2017年3月 4日 (土)

3月に入りカンヒザクラ、サンシュユ、ユキワリイチゲなどが賑やか、いよいよ春本番へ


 3月に入ると、さすがに寒さが緩んできて、季節が春本番へと向かいつつあることを実感します。

 週末の3月4日に近くの小石川植物園を回ってきましたが、カンヒザクラ、サンシュユなどの木々からカラフルな花が一斉に吹き出し、園内は春の彩りが濃くなってきました。一方、野の花の世界も賑やかです。先月中旬に咲き始めた春の妖精のユキワリイチゲの花がどんどん咲き出してきました。また、オオイヌノフグリ、コゴメイヌノフグリ、ハナニラ、タンポポなどが草むらに数多く見かけるようになってきました。

 この日は穏やかな春暖の一日でした。人出も増え、家族連れも多く見かけるようになりました。


 この時期は園内を散策していると、随所に赤や白の花を付けたヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属)の高木を見かけます。ヤブツバキは東北以西の暖地に生育する常緑の小高木で、伊豆七島などが花の名所として有名です。


 春の青空の下、カンヒザクラ(寒緋桜)の花が満開になって広がっていました。沖縄に自生する寒緋桜は、濃い赤紫色の大粒の花を咲かせ心を揺さぶるような強烈な印象を受けます。東日本大震災以降は、まるで犠牲者への鎮魂花であるかのように思えます。


 ソメイヨシノの開花はまだまだですが、ソメイヨシノの近くに生えている早春桜にあでやかなピンク色の小振りな花が咲き始めていました。早春桜は富士山や箱根などの山地に分布する富士桜(マメザクラともいう)の園芸種です。


 梅林の中央部に生えるサンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の大木に花が咲き出しました。まだ満開前であるものの、小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出しています。木全体が黄金色に輝いているように見えます。


 常緑低木のウンナンオウバイ(雲南黄梅;モクセイ科)の鮮やかな黄色の花が、枝垂れて連綿と咲き出してきました。茎が根元から多数分枝し上部で枝垂れます。3月中には満開になると思われます。


 中国原産のホンコンドウダン(香港満天星;ツツジ科ドウダンツツジ属)に花が付き始めました。蝋細工のように釣り下がる釣鐘形の花のピンクと白の色合いが美しく、ピンクシャンデリアの流通名が付いています。



 先月に咲き始めたユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)ですが、この日は清楚で可憐な白い花が数多く咲いていました。ユキワリイチゲは春の妖精の仲間です。落葉樹の林床に差す春の陽光を受けこの時期だけ花を咲かせ、残りの時期は球根の形で地中で過ごす植物のことを春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼びます。


 ユキワリイチゲの他にも、園内の草むらは多くの野の花で賑やかになってきました。これは園の入口から坂を登り切った所で見つけたハナニラ(花韮;ユリ科イフェイオン属)の清楚な白い花です。ハナニラの花の形はアマナに似ていることからセイヨウアマナとも呼ばれます。これから園内の各所に咲き広がります。


 オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)。星くずのような可憐な青い小さな花が園の随所に広がってきました。


 コゴメイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)の米粒のように小さく白い花が局所的に群生しています。オオイヌノフグリよりもさらに小粒な花です。かつて小石川植物園に研究用に持ち込まれたものが野生化したと言われています。


 全国の山野に自生するフキノトウ(蕗の薹;キク科フキ属)を園内で見つけました。旧東京医学校の赤い建物のすぐ近くの湿地に生えていました。フキノトウはフキ(蕗)が春につける花のつぼみのことです。天ぷらなどの食材として用いられます。

 これ以外にも、色々の写真をアップしています。
      …> 季節のスケッチ(29年3月)





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2017年2月12日 (日)

梅林ではメジロが飛び回り、枯葉の下からユキワリイチゲが地表へ


 三寒四温と言われるように寒暖の差が大きいこの頃ですが、2月中旬のこの日(2/12)は青空が広がる春暖の一日でした。


 梅の香りに誘われて小石川植物園の梅林に立ち寄ってみると、多くの梅の木に紅梅、白梅の花が賑やかに咲き出していました。メジロも盛んに花を求めて飛び回っていました。この白梅の品種名は都錦(みやこにしき)。


 珍しい梅の花も咲いていました。ふわふわした形状の黄色の花を付ける黄梅(おうばい)です。花の形は梅でなくてマンサクに似ていますが、木の枝ぶりを見るとやはり梅の木です。


 梅林では新年からいろんな梅の花が次々と咲き出しています。この白梅は玉英(ぎょくえい)。


 唐梅(とうばい)。木枝の曲がり具合に独特な趣があります。


 大盃(おおさかずき)。


 豊後(ぶんご)。


 月宮殿(げっきゅうでん)。


 春の野の花も少しずつ増えてきました。この日は、スプリング・エフェメラル(春の妖精)の仲間を見つけました。ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属、別名:ルリイチゲ)の可憐な白い花が、春の陽光を受けソロリソロリと枯葉の下から咲き出してきました。


 オオキバナカタバミ (大黄花片喰;カタバミ科カタバミ属)が園入口近くに群生しています。その場所を覗いてみると、大きめの黄色の花が明るく咲いていました。オオキバナカタバミは葉の紫の斑点に特徴があります。


 散策路で一輪のコスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)の花がひっそりと咲いていました。これから薄紫色の可憐な花が園内のあちこちに咲き出します。コスミレは全国各地に自生する多年草で草丈は低く、5cm~10cm程度です。


 ハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)の小さな花を草むらで見つけました。春の七草の一つのハコベは、「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」 と島崎藤村の千曲川旅情の詩にも登場します。


 この時期はまだまだ冬木立が見られます。この高木ははヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)です。5月頃になると白い花で満開となり、まるで白い粉雪で覆われているような壮観からナンジャモンジャの異名があります。


 中国原産の落葉高木キジュ(喜樹; ヌマミズキ科カンレンボク属)の冬木立。緑衣の夏木立も趣があります。キジュの果実や根に含まれるカンプトテシンというアルカロイドには制癌作用があるとのこと。


 これ以外にも、いろんな園内の写真があります。
    …> 季節のスケッチ(29年2月)




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2017年1月 7日 (土)

新年の青空の下にロウバイ、ウメ、ツバキなどの早春の花々



 新年に入って最初の週末の土曜日、小石川植物園に出かけてきました。快晴の冬空が広がり清々しい冬の香りが満ちあふれる園内では、一面に冬木立が立ち並んでいましたが、その中でロウバイ、ツバキ、ウメなどの早春の花々が咲き出していました。

(立ち並ぶ冬木立)
 園内には落葉樹の大樹、巨木が数多く生えていますが、この季節はこれらの立ち並ぶ冬木立の風景を楽しむことが出来ます。すっかり落葉しているので、木々の樹形や木枝の付き具合、木肌の色合いなどの樹木の素顔がよく分かります。冬木立からやがて新緑、万緑、紅葉そして再び冬木立へと木々のサイクルが動き始めます。


 園入口付近の坂道からの眺望です。冬木立のソメイヨシノの後方には高層ビルなどの街並みが広がっています。


 入口から日本庭園の方へ向かうと、真っ先に直立して天空めざして伸びるようなメタセコイア林が目に飛び込んできます。一ヶ月前の褐色の様相とは様変わりです。


 メタセコイア林から少し先に進んだ所にある小さな池の周りの冬木立の風景。左からラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマスギ属)、イタリアヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属、別名セイヨウハコヤナギ;いわゆるポプラ)、常緑樹ユーカリ(フトモモ科ユーカリ属)の高木です。


 古井戸付近のツツジ園から見える精子発見のイチョウ(右)とニレ科のウルムス・プロセア(左)の大樹の冬木立。4月に入ると新緑に覆われるようになります。


 ツツジ園の奥の方の巨木並木にあるモミジバスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)の冬木立。壮観な眺めです。右手前は、まだ残っているロウヤガキの果実。

(早春の季節の花々)
 冬木立が園内一面に立ち並ぶ白黒の世界のようですが、その中でロウバイ、ウメ、ツバキなどの早春の季節の花々が咲き出していました。

 新年早々に咲き出す迎春花のロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花が今年も可憐に咲いていました。まるでロウ細工のような黄色の小さな花です。園入口付近に咲いているのですが、小さい花なので気が付かないで通り過ぎてしまう人も多いようです。


 ロウバイの隣にソシンロウバイ(素心蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花もポツポツと咲いていました。花全体が黄色で中央部の色の変化のないのが特徴です。


 日本庭園の一角に園芸品種約50種100株が植えられている梅林があります。大部分の梅の木はまだつぼみの状態ですが、少しづつ開花し始めてきました。この咲き出した白梅の園芸種には長寿(ちょうじゅ)の名が付いています。


 扇流し(おうぎながし)の名が付くうす紅色のウメの花。


 紅梅の寒衣(かんごろも)。


 古井戸の近くのカンザクラ(寒桜;バラ科カンヒザクラ群)も開花し始めていました。カンザクラの仲間ですのでそもそも早咲きの桜ですが、高めの気温が続いたせいか今年は少々早めの開花だと思います。


 古井戸の近辺にツバキ園があります。中央部に常緑のクスノキの巨木が生えています。ツバキ園にはいろんな品種のツバキの花が年明け頃から咲き出します。この白いツバキの花は大城冠(だいじょうかん)の品種名がついています。


 この真紅のツバキの花の品種名は朝鮮椿(ちょうせんつばき)です。これ以外にも、多くのツバキの花が咲いていました。


 ニホンズイセン(日本水仙;ヒガンバナ科スイセン属)も新春の花です。柴田記念館の裏側の空き地に群生して咲いていました。真ん中の黄色の部分がアクセントになっています。

 これ以外にも、いろんな園内の写真をアップしました。
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2017年1月 1日 (日)

晴れ上がった2017年元日、初日の出と初詣



 2017年の元日は雲一つなく晴れ上がりました。例年通りわが家のベランダからの初日の出になります。朝7時過ぎに街並みの地平線から初日が昇ってきました。神々しい陽光が今年も私たちに恩恵をもたらしてくれることを祈りました。スカイツリーが左端に小さく見えます。


 ベランダから南側には小石川植物園が広がっています。園内にも初陽が差し込んできました。手前右側は温室になりますが、現在建て替え工事が行われていて、工事用のプレハブ建物も数棟立っています。来年の完成が待ち望まれます。


 元日の初詣は、昼過ぎに近くの名刹傳通院に出かけました。傳通院は徳川家とゆかりが深い寺院で、家康の生母の於大の方や孫娘の千姫の墓所があります。歴代将軍の墓所の多くは芝の増上寺にありますが、ここ傳通院では将軍家の子女が弔われています。


 2012年3月に復元された傳通院の山門です。元々の山門は第2次世界大戦の戦火で消失しましたが、関係者の努力で復元されたものです。

 増上寺や靖国神社への初詣はそのうちゆっくりと行こうと思っています。 

…> 季節のスケッチ(29年1月)



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謹賀新年2017 - 海図なき不透明な世界へ

 輝かしい2017年の新年を迎えました。おめでとうございます。まず、仕事面では賀状の文面にもありますように、今年もSociety5.0(超スマート社会)の実現、第4次産業革命への貢献の努力を続けていきたいと思っております。

         〔2017年賀状の文面〕

 一方、世界は先が見えない混沌の時代に入ってきました。近年の中東・シリア等の国々からの大量難民のEU流入に端を発し、昨年はEU各国で難民排斥を主張する極右勢力の台頭、ISによる無差別テロの頻発、英国のEU離脱の国民投票可決(ブレグジット)などEUの秩序を揺るがすような驚くべき出来事が相次ぎました。さらに、このような風潮は「世界の警察」の役割を担う米国にも飛び火し、10月の大統領選挙では何とメキシコとの国境に巨大な壁を構築するとか、自国産業を保護するため自由貿易推進のためのTPPから自ら離脱するといった極端な主張を唱え続けたトランプ候補が当選しました。

 世界全体として、従来の多民族の共生、グローバリズムなどの民主主義の普遍的な価値の下で封印されていた不寛容、内向き指向、ポピュリズムなどのダークサイドの思潮が表舞台に一気に噴き出してきた感があります。また、世界秩序のゆらぎを見てロシアが覇権を求める動きを加速させていますし、経済大国の中国は、依然としてバブル崩壊のリスクを抱えながら領土拡張の野心を隠そうとしていません。

 このような不透明な国際情勢の中で、わが国は安全保障を確保し、経済再生を実現することが国是となっていますが、政治力、外交力、経済力、技術力など総力を結集した取り組みにより、豊かな未来を拓く新たな海図づくりが急務となっています。

 最後に、プライベート生活では近いうちに8人目の孫誕生が予定されています。末広がりで充実したスローライフを過ごせればと念じています。今年もよろしくお願いいたします。


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2016年12月27日 (火)

人工知能(AI)の台頭に動揺する将棋の世界

 ここ数年来の人工知能(AI)を活用した囲碁・将棋ソフトの棋力が著しく伸長し、プロ棋士との対戦で互角以上の成績を残すようになってきていることは、本ブログでも紹介済みです。
 このような状況の中で、日本将棋連盟(以下、連盟)が台頭する人工知能の影におびえて、無実のプロ棋士(三浦九段)に対して証拠の無いまま出場停止(12月末まで)の処分を断行してしまうという由々しい出来事(不祥事)が起きてしまいました。
(少々長くなりますが、本件の推移を末尾にまとめました。)

 今回の騒動に関する私の感想は次の通りです。

(1)間違っていた処分断行
 棋士にとって出場停止処分というのは、疑惑棋士という汚名を着せられること、対局出来ないことにより対局料の収入が絶たれることなど、棋士生命にも直結する極めて重大な事案です。調査委員会報告では、三浦9段に不正使用はなかったものの、竜王戦開幕直前に週刊文春に疑惑記事が載るという差し迫った事情があったため連盟の処分はやむを得なかったということですが、私はおかしいと思います。

 いくら切迫した事情があったとは言え、しっかりとした調査もせず確証の無いまま処分を断行するというのは絶対に間違っています。世間の常識からもかけ離れています。社団法人たる連盟は不当な疑惑から会員(棋士)を守ることも本来業務の一つです。それにもかかわわらず、今回は棋戦(竜王戦)を守るため一人の棋士(三浦9段)を犠牲にした構図になります。羽生3冠の「今回の件は白の証明も黒の証明も難しいと考えています。疑わしきは罰せずが大原則と思っています」とのコメントが妥当な考えだと思います。

(2)急がれる名誉回復、原状復帰、金銭補償
 不正使用がなかったという結論が出た以上、真っ先に三浦9段の速やかな名誉回復が急がれます。少なくとも連盟の常務会メンバー、疑惑を指摘した棋士たちが、しっかりとした謝罪を行い、さらに三浦9段の出場停止に見合った処分を受けることなどの自浄能力がまず求められます。

 また、出場停止の3か月の間、竜王戦を始め多くの棋戦で挑戦者交代や不戦敗などの扱いになっています。この不利益な扱いについてなかったことにして処分前の原状に戻すことが必要です。もし、戻すことが不可能なのであれば、被った不利益に対する金銭補償を行わなければなりません。将棋界の最高棋戦といわれる竜王戦は4,320万円もの高額な優勝賞金が出ます。この優勝賞金を含めて、さらには不戦敗になった他の棋戦の対局料に相当する補償は最低限必要です。さらに、不戦敗の扱いを勝局扱いと変更することも必要になります。

(3)人工知能の台頭と将棋世界の未来
 今回の騒動の根底にあった人工知能がプロの将棋棋士の頭脳を超えてしまった感のある状況に対して人間側がどのように向き合うかが今問われています。今回のように動揺して対応を誤れば、「弱い」人間の将棋対局からファンの心が離れてしまいかねません。また、対局料を提供するスポンサも、「弱い」人間よりも「強い」人工知能へと支援対象を移すという事態も想定されます。人間と人工知能が共存できる仕組みを作り上げてこそ将棋世界に未来があるということを肝に銘じて欲しいと思います。

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 時系列にまとめた本件の経緯
 (主に将棋ワンストップ・ニュースからの引用)

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(2016.7-2016.9頃)
 一部の棋士から、三浦9段が対局中に将棋ソフトを不正使用しているのではないかという疑惑が指摘される。

(2016.10.10)極秘会合
 渡辺竜王、島理事に加え、羽生善治三冠、佐藤天彦名人、谷川浩司九段(連盟会長)、佐藤康光九段(棋士会長)、千田翔太五段の7人が、島理事宅に集まり極秘会合。久保九段は電話で参加。

(2016.10.11)聞き取り調査
 常務会による三浦九段への聞き取り調査。渡辺竜王、千田五段も参加。連盟の会見によると、ここで三浦九段が休場を申し出たという。しかし三浦九段は「一方的に処分された」と反論、NHKインタビューでも「辞退するわけがない」としている。

(2016.10.12)処分断行
 竜王戦七番勝負が3日後に迫った10月12日、連盟からリリースが出される。内容は以下の通り。
  1. 三浦九段は2016年12月31日まで出場停止処分とする。
  2. 竜王戦七番勝負の挑戦者が三浦弘行九段から丸山忠久九段に変更された。竜王戦主催の読売新聞は了承済。

 連盟リリースだけではわからない報道機関からの情報。
  1. 三浦九段はスマホを使って不正をした疑いがある
  2. 過去に対戦した5人前後の棋士から指摘があった
  3. 三浦九段は不正を認めていないが、疑惑の中では指せないとして休場を申し出た
  4. 休場届が期限までに提出されなかったため(処分理由)、処分した
  5. 三浦九段は「濡れ衣。不正はしていない」とコメント
  6. 連盟はこれ以上調査しない

(2016.10.15)竜王戦始まる
 挑戦者が三浦9段から丸山9段に変更になった竜王戦が始まる。

(2016.10.18)三浦9段からの反論
 三浦9段からの反論文書が出る。
  1. 対局中のソフト使用は一切ない
  2. 連盟にはPC4台の現物と、スマホにインストールされた全アプリの「撮影画像」を自主的に提出
  3. 連盟はそれを精査せず一方的に処分した
  4. 連盟に離席の多さや一致率の資料を求めたが開示されず
  5. 今後も連盟の調査に最大限協力する
 同夜のNHKニュース(三浦九段の単独インタビュー)
  1. 竜王戦は将棋界最高峰の棋戦ですから、挑戦するだけで大変な名誉。辞退するわけがない
  2. (離席が多かった7月26日の久保九段戦は)その日は特に体調がすぐれなかったので、休んでいる時間が長かった
  3. そもそも携帯(スマートフォン)に将棋ソフトが入ってない
(2016.10.19)渡辺竜王のインタビュー記事
 週刊文春での渡辺竜王のインタビュー。
  1. 渡辺竜王は、三浦九段の自身との対局および過去の対局も調べ、指し手の一致、離席のタイミング、感想戦での読み筋などから「間違いなくクロだ」と確信
  2. 最悪のシナリオは『疑惑を知りながら隠していたという事が発覚する事だ』と判断
  3. 前述したトップ棋士による極秘会合があった
(2016.10.20)羽生3冠の訂正ツィート
 羽生善治三冠が、文春の記事に誤解を招く表現があったとして「今回の件は白の証明も黒の証明も難しいと考えています。疑わしきは罰せずが大原則と思っています」と表明。

(2016.12.26)第三者調査委員会による発表
 第三者調査委員会が会見。概要は「疑惑の根拠とされたものいずれも実質的な証拠価値は乏しく、不正の証拠はない」「出場停止処分の妥当性は、七番勝負開幕戦を直後に控えた状況で、連盟所属棋士および公式戦における規律権限の範囲内であり、当時の判断としてはやむを得ない」。

(2016.12.27)調査結果を受けての三浦9段の会見
 出場停止処分となった2か月半の期間について、三浦9段は「私個人だけなら耐えきれましたが、家族がひどい目に遭ったので思うところはあります。推測でいろいろ言われるのはつらいですし、悔しい思いはあります」と打ち明け、「元の状態に戻してほしい」と名誉や地位の回復を求めた。

(2016.12.27)調査結果を受けての谷川連盟会長の会見
 連盟の谷川浩司会長は「三浦九段につらい思いをさせたことを申し訳なく思っております」と謝罪。会長以下理事7人の理事報酬を一部減額処分とし、三浦九段に対しては処分期間中に不戦敗となっていた順位戦A級での残留などの措置を取って「名誉回復に全力で務めていく」とした。

以上


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2016年12月 4日 (日)

12月初旬の小石川植物園は鮮やかな紅葉・黄葉風景


 いよいよ年末の12月に入りました。最初の週末(12/3-4)は、先月下旬に初雪をもたらした寒波も遠ざかり、温暖な小春日和の天候でした。絶好の散策日和ということで、自宅近辺の紅葉見物に出かけてきました。小石川植物園や丸の内、本郷などの都心の街中は、ちょうど紅葉・黄葉の真っ最中で美しい風景との出会いに感動の連続でした。


 園の入口付近のメタセコイア林の風景です。相当にメタセコイア(スギ科メタセコイア属)の褐色が濃くなってきました。


 この日はイロハモミジ(いろは楓;カエデ科カエデ属)の紅葉が目を見張るように鮮やかでした。ここは大温室(工事中)の近くのイロハモミジの小径です。真赤なトンネルに変貌していました。


 古井戸の奥の方の林間地にもイロハモミジの木が生えています。すぐ近くの大樹の幹を背景にしてモミジの紅葉が空中に点描されているようです。


 また、周りの黄葉とのコラボレーションも見事です。



 日本庭園の手前の池の周りのメグスリノキ(カエデ科カエデ属)の大樹が生えています。散策路から少し外れているので気が付きにくいのですが、この日は驚くほど真赤に染まっていました。日本に自生するメグスリノキは、その名の如く葉を煎じて服用したり、洗眼すると目の病気に良いと言われています。


 メグスリノキの近くの空間の風景です。橙色のイヌブナ、黄色のヨーロッパカエデ、真紅のイロハモミジが調和して輝いていました。


 ハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)もまだ紅葉が残っていました。


 サクラの木々の紅葉も見事です。イロハモミジの小径にオオシマザクラの木も交じっているのですが、鮮やかな橙色に紅葉していました。


 サクラの木の下はこのように褐色、黄色の落葉で一面覆われていました。重なった落葉を踏みしめてサクサクと歩くのも心地よいものです。


 フウ(楓;マンサク科フウ属)の高木の黄葉も鮮やかでした。黄葉が宙を舞っているようです。フウは中国・台湾原産の落葉高木で、木の葉の形が同じ漢字名をもつカエデに似ています。


 フウの高木の周りはスズカケノキ、ボダイジュ、ケヤキなどの巨木、大樹などが立ち並んでいます。この空間の一角の風景です。紅葉、黄葉、落葉などこの季節の風情たっぷりでした。


 園の入口近くのイチョウ(イチョウ科イチョウ属)の大樹の黄葉風景です。大迫力です。


 最後に日本庭園の一角の赤い建物(旧東京医学校)の眺望です。右手前は先月見事に紅葉していたナンキンハゼですが、落葉がだいぶ進んでいました。やがて、園全体の木々が冬の装い(冬木立)に変貌していきます。

 上記以外の美しい風景の写真もアップしています。
     …> 季節のスケッチ(28年12月)

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2016年12月 3日 (土)

12月初旬、黄金色に輝く都心のイチョウの黄葉


 小春日日和の12月初旬の週末は、都心のイチョウの木々も見事に黄葉し、黄金色に輝いていました。


 本郷通りに面する東京大学正門を入ると、奥の安田講堂まで黄金色のイチョウ並木が続いています。安田講堂の時計台がイチョウの黄葉のすき間から垣間見えます。


 工学部6号館の前の中庭に、日本の機械工学、造船業の発展に貢献したCharles Dickinson West の像が設置されています。わが国は明治維新後、殖産興業を目指し海外から多くの研究者・技術者を招聘しましたが、Charles Dickinson West はその一人。アイルランド生まれで、英国のバルケンヘッド造船所設計技師長から明治15年に来日。以降25年間、東京帝国大学で船舶用機関学を担当し、海軍や民間の造船技術者を養成。


 Charles Dickinson West の像が設置されている工学部6号館の前の中庭の真ん中にイチョウの大木が生えています。この時季は美しく黄葉し、格好の撮影スポットになっています。


 重要文化財に指定されている朱塗りの東大赤門です。江戸時代、加賀藩が将軍家から姫を正室に迎えた際に建立された建造物。赤門の周りのイチョウの木も黄葉が見頃でした。


 丸の内の和田倉門交差点付近の風景です。東京駅から皇居前までの行幸通りの街路樹にイチョウの木が用いられています。


 この時期、イチョウの黄葉と周りの高層ビル群とが美しくコラボしています。この高層ビルは東京海上日動の建物です。


 和田倉門交差点付近の皇居外苑地区の一角に和田倉門噴水公園があります。オブジェと噴水もすっかり晩秋模様に囲まれていました。


 和田倉門交差点を南北に走る通りが日比谷通りです。この日比谷通り沿いには、ヤナギやイチョウの街路樹が植えられています。


 日比谷通りを北に進むと、お茶の水の聖橋付近に屋根の丸みが特徴的なギリシャ正教会の建物のニコライ堂が建っています。この付近の街路樹もやはりイチョウの木で、ニコライ堂が黄金色に輝いていました。


 四ツ谷駅近くの迎賓館赤坂離宮も晩秋の風情です。迎賓館は明治時代、一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設した日本における唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築で、世界各国からの国賓、公賓がこの迎賓館に宿泊します。迎賓館では接遇に支障のない時期に、館内を一般に公開しています。

 …> 季節のスケッチ(28年12月)


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2016年12月 2日 (金)

活躍するMEMS(メムス)~身の回りでもSociety5.0でも


 MEMS(メムス)というと聞き慣れない用語かも知れませんが、実はモバイル機器、自動車等の私たちの身の回りの製品の中に数多く組み込まれている必須デバイスです。MEMSとはMicro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)の略で、半導体製造技術やレーザー加工技術等、各種の微細加工技術を用いて微小な電気要素と機械要素を一つの基板上に組み込んだ米粒や豆粒ほどの大きさのデバイスのことを言います。

 MEMSと半導体デバイス(LSIなど)はどちらも同じような大きさで外見上よく似ていますが、働きが少し違います。すなわち、半導体デバイスは入出力が電気信号で、人間の頭脳のような高速計算や大容量の記憶などの働きに秀れていて、コンピュータの中枢デバイスとなっています。一方、MEMSは入出力が電気信号に限定されず、エネルギーや機械変位、物理量など多岐に亘り、人間の五感器官のようなセンシング(センサ)、筋肉部のような動作(アクチュエータ)などの様々な働きをします。

 (図1)MEMSの概念図


 例えば、モバイル機器のスマホでは高性能化・多機能化を実現するため、モーションセンサ、MEMSマイクロフォン、無線センサ、環境センサなど盛沢山のMEMSがスマホ内の狭小な空間の中にぎっしりと組み込まれていて、MEMSのかたまりのようなものです。また、自動車も同様です。エンジン制御のための圧力センサ、姿勢制御のためのジャイロ、エアバック感知のための加速度センサなど多くのMEMSが使われていますし、今後は自動運転のための各種MEMSセンサが増大していくと予想されます。

 (図2)スマホで使われるMEMS


 さらには、数次のMEMSに係る先端技術開発プロジェクトの研究成果等が基盤技術として蓄積・活用され、スマホ、自動車に限らず多くの製品やシステムへの先進MEMSの応用が広がっています。

 (図3)広がる先進MEMSの応用


一方、政府の第5期科学技術基本計画においてSociety5.0(超スマート社会)の実現に向けた取り組みが提唱されていますが、Society5.0の実現には近年注目を集めるIoT(あらゆるものがインターネットでつながる)システムが欠かせません。このIoTシステムの中でもMEMSが重要な役割を果たしていくことになります。

例えば、工場を対象としたIoTシステムでは、実世界(工場現場)の状況を適確かつ迅速にデータ収集(センシング)し、収集したデータをクラウド上に集め、ビッグデータ技術やAI(人工知能)を用いて設備管理や生産管理に役立つ経営情報に変換する、そして経営情報を実世界(工場管理、経営)にフィードバックする、といった流れになります。この流れの中で実世界とクラウドを結ぶセンシングの局面においてMEMSが主役となります。

 すなわちMEMSを用いた多様な産業用途のセンサ、環境からエネルギーを自力で調達する自立電源、データを無線で飛ばす無線モジュールなどをまとめて搭載した小型センサ端末(これもMEMSのかたまり)が工場の各所に配置され、工場の様々な稼働状況をリアルタイムにモニタリングし、クラウドに収集データを送り出します。

今年度からNEDO委託事業の高効率スマートセンシングシステム(LbSS)の研究開発も始まりました。近い将来Society5.0を支え、元気に活躍するMEMSの姿を見ることができるようになります。乞うご期待。

(図4)Society5.0/IoTシステムで活躍するMEMS


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注)本稿は、JRCMニュース(2016年12月号)への寄稿文に加筆修正を加えたものです。

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2016年11月26日 (土)

11月下旬、小石川植物園は鮮やかな紅葉・黄葉が主役


 11月下旬は重大な気象の出来事が相次ぎました。まず22日朝方に福島県などで最大震度5弱を観測し、東北地方沿岸に津波が押し寄せました。東日本大震災の余震だとのこと、まだまだ油断が出来ません。それから2日後の24日には強大な寒気が日本列島に南下するとともに南岸低気圧の東進と相まって、都心でも降雪を観測。11月では何と54年ぶりだそうです。
 さて、週末の26日はすっきりと晴れ上がりましたので、風邪気味だったのですが、小石川植物園内を散策してきました。鮮やかな木々の紅葉・黄葉が園内の主役でした。以下、園内の風景を紹介します。


 入口から日本庭園へ向かう途中の池の風景。水面にイチョウの黄葉やモミジの紅葉が逆さに映っていて、晩秋の風情たっぷりでした。春の時期には、この池面は新緑とサクラの花に覆われていました。



 中国原産の落葉高木ナンキンハゼ(南京櫨;トウダイクサ科ナンキンハゼ属)。無数の木の葉が秋の日差しに輝く大樹の紅葉の姿は圧巻でした。下の写真にナンキンハゼの実が見えますが、種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 ナンキンハゼに隣接する落葉小高木のハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)も美しく紅葉していました。ハゼノキはモミジ、カエデとともに山の紅葉の代名詞になっていて、四国・九州・小笠原・琉球などの温暖な場所に生育します。ハゼノキの房状の実からロウを採取、和ロウソクやクレヨンなどに利用されます。


 イロハモミジの並木径です。まだら模様ながらも紅葉がかなり進行していました。春には心地よい緑のトンネルに変貌します。



 並木径のイロハモミジの葉の様子を観察すると、真っ赤に紅葉しているものや、まだ緑葉のもの、橙色のものなど様々です。日当り加減などに左右されるそうです。


 ヌマミズキ科の木々の紅葉も見事です。これは北アメリカの東部から南東部の湿地に広く分布する落葉高木のヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)です。真っ赤に紅葉していました。


 ヌマミズキと同属のニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉も秋の日差しに輝いていました。ニッサボクは中国原産の落葉小高木で、欧米では街路樹や庭園樹に用いられています。


 精子発見で有名なイチョウの大樹の見事な黄葉です。かつて平瀬作五郎博士がこの大イチョウを観察して動く精子を発見し、世界的に有名な研究業績になりました。イチョウの大樹の左はニレ科のウルムス・プロセアの大樹ですが、落葉が進んでいました。


 中国原産の落葉高木シナユリノキ(支那百合の木;モクレン科ユリノキ属)です。黄色や褐色に輝く無数の木の葉が大樹を覆っていました。つい見落としがちですが、初夏に小さな花を付けます。


 植物園入り口近くに生えるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の黄葉が陽光に輝き、青空に美しく映えていました。新春にはふわふわした黄色の花を咲せてくれます。


 中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)も黄葉が進んでいました。春になると、シナミズキの小さく房状の黄色の花が周りの空間を埋め尽くすようになります。


 ラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマスギ属:右)とメタセコイア(スギ科メタセコイア属:左)の高木が共に鮮やかな褐色に輝いていました。ラクウショウは水湿地に生育し気根を有する落葉針葉樹です。


 園入口付近のメタセコイア林。11月初旬の頃と比べるとかなり褐色が深まってきました。


 メタセコイア林のすぐ隣に咲くグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属)の白い大輪の花。グランサムツバキは1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられたそうです。

 上記以外にもいろんな写真を撮りました。
           …>季節のスケッチ(28年12月)

 植物園の紅葉・黄葉は12月中旬頃まで、しばらく楽しむことが出来ます。


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