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2012年3月 4日 (日)

3月の陽光の下、春の妖精(スプリング・エフェメラル)が地表に顔を出てきました

 3月の天候は「三寒四温」といわれるように、冬の寒気と春の暖気がしのぎを削り不安定なものになります。幸いひな祭り(3月3日)の週末は、久しぶりに晴天が広がり春の日差しを楽しむことが出来ました。

 春先に散策しているときの楽しみは、草むらや林地から顔をのぞかせている野の花を見つけることです。春の陽光の中で、精一杯に可憐な花を咲かせている様子を見ると、まるで春の妖精たちが草むらで遊んでいるように思えてきます。小石川植物園でもこの日、春の妖精(スプリング・エフェメラル)を見つけました。


 まばゆい黄金色を放ちながら、精一杯春の陽光の中で輝いているのはフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科)です。今年も忘れずに咲き出してきました。春先の日だまりに咲き強い印象を与える福寿草は、多くの句に詠まれています。
  日は一ぱい相寄りもたれ福寿草  及川貞
  福寿草家族のごとくかたまれり  福田夢汀
  地の果の日を抱きたる福寿草   稲畑汀子

 福寿草は、つかの間の春の一時期のみ地表に顔を出すスプリング・エフェメラルといわれる植物たちの仲間です。エフェメラルは「はかない」とか「つかの間の」を意味する形容詞ですので、スプリング・エフェメラルはつかの間の春の植物たちということになり、春植物とか春の妖精と呼ばれます。


 植物園にはユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科)の群生地があります。今年も幾重にも重なった落ち葉の中から、清楚で可憐な白い花がひっそりと咲き出してきました。群生地といっても、林地の片隅にあるので、気がつかない人が多く、そのまま通り過ぎてしまいます。

 この雪割一華もスプリング・エフェメラル(春の妖精)の仲間です。スプリング・エフェメラルの植物たちは、春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ちます。


 スプリング・エフェメラル以外の野の花も少しずつ目立つようになってきました。これはオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)です。星くずのように可憐な青い小さな花が点々と咲いていました。



 寒さのため開花が遅れていた梅の花ですが、ようやく本格的に咲き出してきました。これは寒衣(かんごろも)の名の品種の梅の花です。3月は、この満開の寒衣の花のように、色んな花が青空の満天に目一杯咲き出してきます。1年前に東日本大震災が起き多数の犠牲者出ましたが、私には満天に咲く花が鎮魂歌のように思えます。


 園内の古井戸の近くのカンザクラ(寒桜;バラ科)が5分咲になりました。早春の頃に咲くのであまり人が集まりませんが、薄ピンク色でしっとりとした美しさが青空に映えています。カンザクラはカンヒザクラとヤマザクラ系サトザクラとの雑種で早春に咲き、伊豆の河津桜に似ています。


 先月から咲き出しているシナマンサク(支那満作)です。やはり青空の背景はいいですね。 晴れ上がった春の大空の下で、シナマンサクの黄色の花が気持ちよくふわふわと遊泳しているかのようです。


 この写真は今年の正月に撮ったものですが、近所の名刹傳通院に立派な山門が建立されました。傳通院の山門は先の大戦の戦火で消失しましたが、このたび立派に復元され3月4日に開所の法要が営まれました。


 ちょうど法然上人八百年御忌、開創六百年を迎えるに当たり、その奉賛事業として山門の復興が行われたものです。ご近所にとっても慶事です。近隣の「火消し組」も開所式に協力し、ご詠歌を詠いながら山門まで行列で練り歩きました。 


 「火消し組」に続いて、稚児行列です。百人位の小さな男の子、女の子がお揃いの稚児の衣装を着て、ヨチヨチながら懸命に歩いています。かわいらしいですね。こちらも「春の妖精」のようでした。


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