小暑から大暑の頃、盆花が咲き始めました
梅雨が明け、今の季節は暦の上では小暑から大暑の頃になりますが、暦の通り連日猛暑が続いています。今日 7/17 は全国の142カ所で猛暑日を記録したとのこと。ただ、超大型の台風6号が北上しつつあって、今日が暑さのピークとなり、明日からは少し気温が下がりそうです。
私の週末の散策場所の小石川植物園は午前9時に開園します。暑さを避けるべく今日は9時直後に入園しましたが、それでも夏の日差しが厳しく、出来るだけ園内の木陰を選んで歩くようにしました。猛暑の中でも、盆花(ミソハギ)、カンゾウ、ヒゴタイなどの盛夏のいろんな花々が咲いていました。

園内の庭園部に建つ旧東京医学校の赤い建物です。この建物の周りには四季折々の花木が植えられていますが、この時期は青空の下に一面の緑が広がっています。もう少し経つと、夏の花木のサルスベリの赤やピンクの花がこの風景に入り込んできます。

ミソハギ(禊萩;ミソハギ科)の赤紫色の花が盛んに咲いていました。ミソハギは湿地や田の畔などに生える多年草で、旧暦のお盆の頃に仏前に供えられるのでボンバナ(盆花)とも呼ばれます。ミソハギの和名の由来はハギに似て禊(みそぎ)に使ったことから禊萩、または溝に生えることから溝萩によるともいわれます。

この時期はススキノキ科(旧ユリ科)の花を多く見かけます。特にカンゾウ(萓草)の花は各地の山野や土手などに自生しています。このオレンジ色の一重咲きの花はノカンゾウ(野萓草)です。ヤブカンゾウは八重咲きになります。

同じススキノキ科(旧ユリ科)の仲間の多年草ゼンテイカ(禅庭花)。ニッコウキスゲの別名で呼ばれることが多い。ゼンテイカは全国に普通に分布しますが、日光の霧降高原、尾瀬ヶ原、車山などの群落が有名です。 花が黄色で葉がカサスゲ(笠萓)に似ているため、地名を付けてニッコウキスゲと呼ばれだして、全国に広まったとのこと。

オニユリの変種で、黄金色のオウゴンオニユリ(黄金鬼百合;ユリ科)です。花弁は強く反り返り、黄地に赤の斑点があります。葉の付け根にムカゴを作るのが、オウゴンオニユリの大きな特徴。オウゴンオニユリはもともと対馬に自生していたもので、自生地を復活させようとする動きがあるそうです。

阿蘇など九州の一部に自生するヒゴタイ(キク科)です。完全な球形の花をつける珍しい植物です。葉はアザミに似て切れ込みがあり、棘を有します。神秘的な瑠璃色の球体の花が咲き出した株もありました。早速、昆虫が集まってきます。

北米原産のキク科の多年草キクイモモドキが元気に咲いています。小さ目の黄色の花が群れて風にたなびいていて、よく目立ちます。立派な花なのですが、「○○モドキ」の名はどうもいただけません。花に対して失礼だと思います。

キキョウ科の多年草キキョウ(桔梗)の花です。秋の七草のひとつに数えられていますが、秋の花というよりも、むしろ盛夏の花といえます。青紫色の上品な和風の美しさを保っています。

野の花(草本)以外にも、花木の花も咲いていました。これは7月当初から咲き出したムクゲ(木槿)の花ですが、盛んに咲いていました。

園内の木陰に、アジサイ(紫陽花)の花がまだ咲き続けていたのには驚きました。スカイブルー色の花は暑中でも清涼感を与えてくれます。

世界一高い電波塔として634mに到達した東京スカイツリーは、来年春の開業を目指しています。その高さ故、都内の各地から眺めることが出来ますが、園内からもはっきりと視認出来ます。右側の高木はオキナヤシ(翁椰子)です。
…> 季節のスケッチ(23年7月)
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