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2011年5月

2011年5月24日 (火)

大震災から2ヶ月半、東北自動車道で山形へ


 先の週末に所用があって、山形まで東北自動車道を通って往復してきました。大震災の発生から、約2ヶ月半です。海岸沿いを走ったわけではないのですが、随所に災害の痕跡が見られました。

 東北自動車道を北上して、福島県に入った頃になると、路面が少しデコボコしてきます。ガードレールも継ぎ接ぎの箇所があります。相当に地震でやられたんだなと実感すると同時に、この交通の大動脈の早期復旧に感嘆してしまいます。人々の生活や経済活動を支える道路などの公共土木事業を決しておろそかにしてはならないと思いました。

 北上の途中、郡山近辺の安積パーキングに立ち寄りました。一般の観光客の姿はあまり見かけませんでしたが、その代わり物資輸送の車両や荷物を運ぶ車などを多く見かけました。また、ここまでの途中では自衛隊の災害対応の車両なども走っていました。

 その後北上を続けましたが、私たちとは反対方向の東京方面の上り車線がガラガラです。どうしたのかなと思っていたら、何台ものパトカー先導でVIPの車両が通過していきました。ちょうど日中韓の首脳会談の日で、韓国の李明博大統領と中国の温家宝首相が宮城県の被災地を訪れ、福島に向かっている場面に遭遇したわけです。震災後ならではの光景でした。

 東北自動車は山中を進んでいきます。両側の山地の木々に目を見やると、新緑の中で紫色のヤマフジ、白色のナナカマド、白色のニセアカシアの花、オレンジ色のヤマツツジが随所に咲いていて、美しい風景に心が安らぎます。 

 古関パーキングのナナカマド(七竈;バラ科) の白い花です。ナナカマドの木は非常に堅く七回カマドで燃やしても燃やしきれないということで、この名が付いたという。秋になると真っ赤な実をたわわに付け、自分自身も見事に紅葉しますが、この時期は控えめな佇まいです。

 翌日は雨模様でした。東根の実家の庭先です。二階から写真を撮りました。ちょうどシャクナゲの花が満開で、隣のハナミズキにも紅花がまだ咲いていました。周りの緑とよく調和しています。

 この日は寒冷前線が南下しましたが、ちょうどこの南下に合わせたかのように、私たちも山形から東京に戻りましたので、ずっと本降りの雨で、時たま前方が見えなくなるほどの土砂降り。運転が怖いほどした。唯一、洗車の必要がなくなったことだけは助かりました。

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2011年5月11日 (水)

紀州の旅Ⅱ 将軍吉宗のふるさと和歌山城


 紀州の旅の続きです。高野山観光の翌日は徳川幕府中興の祖として名高い将軍吉宗が生まれ育った和歌山城を訪れました。もっとも、夕方になってしまい時間があまりなかったので駆け足の観光になりました。

 元々和歌山城は、天正13年(1585)に紀州を平定した豊臣秀吉が弟の秀長に築城させたのが始まりです。その後、元和5年(1619)には徳川家康の第10子・頼宣が入城、紀州55万5千石の城となり、以来、水戸・尾張と並び、徳川御三家のひとつとして、長い歴史を刻んできました。


 鮮やかな緑が茂る虎伏山に白亜の天守閣がそびえています。徳川御三家の威容にふさわしい風格があります。時間が遅かったため、この天守閣に上ることが出来なかったのは残念でした。和歌山城の石垣は、紀州特産の青石(緑泥片岩)が多く使われいます。そして所々に神社の灯籠の土台のようなものも使われています。城下の寺社仏閣からも石垣の素材をかき集めたことが分かります。


 和歌山城の天守閣から見下ろす所に西の丸庭園があります。紅葉渓庭園といわれていますが、この季節は美しい緑に覆われすばらしい景観でした。この庭園は、紀州徳川家初代藩主頼宣が築造したもので,起伏の変化に富み破墨山水的景観は江戸時代初期に作庭された城郭庭園屈指の名園です



 城を上っていく途中に七福の庭があります。七福神の姿に似た名石を巧みに置いて、全体が宝船に乗っているように仕立てものです。左から福禄寿、大黒天、毘沙門天(真ん中でスクッと立っている)、布袋、寿老人、弁財天、恵比寿の順に並んでいます、そのつもりで見てみると、よく似ています。これも頼宣の命によって作られたもの。


 和歌山城の高台からから四方が見渡せます。これは西の方角の風景ですが、海岸沿いに住友金属の和歌山製鉄所が見えます。この製鉄所は、世界各地で使用されている石油掘削・天然ガス開発用継目無鋼管(シームレス鋼管)や、ハイブリッドカー向けの電磁鋼板など、高付加価値製品を製造している銑鋼一貫製鉄所です。

 今回の紀州の旅(高野山&和歌山城)は、短い合間の時間の中での観光でしたが、それでも来て良かったと思いました。次回はもっとじっくりと回って見たいと思います。

  …> 季節のスケッチ(23年5月和歌山)

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大震災から2ヶ月、依然として11万人を超える避難者が存在


 3月11日の大震災発生から、今日でちょうど2ヶ月になり、各地で犠牲者追悼の行事が行われることになっています。最近では、原発警戒区域20キロ圏内で初の一時帰宅が実現したとか、遅れていた小中学校の入学式が次々に行われ授業が再開したとか明るい話題も多く、何となく平穏になったような気になってしまいます。

 しかしながら、実際には依然として11万人を超える方が避難生活を続けていて大変な状況が続いています。また、疲労困憊し、困窮する被災者や被災した中小事業者の再建をどうするかなども大きな課題です。必要な仮設住宅の建設も思うように進んでいないようです。一刻も早くきめ細かな復旧・復興策を実行してくことが肝要です。静岡の浜岡原発をどうするかも大事な話かもしれませんが、急務ではありません。本当に厳しい状況が続いている被災地の状況を直視し、迅速かつ適切な復興策を講じることが最優先の課題かと思います。

                   (5月10日現在)
 避難所に身を寄せる被災者 11万7085人
 死 者 1万4949人
 行方不明者 9880人
 完成した仮設住宅 7441戸
 必要な仮設住宅 15万世帯分
 断 水  約7万2000戸

<最近目についた災害関係サイト>

●震災当日のリアルな大津波の動画(宮古海上保安署撮影)。最近 SankeiNewsからYouTubeにアップされました。改めて、大自然の威力のすさまじさを実感させられます。

●東京電力 電力の使用状況グラフ(当社サービスエリア内)。最近夏日もありましたので、ピーク電力が気になります。計画停電は避けて欲しいです。http://www.tepco.co.jp.cache.yimg.jp/forecast/index-j.html

●東京の水系マップ。自宅の水道がどの水源から流れてくるのかが分かります。

●NAVER全国放射能情報。身の回りの放射線量や水道水のことがよく分かります。http://www.naver.jp/radiation?type=fukushima


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2011年5月10日 (火)

紀州の旅Ⅰ 弘法大師が開いた聖地高野山を訪ねる


 連休の後半、所用があって紀州和歌山を訪ねてきました。紀州では開創1200年を迎える聖地高野山と、徳川8代将軍吉宗が生まれ育った和歌山城を観光してきました。

 初日は高野山観光です。高野山は、弘法大師が弘仁7年(816年)この地に真言密教の根本道場をたてることにしたことから歴史が始まった聖地で、現在では多くの人が高野山詣でにやってきます。来る平成27年には、悠久の星霜を経て高野山開創1200年に相当するとのことです。

 大師が生まれた四国地方には大師が開いたとされる八十八の霊場があって、「同行二人」(大師とともにの意)の白装束を身につけての八十八カ所の霊場巡りは有名ですが、霊場巡りを終えた後は最後に高野山に詣でることになっています。このようなこともあって高野山は参拝客が絶えません。


 高野山は和歌山市から東方に位置する紀伊山地の山中にあって、電車やケーブルカーを乗り継いで2時間半かかります。和歌山(JR)→橋本(南海電車;写真)→極楽橋(南海ケーブルカー)→高野山の行程で標高約1000メートルの山中に到着します。長時間の旅になりますが、途中橋本からは登山鉄道のようなものになり、車窓からの眺めが素晴らしく退屈しません。山の斜面には所々に紫色のヤマフジや薄ピンク色のヤマザクラが咲いていました。また、線路沿いにはシャガやオオアマナなどの野草も随所に見かけました。極楽橋からのケーブルカーはわずか5分乗っているだけですが、急斜面を上っていき、迫力があります。外を見回すと、真っ黄色の山吹の花や、フキノトウがそのまま伸びた蕗の花などを見かけました。


 高野山の駅に到着すると、さすがに標高が高いだけあって空気がヒンヤリして肌寒い感じです。高野山には多くの寺院が建立されていますが、時間の制約もあって今回は中心となっている金剛峯寺のみを訪ねました。寺の境内に入るとき、最初にこの正門と通ります。金剛峯寺の建物の中で一番古く、文禄2年(1593年)に再建されたとのこと。昔はこの門を正面から出入りできるのは天皇・皇族、高野山の重職だけだったそうです。


 囲いがされた入り口が見えますが、ここは金剛峯寺の表玄関にあたるところで大玄関といいます。ここも正門と同じように天皇・皇族や高野山重職だけが出入りしていたとのこと。この奥には、重要な儀式・法要が執り行われる大広間や本尊に大師を奉安する持仏間などあり、また由緒ある襖絵も揃っています。右側から寺院内を拝観できるようになっています。


 拝観コースを回っていくと立派な石庭がありました。蟠龍庭(ばんりゅうてい)といい、奥殿に広がる500坪ほどのわが国最大の石庭です。大師の生まれた四国から運ばれた青い花崗岩が雄龍と雌龍の2体を表していて、また京都の白川砂が敷き詰められて、全体が青海波大雲海を画いているそうです。


 高野山では、奥の院の参道をはじめ高野杉の高木が林立していて山の霊気を高めています。金剛峯寺の中で奥の院霊木として直径2メートルもの輪切りの幹が展示されていました。弘法大師のライバルだった最長が建立した比叡山延暦寺でも杉の高木が林立していたのを思い出しました。

 高野山は、金剛峯寺以外にも、大門、奥の院、壇上伽藍、大塔など数多くの見どころがあり、何回かに分けて訪れる必要がありそうです。

    …> 季節のスケッチ(23年5月 和歌山)

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2011年5月 4日 (水)

みどりの日は気持ちよく晴れ上がり、緑が鮮やか

 5月に入ってぐずついた天気が続いていましたが、今日のみどりの日は一転して気持ちよく晴れ上がりました。みどりの日は「植物園の日」ということで、小石川植物園も入園料無料で、大勢の人が園内の散策を楽しんでいました。

 園内は、みどりの日というだけあって、本当に木々の緑が鮮やかでした。つい先日までの新緑の世界が、美しい緑色に深まってきました。以下、今日の植物園の風景を紹介します。


 園内のツツジ園は、まだいろんな品種のツツジの花が美しく咲き競っていました。後方にはイチョウの木やニレの木が緑葉に覆われてきました。


 シナノキ科のナツボダイジュの若葉です。ナツボダイジュはヨーロッパやアジアの温帯に産する落葉高木です。種子から数珠をつくります。ただし、お釈迦様が悟りを開いたとされるインドボダイジュはクワ科で熱帯の常緑広葉樹で、樹が異なります。


 マンサク科の落葉高木モミジバフウ(紅葉葉楓)の緑葉も見事です。葉の形がモミジによく似ていることから名が由来。秋の紅葉も美しい樹です。


 ユリノキ(モクレン科)の大樹の威風堂々たる緑衣です。ユリノキは落葉すると、落葉するとユリやチューリップに似た花の名残が目立つようになります。


 繊細な感じのイロハモミジの緑葉です。緑が本当にきれいで、身心をリフレッシュさせてくれます。もちろんイロハモミジの秋の紅葉も素晴らしい。


 ナンジャモンジャの別名があるヒトツバタゴ(モクセイ科)の高木が白い花で満開になっていました。満開になると、まるで白い粉雪で覆われているように見え壮観です。3年前の韓国の大田市で街路樹にヒトツバタゴが植えられていました。街路樹に用いられるのは珍しい。


 最後にわが家の花壇です。ツツジやペラルゴニウムなどの花々に加えて、ジャスミンの花も咲き出してきてすばらしい芳香が漂っています。親子ガマも前方にいます。

   …> 季節のスケッチ(23年5月)

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2011年5月 1日 (日)

大震災から50日経ち、若葉が美しい5月に入りました

 大震災発生から 50日経過し、5月に入りました。今日は日曜日にもかかわらず国会では衆参の予算委員会が開かれ、テレビの国会中継で、その熱心な論戦の模様を観ることが出来ました。避難者の仮設住宅への入居、被災者の二重ローン問題への対処、復興プランの作成、2次補正予算の編成、原発事故の補償など重要な課題が目白押しです。迅速かつ確実な復旧・振興策の進展を切望します。

 5月の初日の今日は、低気圧が日本海を進み、強風を伴い時折強い雨が降りました。また、強風に乗って、西日本には中国大陸から黄砂が飛来したようです。また、米国南部では巨大な竜巻が発生して300名を超す犠牲者が出たようです。気象が世界的に荒れている感がします。


     [5/1 15時時点の気象図(日本気象協会)]

 5月が進行しますと、初夏の陽気で若葉が美しい季節が出現します。ハナミズキ(花水木)やツツジ(躑躅)の花が咲き競い、木々が新緑の衣で覆われてきます。

   → 小石川植物園の風景:5月セレクション


    満開のハナミズキ(2006.5.3@小石川植物園)

【5月の気節]
 ●立夏 夏の気が立つ、夏の始まり (6日)
 ●小満 万物が満ちて草木枝葉繁る頃 (21日)

【5月の植物】
 ●木々の花
ハナミズキ ヒトツバタゴ ハグマノキ オオカナメモチ 
ウツギ(卯の花) シロバナヤエウツギ ガクウツギ 
アマギベニウツギ オオベニウツギ キソケイ ギョリュウ 
ノイバラ サクラバラ ナニワイバラ サンショウバラ ハマナス 
コゴメウツギ イワシモツケ カルミア 

 ●草本

カメヤマショウブ キショウブ イチハツ ジャーマンアイリス 
紫蘭 シャクヤク ゴウダソウ チョウジソウ クサノオウ 
ウツボグサ  セイヨウキランソウ ムシトリナデシコ 亜麻 
イブキトラノオ  オオルツボ ツリガネズイセン 
ツルニチニチソウ ユキノシタ ジギタリス コエンドロ 
ヘンルーダ ウマノアシガタ ハイキンポウゲ オダマキ 
キツネノボタン アサツキ ムラサキカタバミ シロバナカタバミ 
オドリコソウ キケマン ハルジオン シロツメグサ オオバコ 
スジギボウシ ヘビイチゴ(実)  



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