梅雨空の候、心を癒す泰山木、紫陽花、花菖蒲などの花々
今年の梅雨は本格的です。梅雨の合間の晴天の日が少なく、どんよりとして湿りがちな天気が続いています。

梅雨空以外にも、迷走する政治状況、思うように収束が進展しない福島原発等々、不快指数が高いこの時期ですが、泰山木(タイザンボク)、紫陽花(アジサイ)、花菖蒲(ハナショウブ)などの花々がしっとりと咲いていて、私たちの心を癒してくれます。以下、6月中旬の小石川植物園の風景を紹介します。

タイザンボク(泰山木;モクレン科)の巨大な純白な花が高木の枝々に咲き出していました。威風堂々と崇高な気配を醸しだし、まさに天上の世界に咲く花のように思えます。タイザンボクの樹は園内の散策路から外れて目立たない所に生えているので、咲き頃かなと見当をつけて林に入っていきます。

ハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科)が旬の花です。植物園内の白、紫、黄、薄紅などの花菖蒲の優雅な姿は梅雨時のうっとうしさを忘れさせてくれます。ただ、花菖蒲園の様子をみると、今年の咲き具合がやや少ないのが気がかりです。遅れているだけならいいのですが。

園内では、随所にアジサイ(紫陽花;アジサイ科)の花が梅雨空にしっとりと咲き出します。このように木陰でも静かに咲いているのを見つけることが出来ます。このアジサイは、観賞用に栽培されている手まり状の西洋アジサイの花です。

これは日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花)で、各地に自生しています。花序の周縁を装飾花が額縁のように取り囲んでいることからこの名が付いています。

フイリガクアジサイ(斑入り額紫陽花)の花です。花はガクアジサイそのものですが、葉に斑が入っています。ガクアジサイから品集改良された園芸種です。

この時期、面白い林の風景が見られます。これはウルシ科のハグマノキですが、木全体がボヤーっと煙っているように見えます。このため、スモークツリーとも言われます。白色の花がやがて薄紅色に変わっていきます。

シロアザミゲシ(白薊芥子;ケシ科)の花で、熱帯アメリカ原産の一年草です。透き通ったような白い色で妖美な感じがします。茎や葉にアザミのような鋭いトゲがあります。美しい花には棘があるので要注意です。

園内で初めて見つけた野の花です。クガイソウ(九蓋草、九階草;オオバコ科)の花ですが、茎の先端に穂状に薄紫色の花序が付いています。茎に輪生する葉が層になってついていることかからこの名が由来。
…> 季節のスケッチ(23年6月)
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