秋晴れの広大な新宿御苑:十月桜、ウメモドキ、ススキなど
日本各地に大被害をもたらし、首都圏を直撃した台風15号が太平洋沖に去り、今日の日本列島はスッポリと大陸からの高気圧に覆われて、爽やかな秋晴れの一日でした。近所の小石川植物園が台風の後遺症でしばらく休園となりましたので、この日は新宿御苑に足を伸ばしてきました。
新宿御苑は、明治時代に皇室の庭園として造られましたが、戦後は都の公園として一般に公開されたものです。


御苑の中央部にイギリス風景式庭園が広がっています。広々とした芝生の中のユリノキの高木の周りに大勢の人が座り込んで、思い思いに寛いでいました。新宿の高層ビル群の背景が庭園の風景に見事に調和しています。

大木土門から入って新宿門方面にブラブラと歩いていると、何と桜の花を見つけました。この桜はジュウガツザクラ(十月桜;バラ科)といってエドヒガン系の園芸種です。春と秋に年2回咲くとのこと。華やかなソメイヨシノと異なり楚々とした風情です。

秋には多くの樹木が赤い実を付けます。。本州、四国、九州に分布する落葉小高木のウメモドキ(梅擬;モチノキ科)が枝中にたわわに赤い実を付けていました。ウメモドキの名前は、葉がウメの葉に似ていることに由来。

これはガマズミ(莢蒾;スイカズラ科)の赤い実です.枝先に真っ赤な実が房状についています。この実は果実酒に用いられます。このガマズミの木は「母と子の森」ゾーンに生えていました。

日本庭園の池の周りにはススキ(薄、芒;イネ科)の穂がたなびいていました。この日本庭園は水の流れに沿ってデザインされた回遊式だそうです。

山野の半日陰地にみられる多年草のホトトギス(杜鵑;ユリ科)の花が咲いていました。名前のホトトギスは、花びらの斑点模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ているところに由来。

全国の草地に分布するにキンミズヒキ(金水引;バラ科)を見つけました。細い花穂に黄色の花が付いています。細長い花穂がミズヒキ(タデ科)に似ていて、黄色の花を付けることからこの名が付いたとのこと。
広々とした新宿御苑には、これ以外にも四季折々のいろんな樹木や草花も生えていて、また苑内の動線になる小径も巧みに設計されていて、休日の散策にはもってこいの場所です。
…> 季節のスケッチ(2011年9月)
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