大震災から2週間、カンザキオオシマの桜の花が満開
東北・関東大震災の発生から2週間過ぎました。毎日食い入るようにテレビ画面を見ているせいか、一日一日が本当に長く感じられます。もう1ヶ月以上も経ったような錯覚を覚えます。
東北自動車道が全線開通し、ようやくガソリン・灯油や食料などの救援物資が被災地に送り込まれるようになりましたが、長引く避難所暮らし、瓦礫の山の市街地や港湾、依然として多数の行方不明者など、まだまだ大変なことが山積みになっています。また、今日の被災地では無慈悲にも雪が降っているようで、家の外で寒さをこらえるのはつらいことです。さらには、福島第一原発の放射能問題もなかなか収束せず、避難者の拡大、野菜や牛乳の出荷停止、乳児用飲料水の汚染等々、復旧作業に新たな課題が突きつけられています。わが国全体の復活のため、チーム日本が一丸となって難局に立ち向かっていきましょう。
(福島第一原発の全景:ふくいちライブカメラより)

さて今日の東京は気温はやや低めでしたが、明るく晴れ上がりました。小石川植物園の暦の通りに開花する花々を見ると、沈みがちな気持ちが少しだけ軽やかになったような気がします。

ソメイヨシノの桜の開花はまだですが、今日は白く清楚な花のカンザキオオシマ(寒咲き大島)が満開になっていました。圧倒的なボリュームで、見事な眺めでした。植物園内では年末から、ヒマヤラザクラ(12月)、カンザクラ(1月~2月)、カンヒザクラ(3月)、早春桜(3月)と次々といろんな品種のサクラの花が次々に咲き出してきて、真打ちソメイヨシノの開花への期待感が徐々に盛り上がってきます。

満開のカンザキオオシマの隣接した区域の風景です。イチョウの木、ニレの木、スズカケの木などの高木はまだ冬木立のままですが、手前にはハヤトミツバツツジ、早春桜、シナミズキなど色とりどりに花々が咲き出していました。

上の風景の黄色の部分は満開になった中国原産のシナミズキ(支那水木;マンサク科)。春の到来を待ちかねていたかのように、あざやかに一斉に開花します。小粒の黄色の花が連綿と細枝に咲き出し、青空のキャンバスにあふれんばかりに点描されていくようです。

園内の奥まった部分に代表的なスプリング・エフェメラルのカタクリの花の自生地があります。今日はどうかなと思って、立ち寄ってみたら、周りのクマザサの隙間からカタクリの花が咲き出しているのを見つけました。今年初めての出会いで本当にうれしいものです。

メタセコイア林の近辺にバイモ(貝母;ユリ科)の花が控えめに咲いていました。花の形はつり鐘状になっていますが、釣り鐘のウラ側の模様が神秘的です。この模様から、編笠百合の別名が付いています。バイモは中国原産で、日本にはせきどめや止血、解熱などの薬用植物として渡来。

園内の池の周りをよく見てみると、ツクシ(土筆)が立ち並んでいました。ツクシの色が周りの枯れ草などと似ているため、うっかり通り過ぎるところでした。ツクシはスギナ(杉菜;トクサ科)の地下茎から伸び出す胞子茎です。よくみると、すぐ近くに小さなスギナが見えます。
これ以外にも、多くの木々の花、野の花たちが顔を出してきました。いよいよ春爛漫の季節を迎えます。
…> 季節のスケッチ(23年3月)
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