大震災から1ヶ月半、ハナミズキやハンカチノキの花が新緑に映える
大震災発生から1ヶ月半が経ち、明るいニュースも目立つようになってきました。
○ 今日から、東京から仙台まで東北新幹線が再開し、29日には仙台~一関も開通するとのことで、ようやく東日本の陸の大動脈が復活することになります。今後の復旧・復興活動を支えていくことになります。 |
○ 草の根的な活動の話題もあります。先日高校の同窓生からの便りによれば、日本の被災地情報を多言語に翻訳して発信する集まりを作り活動を始めたとのこと。海外から正しい認識をしてもらい、あらぬ風評被害を回避するために大切な運動だと思います。 |
○ 福島第一原発に国産ロボット「Quince(クインス)」が近く投入される見通しになったそうです。建屋内の瓦礫をものともせず走破して、内部の映像や温度・湿度、放射線量などのデータを測定するそうです。先日東電が発表した工程表の確実な実施に大いに役立つことが期待されます。 |
しかしその一方、被災地では依然として相当数の方が厳しい避難生活を強いられているようです。日本栄養士会(東京)によると、長引く避難生活で被災者がビタミンなどの必要な栄養を取れない恐れが出ているとのこと。阪神大震災時には、1週間程度で、周辺から弁当などが届いたそうですが、今回は被災地が広く、避難所が点在しているためか、救援物資のご飯とパンだけの災害初期の食事が長く続いていると警告。隅々まで行き届いた救援活動がまだまだ必要です。
さて、桜前線が北上し、被災地の東北地方の人々の心を和ませているようです。少しでも元気を取り戻していただきたいと思います。桜前線が去ったここ東京ですが、桜に代わって今度はハナミズキやハンカチノキなどの花々が咲きだし、周囲に広がる新緑に美しく映えています。
昨日の日曜日は初夏の陽気となり、小石川植物園には多くの家族連れで賑わっていました。桜並木も葉桜の状態になってきましたが、木の下は格好の日よけにもなり、皆さん思い思いにくつろいでいました。後方はツツジ園になっていて連休の頃には原色でまぶしく輝くようになります。
林の中をしばらく進んでいくと上品な感じのハナミズキ(花水木)の花が咲き出していました。新緑や青空と美しく調和しています。わが国のハナミズキは、桜のお礼にと明治時代に米国から贈られたもので、その時のハナミズキの木がこのすぐ近くに植えられています。ただ、もう花は付けないようです。
また、近くの高木のハンカチノキを見上げると、ヒラヒラとした無数の白いハンカチのような花が春のそよ風に揺れていました。例年ですと連休中の風景になりますので、今年は少し早めの感じです。元来ハンカチノキは中国の固有植物です。中国では、たくさんの白鳩が鳩篭から飛び出そうとするように見えるので、鳩子樹と呼ばれているそうです。
野の花も、この前まではハナニラで賑わっていましたが、今は春の陽射しを浴びてまぶしく輝くオオアマナ(大甘菜;キジカクシ科)の星型の白い花に主役交代です。園内のあちこちの林床が、一面白色に染まっています。所々に黄色のタンポポの花も咲いています。オオアマナは、明治の末頃にヨーロッパから入ってきた帰化植物です
また、アヤメ科の常緑草本シャガ(著莪)の花も日陰の草むらに群生しています。花をよく観察してみると黄と青の幻想的な模様が入っていて、つい魅入られ引き込まれそうな美しさがあります。このシャガの白い花は1日しかもたず、開花した翌日にはしぼんでしまいますが、一面にびっしりと咲き、何日でも花が続いているように錯覚するほどです。
…> 季節のスケッチ(23年4月)
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