日光連山の裾野に広がる大柿の里山にある古城・袋ヶ岡城跡の山地を老園主が長年かけて花山として大改造した植物園で、四季折々の花々やトレッキングを楽しむことができるようになっています。


 この日は、キバナカタクリ、イカリソウなどの山野草やモモ、ツツジ、モクレンなどの木々の花々が山いっぱいに咲き広がっていました。



 この日は初めてのキバナカタクリを求めて大柿花山に足を運びました。大柿花山へのアクセスは、東京から東北自動車道を使い栃木インターで降りて約10~15分の道のりです。近くにはカタクリ自生地の三毳山やセツブンソウ自生地の星野の里があります。


 花山のトレッキングコースを進んでいくと、遊歩道の周りは桃色や白色のモモの花、黄金色に輝くチョウセンレンギョウなど満開になった季節の花木が目を楽しませてくれます。



 ツツジ(上)やシャクナゲ(下)も所々にあざやかな花を咲かせています。



 これ以外にも優美な紅白の花を咲かせたボケ(上)、紫モクレンとハクモクレン(下)などのいろんな花木を見かけました。


 さて、園入口から入ったすぐのスペースに色々な山野草が咲いていました。真っ先に目に入ったのが、お目当てのキバナカタクリ(ユリ科カタクリ属 )で、黄色の可憐な花が所々に咲き始めていました。


 北米に分布するキバナカタクリは、春の妖精の代表格で赤紫色の花のカタクリと同属です。花の形はカタクリとよく似ていますが、茎が長めで背丈が30~40㎝になります。キバナカタクリも開花後1ヶ月程度で葉が枯れてきて長い休眠期に入るといったサイクルを有するということですので、春の妖精の仲間になると思われます。


 イカリソウの仲間も多く開花していました。これは各地の林地に野生する多年草のイカリソウ(碇草、錨草;メギ科イカリソウ属)。4枚の花弁が中に蜜をためる距を突出しています。滋養・強壮に効果がある薬草です。


 小さな白い花のバイカイカリソウ(梅花碇草;メギ科イカリソウ属)。日本固有種で、本州、四国、九州の山地の林内、林縁に生育します。イカリソウ属の特徴である碇状の距がありません。


 イカリソウ(サルフレウム Sulphureum)の淡黄色の花も房状になって盛んに咲いていました。洋種のサルフレウムは普通のイカリソウと比べると、碇状の距を持っていますが、花の形状が少し違います。市場ではサルフレアの名で流通しています。


 キバナカタクリやイカリソウ以外にもいろんな珍しい山野草を見かけました。この白い花はハルオコシ(キンポウゲ科イチリンソウ属)。半八重咲きの白い花びらの周りに、緑色のがく片と総苞葉がついています。欧州原産のヤブイチゲの八重咲の品種。夏になると葉が枯れて休眠しそのまま越冬するので、ハルオコシも春の妖精の仲間になります。


 薄い青紫色の花のシラネアオイ(白根葵;キンポウゲ科シラネアオイ属)。深山に生育する山野草で普段あまり見かけません。日光白根山に多く生えています。

 上記以外にも、大柿花山の多くの写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年4月 大柿花山)


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2018年4月 6日 (金)

サクラ散り、春爛漫から初夏のたたずまいへ



 今年は4月上旬に早々とサクラ(ソメイヨシノ)の花が散ってしまいました。サクラの後の園内は色とりどりのツツジの花が咲き出してきて、引き続き私たちの目を楽しませてくれます。ツツジ以外にも、ハナミズキなどの初夏の到来を告げる花も見かけるようになってきてました。

(サトザクラ)

 ソメイヨシノが散っていも、サトザクラの幾つかのサクラの花が咲き残っていました。これは晩都(おそみやこ)の品種名が付いています。落ち着いた感じで咲いていました。


 仁科蔵王(にしなざおう)の名が付く珍しいモスグリーン色のサトザクラも咲き出しました。仁科蔵王は、2007年に理研の加速器から発生する重イオンビームをサトザクラの栽培品種の御衣黄(ぎょいこう)に照射して突然変異を誘発させてつくり出した新種のサクラです。“仁科”は理研加速器の父である仁科芳雄に、“蔵王”は山形で育種したものであることに由来します。

(ツツジ、シャクナゲの花々)

 柴田記念館前でツツジやシャクナゲが美しく咲いています。このシャクナゲ(石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)の高木は真赤で大きな花をギッシリと並んで付けていて壮観です。シャクナゲは葉にケイレン毒を含む有毒植物です。


 シャクナゲの高木の隣は台湾原産のアカボシシャクナゲ(赤星石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)です。淡い色のシャクナゲで優雅な感じがします。


 林地の奥の方にもツツジの花を見かけました。真紅のオンツツジ色が鮮やかに目に飛び込んできます。


 ツツジ園にはいろんな種類のツツジの花が咲き出していますが、この中でアマミセイシカ(奄美聖紫花;ツツジ属セイシカ亜属)の白い美しいツツジの花を見かけました。奄美大島の山地に自生する貴重なツツジです。

(初夏を告げるハナミズキの花など)

 しっとりと美しい紅白のハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)の花も咲き出していました。スズカケノキ、ユリノキなどの巨木並木からかなり奥まった林地に生えています。初夏の季節の到来を知らせてくれます。かつて米国赴任時のニューヨーク郊外の住まいの庭先にも植えてあった思い出深い花木です。


 イロハモミジは日増しに新緑があざやかになってきました。日本庭園の一角に立つ旧東京医学校の赤い建物もイロハモミジの新緑に囲われていました。


 イロハモミジの林縁種のオニカエデ(カエデ科カエデ属、別名はカジカエデ)は、新緑というよりも多数垂れ下がった大きな花穂が目立ちます。


 びっくりするような光景です。木全体が白雪に覆われたようなトキワマンサク(常磐万作;マンサク科トキワマンサク属)の大樹です。リボンのような細長い4枚の 花弁の淡黄色の花が大木に溢れんばかりに枝垂れて咲いていました。


(初夏の野の花)

 多くの野の花が競い合いながら草むらに咲き出してきました。ニュートンのリンゴの木の近くの草むらに群生しているシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の群生地がありますが、独特の紋様の花が次々に咲き出してきています。


 群生するヤマブキソウ(山吹草;ケシ科ヤマブキソウ属)が鮮やかな山吹色の花を咲かせていました。カタクリの群生地と隣接していて、カタクリの花が終わった後に咲き出します。


 オオアマナ(大甘菜;ユリ科オオアマナ属)も随所に見かけるようになりました。小さな星型の白い花が群生し、園内のあちこちの林床を一面の白に染めています。


 タンポポ( 蒲公英;キク科タンポポ属)の周りでサギゴケ(鷺苔;ゴマノハグサ科サギゴケ属)が咲き広がっていました。

 これ以外にも、多くの初夏の風景写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年4月)



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2018年4月 1日 (日)

サクラ満開の小石川植物園は春爛漫



 日本列島の上空に高気圧が連綿とつながる初夏の頃の気象配置になっているようで、雨が降らずに連日やや暑い感じの陽気が続いています。小石川植物園ではソメイヨシノが3月最後の週の後半から土日の週末にかけて満開になりました。そして、春から初夏にかけての木々の花や野の花が一斉に咲き出し、まさに春爛漫の様相を呈してきました



  ソメイヨシノが満開になり春本番ということで、みんな浮き浮きと楽しい気分で満開の桜の木の下に集います。週末の植物園では臨時の入口を設け、大勢の人出に対応していました。


 普通に桜といえばソメイヨシノのことを言いますが、植物園の桜並木にある多くのサクラの木もソメイヨシノです。ソメイヨシノは圧倒的なボリュームの優雅な桜色の花が木全体を覆い、春の青空の中に美しく広がっていきます。


 ヤマザクラの仲間の桜も咲いています。このオオヤマザクラは野生種の桜で、ヤマザクラに比べて花や葉が大きい。花色が淡紅色であることからベニヤマザクラ(紅山桜)、また北海道に多く生育していることからエゾヤマザクラ(蝦夷山桜)の別名があります。



 観賞用にオオシマザクラを基にしてヤマザクラ、エドヒガン、マメザクラなどを掛け合わされた園芸品種の総称をサトザクラと呼びます。上から長州緋桜(ちょうしゅうひざくら)、一葉(いちよう)の名が付いています。


 サクラ以外の花も多く見かけました。これは本州、四国、九州の山地に生育するイヌザクラ(犬桜;バラ科 サクラ属ウワミズザクラ亜属、別名シロザクラ)ですが、花より先に新葉に覆われています。


 枝の中をよく見てみると花芽が出ています。サクラの名が付いていますが、普通の桜とは違い5月頃に密生した総状の白い花が咲きます。


 落葉低木ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅;バラ科サクラ属)。主に庭木として用いられ、サクランボに似た赤い小さな実を付けます。


 中国原産の常緑低木ウンナンオウバイ(雲南黄梅;モクセイ科ソケイ属)。枝垂れながら鮮やかな黄色の花が盛んに咲き出していました。


 園内をぶらぶらしていると、ソメイヨシノの花の傍に紫色の花が鮮やかに咲いていました。


 近づいてみると、ハナズオウ(花蘇芳;マメ科ハナズオウ属)でした。勢いよく咲いている花は幹や枝から直接吹き出しているように見え、ビッシリと密生しています。


 冬木立だった木々に新葉が付き始め、新緑が広がってきました。これは、ケヤキ(欅;ニレ科ケヤキ属)の大樹です。スズカケノキ巨木群の一角に生えています。秋には褐色に紅葉します。


 日本や朝鮮半島、中国に自生する落葉高木のカツラ(桂;カツラ科カツラ属)。新年の冬木立から新緑へと衣を付け始めました。


 メタセコイア林付近の小さな池の風景です。うっすらとした新緑で色づいてきました。左上方がシダレヤナギ、中央後方がラクウショウになります。


 数多くの野の花が咲き広がってきました。園入口付近にスイセン(水仙;ヒガンバナ科スイセン属)が植えられています。その周りにはハナニラ(花韮;ユリ科ハナニラ属)の白い花が咲いています。


 全国の木陰地に生育するムラサキケマン(紫華鬘;ケシ科キケマン属)の赤紫色の花。キケマン属に特徴的な筒状の花を咲かせます。春の妖精の仲間。


 中国原産のバイモ(貝母;ユリ科)が群生しています。小さなつり鐘状の花のウラ側の模様が神秘的です。編笠百合とも呼ばれます。


 ヘビイチゴ(蛇苺;バラ科キジムシロ属)が小さな黄色の花を咲かせています。あぜ道や野原などに広く自生するバラ科の多年草。5月頃に赤い実を付けます。

 上記以外にも、いろんな春の風景の写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(2018年4月)

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2018年3月25日 (日)

三毳山の山腹に無数のカタクリの花が咲き広がる



 3月下旬の週末 (3/25)、 サクラがほぼ満開の小石川植物園を早朝に回った後、急いで東北自動車道に乗り、次の目的地の三毳山(みかも山)に向かいました。車で都心から1時間半もあれば楽に到着です。三毳山では山腹一面にカタクリの花が咲き広がっていて、息を呑むような美しい光景に出会うことができました。


 花の百名山にも選定されている栃木の三毳山はカタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなどの山野草の自生地になっています。東北自動車道の佐野藤岡ICを降りてすぐの所に標高229m のやや低めの三毳山がそびえていますが、みかも山公園はその三毳山と一体化した広大な自然公園になっています。


 みかも山公園東口広場に車を留め、案内表示に従って山中のカタクリ園まで15分ほど山道を登っていきます。道の途中で「北国の春」の唄に出てくるコブシ(辛夷;モクレン科モクレン属)の花を見かけました。


 やがてカタクリ園に到達しますが、周りの山腹一面に赤紫色に彩る無数のカタクリのが咲き広がっていました。この世のものとは思えない美しい光景にしばし茫然となりました。この自生地は日本有数の規模で約150万株ものカタクリが自生しているそうです。


 可憐なカタクリ(ユリ科カタクリ属)の花は春の野の花の代表格です。春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ち、春の妖精(スプリング・エフェメラル)とも呼ばれます。



 赤紫色のカタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。カタクリは古来から親しまれ、万葉集では「堅香子(かたかご)」の名で詠まれています。




 カタクリ園から降りてきて広場近くの野草の園に向かうと、カタクリ以外の野の花も自生しています。上からニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)、キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属、別名はキクザキイチリンソウ)、そしてアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)になります。いずれも春の妖精の仲間です。

 今月は好天の下で奥秩父のセツブンソウの自生地、三毳山のカタクリの自生地と立て続きに行くことができ、無数の春の妖精たちとの出会いがかなって非常に幸運でした。

 三毳山のいろんな写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月 三毳山)


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春の陽気が続き、いろんなサクラが満開に

 このところ春の陽気が続き、気象庁は3/24(土)に東京の桜満開(靖国神社境内の染井吉野の標本木)を発表しました。1953年の統計開始後3番目に早い満開で、平年に比べると10日早いとのことです。

(いろんなサクラの花)

 この週末に近くの小石川植物園に出かけましたが、ここではソメイヨシノが7分から8分咲きといった感じでした。


 ぽかぽか陽気の好天にも恵まれ、桜並木の下では9時開園直後の朝早くから席取りが始まっていました。


 桜の花の代表格は何といってもソメイヨシノ(染井吉野)です。園内に数多く植えられているソメイヨシノも徐々に満開に向かっています。


 ソメイヨシノの研究過程や実生から多くの変種が生まれています。この品種名は伊豆吉野です。少し野性味が強いような感じがします。


 ソメイヨシノ以外にも色んなサクラの花が咲いていました。これはヤマザクラ(品種名:群桜)。メタセコイア林へ向かう散策路の始まり付近に生えていて、見事に満開になっていました。


 古井戸付近のヤマザクラの大樹も満開でした。赤い新葉とともに花を付けるのが特徴的です。


 桜の野生種の一つのエドヒガン(江戸彼岸)。花のボリュームはソメイヨシノより少ないものの、細かい白い花が青空に咲き広がる様は美の極致のようです。


 天空から降り注ぐかのように上品な白い花がに無数に枝垂るシダレザクラ(枝垂桜)の高木がエドヒガンに隣接して並んでいます。シダレザクラはエドヒガン系です。



 3月中旬に満開になっていたサクラもありました。上がマメザクラ(品種名:早春桜)。小振りのあざやかなピンク色の小さな花を一斉に咲かせます。下の白い花は伊豆大島に自生するオオシマザクラ(品種名:寒咲大島)。若葉と同時に白色の花を多数つけます。

(サクラ以外の木々の花)

 サクラ以外の花木もにぎやかになってきました。これは無数の黄緑色の花が吹き出すトサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)。トサミズキは高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。


 トサミズキの同属のシナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)もあざやかに開花しました。周りの空間を黄色の花で埋め尽くしているかのようです。


 ツツジ園ではハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅)が赤紫色の力強い花を咲かせていました。薩摩地方を中心に分布します。


 ツツジ園からの巨木の冬木立の眺望です。左から、黄(シナミズキ)、赤(早春桜)、白(寒咲大島)とカラフルで美しい時季を迎えました。


 メタセコイア林の風景。まだ冬木立のままですが、周りにはチョウセンレンギョウの黄色の花やサクラの桜色の花など、次第に色鮮やかになってきました。

(春の野の花)
 春の野の花も次々に咲き出しています。


 スミレの仲間を探してみました。これはタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地など身近に見られます。丸い葉と立ち上がる茎が特徴。今までずっとコスミレと思っていたのですが、よく調べてみると違っていたようです。


 これが本当のコスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)です。花姿がタチツボスミレによく似ていますが、細長い葉の形状が異なります。本州から九州の人里や山野に分布します。


 園入口の職員の方に開花を教えてもらったツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)をようやく見つけました。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。また、唇弁が小さく 上弁がひしゃげていないのも特徴のようです。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したと言われています。花が非常に小さいので、うっかり見過ごしてしまいそうになります。


 春の妖精の女王といわれるカタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の自生地を見やると、うすい赤紫色のカタクリの花が草の茂みの中で点々と咲いていました。自生地の中を小川が流れているのですが、生息地が小川の両岸に広がっています。


 同じ春の妖精の仲間のニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)も、メタセコイア林の林床地で咲き始めていました。

 これ以外にも様々な季節の花が咲いていました。
  …> 季節のスケッチ(30年3月) 


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2018年3月10日 (土)

奥秩父の自生地に咲き広がる無数のセツブンソウ



 3月上旬、奥秩父に自生するセツブンソウが満開だということで、関越道と皆野寄居有料道路を乗り継ぎ、小鹿野町両神地域の節分草園を訪れてきました。両神小森の一角に張り巡らされた園内では、満開になった無数のセツブンソウが一面に咲き広がっていて圧巻の眺めでした。


 奥秩父山地に位置する小鹿野町両神地域の両神小森に2月から3月にかけて可憐な小さく白い花を咲かせるセツブンソウの自生地が広がっています。広葉落葉樹に囲まれたこの自生地は、節分草園として小鹿野町が管理運営に当たっています。石灰岩地を好むセツブンソウの主な自生地として、わが国では埼玉県小鹿野町両神小森、栃木県栃木市星野の里、広島県庄原市総領地域などが挙げられます。近年、セツブンソウは乱獲や自生地の環境破壊によって希少植物になっています。


 奥秩父の両神小森に咲き広がるセツブンソウ(節分草;キンポウゲ科セツブンソウ属)はちょうど満開の時期でした。落葉樹林の隙間から差し込んでくる春の陽光を受け、地上の枯葉やコケの間から可憐な小さな白い花が一斉に吹き出しているかのようで見事な眺めでした。圧巻の光景です。


 セツブンソウは春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間とされています。春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる山野草は、春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ちます。


 セツブンソウもカタクリ、アマナ、ユキワリイチゲなどの他のスプリング・エフェメラルの仲間と同じように、落葉した広葉樹林に春の陽光が差し込んでくるのをじっと林床の下で待ち、そしてこのように地上に出た後、精一杯に命を輝かせながらつかの間の春を謳歌します。


 園の入口に臨時の小さなの出店があって、地元産品を販売していました。無数のセツブンソウに感動した後、黄金色のフクジュソウの鉢ポットや美味しそうなジャムなどを買い求め、そして帰途につきました。この日はいいドライブになりました。

 このほかにもいろんな写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月 奥秩父)


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