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2009年2月20日 (金)

細胞操作を自在に実験できる魔法のデバイス

 先日、「細胞機能解析を目的としたMEMSデバイス」というテーマで、早稲田大学の庄子習一教授のお話を聴く機会があった。同教授は、特定の細胞の機能解析を目的して、細胞培養、細胞破砕、生体分子分離・分析を実現するMEMS応用デバイス(いわゆるマイクロTAS)研究の第1人者である。

 マイクロTASは、より少ない試料で、より高速で正確な計測・分析ができるようなMEMSデバイスの一種で、重金属の湿式分析(実際に化学反応を起こさせて行う分析法)が50秒程度でできる環境分析システム、大腸がんの診断が30分程度でできるイムノアッセイ(免疫測定)システムなども含まれます。
 マイクロTASデバイスの概念図
 
 庄子教授によれば、細胞の大きさはナノではなくマイクロオーダーなので、細胞操作はマイクロTASに非常に馴染みやすいとのこと。かつてはシャーレとか試験管を使って行われていた実験が、これからはマイクロTASという魔法のデバイスが実験室に早変わりして、微量の試料でも迅速かつ適確に細胞操作が可能となります。病気診断、新薬開発などの医療面での応用が大いに期待されます。

 ようやく医療の現場でも、マイクロTASの有用性が認識されるようになったとのこと。健康社会実現を目指して、デバイス研究とのコラボが進んで欲しいと思います。

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コメント

素晴らしいデバイスですね
例えば、現在はかなりの負担になっている健康診断や人間ドックなども相当楽になる未来が見えますね
また、これから更に「人間の体」というミクロ宇宙がさらに明らかになることを期待しています!

投稿: Yas | 2009年2月27日 (金) 07時18分

 Yasさん、コメント有り難うございます。ご指摘のとおりで、かつての米国映画「ミクロの決死圏」の世界が一歩一歩近づいてきているとも言えます。健康社会が実現するとみんな長生きして元気に働きますので、国全体の医療費が削減され、年金負担も少なくなります。

投稿: | 2009年2月27日 (金) 14時56分

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