4月に入って、春の妖精カタクリの花が地表にでてきました
4月に入ってすぐの週末、桜の花(ソメイヨシノ)はやっと開花宣言がでたばかりで、満開になるまではあと1週間くらいかかりそうです。
その代わり、小石川植物園で春の妖精といわれているカタクリの花が、ひっそりとした林地に咲き出しているのを見つけました。


春先に散策していると、草むらや林地から顔をのぞかせている野の花を見つけます。春の陽光の中で、精一杯に可憐な花を咲かせている様子が、まるで春の妖精たちが草むらで遊んでいるように思えてきます。
典型的な春の妖精(スプリング・エフェメラル)の植物といわれるカタクリの花は、6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたき、つかの間の春を楽しんでいるようです。
そして、春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ちます。

カタクリの群生地のすぐ傍に、やはりスプリング・エフェメラルの仲間のユキワリイチゲ(キンポウゲ科)の山野草が小さな白い花を咲かせていました。植物園の中で柵で囲ってあって保護されていることもあって、 見事な群生地になっています。

これはニチリンソウ(二輪草;キンポウゲ科)の野の花です。ニリンソウはひとつの茎に2輪の花が咲きます。根本をよく見ると小さな花の芽を付けています。イチリンソウと比べて小ぶりです。イチリンソウもニリンソウもスプリング・エフェメラルです。

ハナニラ(花韮;ヒガンバナ科)の美しく清楚な白い花です。花の形はアマナに似ていて、セイヨウアマナとかベツレヘムの星とも呼ばれます。園内の各所に咲いていて、葉にかすかにネギやニラのような匂いがあります。 アルゼンチン原産で明治時代に園芸植物(観賞用)として渡来した帰化植物です。

ハナダイコン(花大根;アブラナ科)の紫色の花が植物園の空き地に群生して咲き出してきました。 江戸時代に中国から持ち込まれたものが野生化し日本中に帰化しています。花の形がダイコンの花に似ていることからこの名が由来。一見するとスミレの花にも似ています。
…> 季節のスケッチ (24年4月)
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