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2010年11月

2010年11月23日 (火)

古都鎌倉の晩秋の落ち着いた佇まい


 先日、休みを利用して古都鎌倉をバスツァーで巡ってきました。先月の京都、奈良に続きバス旅行にはまってしまいました。武士の源頼朝が幕府を開いた地でもありますので、町全体が質素ながらも落ち着いた佇まいでした。また随所で歴史に接することができ、鎌倉時代の息吹がまだ強く残っているような気がしました。
 

 最初は長谷寺見学でした。境内には、本尊である十一面観音菩薩像(長谷観音)が安置される観音堂をはじめ、主要な諸堂が建ち並んでいます。さらに、鎌倉の海と街並みが一望できる「見晴台」と、傾斜地を利用した「眺望散策路」があり、鎌倉でも有数の景勝地となっています。
 
 境内全域は四季折々の花木に彩られ、通年花の絶えることがないとのことです。お堂の傍にジュウガツザクラが咲いていました。サクラには春に咲くソメイヨシノが最も有名ですが、秋のこの時期に咲く品種もあります。ただ、花の大きさは小粒で楚々とした風情です。
 

 また、境内には小高い丘があって眺望散策路になっています。この散策路から時折鎌倉の町並みや由比ガ浜の海岸が眺望できます。この散策路には約2500株のアジサイが群生し、「アジサイの径(こみち)」として梅雨の頃は大勢の人で賑わうそうです。
 

 約6万坪の広大な境内の円覚寺も見学しました。見事な山門が出迎えてくれて、この奥にほぽ一直線に伽藍が並び、15の塔頭寺院が建っています。円覚寺は弘安5年(1282)、執権北条時宗が宋から招いた無学祖元を開山として創建された臨済宗の寺で、 鎌倉五山第二位の格式高い寺院。
 

 この広大な境内にいろんな花々が咲いていましたが、凜とした杉林の中で、紫色に鮮やかに咲くシコンノボタンの花が印象的でした。

 円覚寺の後、後醍醐天皇の皇子護良親王を祀る鎌倉宮や梅林などの庭園で有名な端泉寺を見学し、最後に今や鎌倉を代表する神社となっている鶴岡八幡宮を訪れました。鶴岡八幡宮は鎌倉時代、源氏の氏神、武門の守護神として厚く崇敬されました。石段の下の境内が大きな広場のようになっていて、さらに進むとお土産屋が軒を連ねる「小町通り」に連なります。このためこの付近一帯はいつも大勢の観光客で賑わっています。
 

 石段の途中に、かつて三代鎌倉将軍実朝を暗殺した公暁が隠れていたという歴史の語り部のような銀杏の大木が立っていましたが、今年の3月に強風の影響で倒れてしまいました。ただ植物の生命力は驚異的で、倒れた跡から、何と新しい芽が出てこのように葉も茂ってきていました。この隣には倒れて移植した幹の部分も根付き始めていました。万感をこめて復活・再生を祈っています。

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2010年11月15日 (月)

晩秋に輝く郷里の紅葉


 11月中旬に訪れた郷里の東根にはまだ錦秋の秋が残っていました。地元の人によれば、今年は猛暑の期間が長く、その後の秋の冷え込みが不十分なため、紅葉の色づきがあまり良くないとのこと。それでも十分に紅葉を楽しんできました。

 東根市民の憩いの場となっている堂の前公園も紅葉風景です。この静かな湖面の周りには桜の木が植えられていて、春には花見客で賑わいますが、この時期はひっそりとしています。しかしながら、湖面から後背の山地まで続く錦秋模様は見事でした。


 公園の湖の周りは格好の散歩道に成っています。真っ赤に紅葉したモミジの木や黄金色に輝くイチョウの木も植えられています。一周しても10分位ですので、楽々散歩です。


 堂の前公園の近くの小学校校庭にそびえる日本一の大ケヤキです。樹齢千年を超すとみられ、高さ約28mで日本最大。この大ケヤキは、今でも昔と変わらず東根小学校の校庭に悠然とかつ凛々しくそびえています。この季節には黄葉に染まった大樹が秋空いっぱいに広がり壮観です。


 市内を流れる白水川の堤防に沿った桜並木も黄葉に染まっていました。白水川は生家からすぐ近くにあったので、この堤防は子ども時分の日常の遊び場でした。そして春には満開の桜の下に屋台の店が立ち並び、ここで団子を頬張るのが楽しみでした。懐かしい思い出です。

  …> 季節のスケッチ (22年11月)


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2010年11月 3日 (水)

文化の日、小石川植物園は秋の気配が濃厚

 
 文化の日(11月3日)は「晴れ日」すなわち晴天になる確率が高い晴れの特異日として有名ですが、やはり今年の文化の日も晴れ上がりました。澄みきった秋空が広がり、格好のお出かけ日和で、私も久しぶりに小石川植物園をブラブラと散策してきました。
 
 あの猛暑で大変だった植物園内も今ではすっかり落ち着き、園内は秋の気配が濃厚になってきました。以下、今日の青空の下に出会ったいろんな秋を紹介します。
 
 薄紅色のサザンカ(山茶花;ツバキ科)の花が咲いているのを見つけました。唱歌「さざんか さざんか 咲いたみち たきびだ たきびだ おちばたき ……」の歌詞にもあるように、晩秋から冬にかけての代表的な花木です。もう年末を迎えてしまったのかと驚いてしまいます。


 陽光にかざしてみるハナミズキ(花水木;ミズキ科)の紅葉が鮮やかになってきました。そもそもハナミズキは北アメリカ東部産の代表的な花木で、桜の木と交換に米国から贈られた原木が今も小石川植物園内に残っています。


 ヒッコリー(クルミ科)の高木が一面黄色に染まっていて壮観でした。ヒッコリーは北米に広く分布する広葉樹で、アメリカでは、伝統的に燻製に使われています。またヒッコリーは衝撃に対する抵抗力が強いことから、スキー板やドラムのスティックなどにも使用されます。


 イロハモミジは部分的に紅葉が始まりました。まだ緑葉の部分も相当残っています。赤と緑の対比も面白いものです。


 四国・九州・小笠原・琉球などの温暖な場所に生育する落葉高木のハゼノキ(ウルシ科)が美しく紅葉し、青空によく映えています。


 ナンキンハゼ(トウダイクサ科)の大樹が真っ赤に紅葉しています。小さな無数の葉が、陽光の中できらきらと輝いているようです。ナンキンハゼの実が見えますが、種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 紅葉したドウダンツツジ(満天星躑躅)を接写しました。初夏には小さな鐘が無数に連なったような白い花を咲かせます。


 全国に分布する落葉高木カキノキの黄葉が陽光に美しく輝いていました。柿の葉にはポリフェノールが多く含まれます。


 この時期になると、真赤な実もあちこちに見かけます。これはピラカンサ(バラ科)の園芸品種の一つローズデールです。無数の真赤な実がかたまって木枝に付いています。


 庭木としてもよく植えられているモッコク(木斛;ツバキ科)の木をよく見てみると、赤い実の色が増していました。赤い実の中には小さな種が入っていて、実が裂開して赤い種子が出てきそうなものも見受けられます。モッコクやイイギリ以外にも、ナンテン、ピラカンサ、クロガネモチ、サンシュユなども赤い実を付けていました。


 詳しくは
    …> 季節のスケッチ(22年11月)

 

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