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2012年5月

2012年5月27日 (日)

半年ぶりの山形へのドライブ、高速道の沿道には初夏の花々


 約半年ぶりに、郷里の山形を訪れてきました。3月のお彼岸の頃に訪れるつもりでしたが、様々なわが家の用事が重なり5月下旬になってしまいました。久しぶりのドライブも兼ねていましたので、安全運転を心掛け、ヤマフジ、ニセアカシア、タニウツギ、キリなどの初夏の花々が目立つ高速道沿いの万緑の風景を楽しんできました。

 ただ、万緑の風景の一方では、東日本大震災の爪痕が随所に残っていました。東北自動車道で福島県に入ると、道路のデコボコが残っていて、車が時折ガタガタと揺れてきます。そして、道路の修復工事もまだ残っていましたし、復旧・復興用と思われる作業車も高速道をしきりに往来していました。昨年の大災害の記憶をしっかりと蘇らせるドライブでもありました。


 お気に入りの郷里の田園風景です。早朝の晴れ上がった様子です。うっすらとですが、左後方に夏スキーで有名な月山の山頂部分が見えます。この時期は田植えが終わったばかりで、苗の生育のため田んぼに水が張られています。秋になると、一面が豊かな実りの黄金色に変貌します。


 山形へのドライブは、東北自動車道→山形自動車道の順に走ります。最初に休んだ那須高原パーキングでは、さすがこの地(栃木県)ならではということで、トチノキ(栃の木;トチノキ科)の大樹が並んで植えられていました。パリの街路樹として有名なマロニエは西洋トチノキのことでトチノキの近縁種になります。


 国見パーキングでは、ニセアカシア(マメ科)の白い花が咲いていました。ニセアカシアは北米原産の落葉高木ハリエンジュのことで、この時期に白色の総状花序の蝶形花が下垂します。高速道の沿道でもあちこちに見かけました。ニセアカシア以外には、薄青紫色のヤマフジの花紫色のキリの花などが自生していました。また、沿道の街路樹としてタニウツギが多く植えられていました。


 東北自動車道から山形自動車道に入って、奥羽山地の高地にある古関パーキングでは、ナナカマド(七竈;バラ科)が白い花を付けていました。ナナカマドは秋には紅葉し、そして真っ赤な実を付けます。


 帰りのドライブでも古関パーキングで休憩しました。このパーキングは、私たちが郷里を行き来する時に迎えてくれ、見送ってくれる峠のような存在になっています。古関パーキングからの眺望です。後方に蔵王連峰の山々が見えます。


 古関パーキング内では、ヤマツツジやレンゲツツジなどのツツジの花も咲いていました。東北の山中ですので、5月下旬でも鮮やかに周りの緑と調和しています。


 最後に立ち寄った大谷パーキングでは、山地に自生する落葉高木のヤマボウシ(山法師;ミズキ科)の白い花を見つけました。ヤマボウシは里に咲くハナミズキの近縁種です。今回は、高速道路沿いやパーキング内で、万緑に囲まれた初夏の花々を十分に楽しむことが出来ました。

 この他にも、いろんな写真があります。
   …> 季節のスケッチ (24年5月)


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2012年5月20日 (日)

万緑が広がる皇居東御苑の風景


 5月も中旬が過ぎ、万緑が広がる中、東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑を訪れてきました。東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして四季折々の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。都心のど真ん中にあっても、都会の喧噪は全く感じられず、いつも落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめます。

 ここは、東御苑の二の丸庭園です。後方の大手町の高層ビル群が庭園の風景に調和しています。この庭園の池には水生植物が生育しています。


 カキツバタ(杜若;アヤメ科アヤメ属)の花が池の周りに咲いていました。カキツバタは湿生を好み、5月から6月にかけて紫系の花を咲かせます。


 一方、「いずれがアヤメかカキツバタ」と言われるように、カキツバタによく似るアヤメ(菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の花も近くに咲いていましたです。アヤメは乾いた所に育ちます。


 池の中には、水生植物のアサザ(浅沙;ミズガシワ科アサザ属)の黄色の花が咲き出していました。アサザは浮葉性植物で、地下茎をのばして生長します。アサザの近くには、やはり浮葉性植物のヒメコウホネの花も咲いていました。


 この季節の風物詩でもある卯の花ことウツギ(空木;ユキノシタ科ウツギ属)です。雑木林に静かに咲いていました。


庭園や雑木林が配置される二の丸から坂道を登っていくと、ゆったりとした本丸跡のスペースが広がっています。天守閣が建っていた天守台はしっかりとした石垣で作られていて、大勢の人が上っていきます。


本丸跡の一角がバラ園になっていて、いい香りが漂ってきます。これはカノコ(鹿の子)の園芸品種名が付く小振りのバラです。一つの株に何百個もの花が枝垂れている姿はゴージャスで感動的です。


ナニワノイバラ(浪速野茨;バラ科バラ属)の白い花です。生け垣などにも用いられますが、葉が普通のバラと違いますので、一見何の花か戸惑ってしまいます。


うっすらとピンク色のサンショウバラ(山椒薔薇;バラ科バラ属)。日本固有種で、富士箱根の山地に自生し、ハコネバラとも呼ばれる。


ハマナス(浜梨;バラ科バラ属)のシロバナのものを初めて見つけました。赤花のハマナスは普通に見かけます。ハマナスは北海道に多く自生。果実は生食ができて、ジャムや果実酒にも利用されます。


本丸跡のモミジ林では、木陰のベンチで一休み。爽やかな緑風が通り抜けていきます。散策路の向こうには丸の内・大手町の高層ビル群です。


モミジ林のすぐ近くにキエビネ(黄海老根;ラン科エビネ属)の花が咲いていました。キエビネは西日本に自生し、落葉樹の林床に生育する常緑の多年草です。


深紅のカルミア(ツツジ科カルミア属)の花を見つけました。カルミアの花は普通は薄ピンク色ですので、この深紅の花は驚きでした。


いろんな野の花も見つけました。これはハハコグサ(母子草;キク科ハハコグサ属)です。人里の道端などに普通に見られる野の花で、春の七草の一つ御形のこと。茎葉の若いものを食用にします。


ムラサキツメクサ(紫詰草;マメ科ジャコウソウ属)の花が群生していました。ムラサキツメクサは赤クローバーとも呼ばれ、シロツメクサよりやや背が高く、上に伸びる。


ムラサキカタバミ(紫片喰;カタバミ科カタバミ属)の花も随所に咲いていました。地下に鱗茎があり、地上には葉と花柄だけを伸ばします。


トキワツユクサ(常磐露草;ツユクサ科ムラサキツユクサ属)の3弁の白い花が大樹の根元に咲いているのを見つけました。南米原産の帰化植物で日陰や水辺に生育。ツユクサの仲間の花は青系、紫系のものが多いが、この花は珍しく白花です。


ナガミヒナゲシ(長実雛芥子;ケシ科ケシ属)のオレンジ色の花が苑内にも潜入していました。ナガミヒナゲシは帰化植物で、現在では温暖な地方の都市周辺を中心に繁殖地が広がっています。ナガミヒナゲシは他のヒナゲシと同様、アルカロイドを含んでいないので、栽培は問題ないそうです。

 この他にも、万緑の苑内にはいろんな花々が咲いていました。
    季節のスケッチ 「24年5月皇居東御苑」



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2012年5月19日 (土)

初夏の候、小石川植物園では多くの○○ウツギの花が咲き出しました


 万緑が広がる5月中旬の頃になりました。小石川植物園ではそろそろツツジの花々が咲き終え、しばらく経つとアジサイやハナショウブの花々が咲き出すちょうど端境期になります。しかしながら、園内をよく見廻してみると、○○ウツギといったように、「ウツギ」の名前を有する木々の花々が盛んに咲いているのがわかります。


 単にウツギといえば、唱歌「夏は来ぬ」の中で、『卯の花の 匂う垣根に 時鳥 早も来なくて ……』と唱われている卯の花(ユキノシタ科ウツギ属)のことで、この季節の風物詩として親しまれてきました。

 ウツギは漢字で空木と書きますが、このように枝や茎が中空になっている木々のことを○○ウツギと呼び、多くの○○ウツギの木々は5月から6月にかけてしっとりと落ち着いた花を咲かせます。

 今までに撮影した○○ウツギは多くありますが、植物の分類上は次のように整理されます。
 この中の幾つかの○○ウツギを紹介します。

 サラサウツギ((更紗空木;ユキノシタ科ウツギ属)15.5。八重咲き種で美しい色合い。芳香がある下向きの花です。シロバナヤエウツギも同じウツギ属の仲間。


 ノリウツギ(糊空木;ユキノシタ科アジサイ属)20.6。花の感じがガクアジサイに似ています。樹皮から、和紙漉きの糊を取ることからこの名が由来。ガクウツギも同じアジサイ属の仲間。


 タニウツギ(谷空木;スイカズラ科タニウツギ属)24.5。ピンクの花が密生して咲いていました。タニウツギは山野に自生する落葉低木で、特に谷間に多く生息します。アマギウツギオオベニウツギが同じ仲間。


 コゴメウツギ(小米空木;バラ科コゴメウツギ属)24.5。名前のとおり小さな白い花で、花の形はウツギに似ています。カナウツギが同じコゴメウツギ属の仲間。

 ドクウツギ(毒空木;ドクウツギ科ドクウツギ属)15.5。名前からして有毒でアルカロイドの痙攣毒を有する。トリカブト、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物に挙げられています。

 ウツギ(卯の花)以外にも、この時期ならではの色んな花が園内に咲いています。  季節のスケッチ 「24年5月」




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2012年5月 6日 (日)

ツツジの花々:秘境に咲く聖紫花や済州島に咲くツツジもあります


 サクラが散り終え、新緑が鮮やかになる初夏の頃になると、色とりどりのツツジの花が咲き出して、私たちの目を楽しませてくれます。俳句の世界では、ツツジの季語は晩春になっていますが、ツツジの仲間のシャクナゲ(石楠花)は初夏となっていて少しずれています。石楠花は山地に咲くイメージが強いからなのでしょうか。


 小石川植物園では、さすがにいろんな種類のツツジの花が集まっています。今までに園内で多くの写真を撮ってきましたので、このたび、「ツツジの花々」のコンテンツ として取りまとめてみました。改めてツツジのことを調べ直しましたが、本当に多様なツツジの花々があることを再認識しました。


 この時期、街路の植え込みなどによく見かけるヒラドツツジ(ツツジ属ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)の大紫です。ツツジといえばこの大紫のことを思い起こす人が多いと思います。分類学上では、ツツジ科ツツジ属に属する植物が、いわゆるツツジになります。


 また、真紅のツツジはヤマツツジ(ツツジ属ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)の仲間(このツツジは佐田躑躅)になります。まさに「ツツジ燃ゆ」のイメージにぴったりです。


 同じヤマツツジの仲間に、篝火(かがりび)の名の珍しい形状のツツジがあります。花びらが無くなっていて、赤く色づいた雄しべと雌しべが篝火のように群っています。


 これは、西表島の秘境に咲くという聖紫花(せいしか;ツツジ属セイシカ亜属)というツツジです。神秘的な語感の和名は、 山奥の渓流沿いという秘境に咲く花のイメージに似合います。実際、この花を間近で観察できる機会は非常に少ないということです。


 韓国ドラマを観ていると、赤紫色のツツジの花をよく見かけます。このツツジは、韓国の済州島に自生する耽羅赤躑躅(たんなあかつつじ;ツツジ属ツツジ亜属ミツバツツジ節)です。ちなみに「耽羅」は済州島の古名だそうです。


 中国に分布するテンモクシャクナゲ(天目石楠花)です。石楠花のツツジの仲間です。正確には、天目石楠花が属するツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列の植物のことを石楠花といいます。


 小さな鈴状の白い花が満天の夜空に輝く無数の星のように咲き出すドウダンツツジ(満天星躑躅)です。ツツジの名が付きますが、ツツジ科ドウダンツツジ属に属し、いわゆるツツジ属とは違う仲間になります。

 この他にもいろんなツツジの花々があります。ツツジの分類も含めコンテンツでまとめて紹介しています。



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2012年5月 1日 (火)

新緑の大型連休はツツジ、花水木、ハンカチノキなどで賑やか


4月末からの大型連休に入ると、気温もぐんぐん上がり、真夏日を記録した地域もありました。また、沖縄や鹿児島ではすでに梅雨入りしました。今年は冬から冷え込みがかなり厳しかったのですが、いつの間にかクールビズが始まる初夏を迎えていまいました。

小石川植物園では、新緑が日に日に鮮やかになり、花水木やハンカチノキの花も咲き出してきました。また、色とりどりのツツジが園内を美しく彩っています。

小石川植物園は新緑とツツジの季節になりました。手前のカラフルなツツジ園の後方では、イチョウやニレの大木も若葉に覆われてきました。


園内のイロハモミジ並木は新緑のトンネルになっています。晩秋になると真っ赤な紅葉のトンネルに変貌します。


園の入口付近にメタセコイア林があります。スギの先祖のメタセコイヤ(アケボノスギ)は、凛として天に伸びるような樹形が見事です。木のすぐ真下から林立するメタセコイアを見上げるお気に入りの構図です。秋の褐色から冬木立に変わり、この季節は新緑なります。




北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属)に白色や薄紅色の花が開花してきました。青空にもよく調和しています。紅白の美しい花がしばらく咲き続けます。最近では近辺の街路樹にもよく見かけます。


ハンカチノキ(ミズキ科ハンカチノキ属)は、例年この大型連休の頃に花を付けます。高木のハンカチノキを見上げると、ヒラヒラとした白いハンカチのような花が多く春風に揺れていました。実は白い花のように見えるのは大きな2枚の苞葉で、本当の花は真ん中の部分に付いています。元来ハンカチノキは中国の固有植物で、春風に誘われて、たくさんの白鳩が鳩篭から飛び出そうとするように見えるので、中国では鳩子樹と呼ばれているそうです。


北米原産の落葉樹のアカバナトチノキ(赤花栃の木;トチノキ科トチノキ属)も開花していました。花が筒状になっていますが、ハチドリの仲間が花の蜜を吸いやすいようにこのような形状に変化したそうです。日本のトチノキやマロニエ(西洋トチノキ)が近縁種。


中国南部原産の常緑小高木ウンナンオガタマ(雲南招霊;モクレン科モクレン属)がハクモクレンに似た花を咲かせていました。ウンナンオガタマは、神霊を招くために神前に供える木として神社などで用いられます。


ヤマフジ(マメ科フジ属)>白花美短。ヤマフジは日本固有種で本州西部、四国、九州の山地に分布するツル性落葉木本。野フジともいう。ヤマフジは他の木に巻きついて大きく成長しますが、蔓は上から見ると左回りで、右回りのフジとは逆になります。


トキワマンサク(常磐万作;マンサク科トキワマンサク属)の大木が、まるでうっすらと雪化粧をしているように見えました。近づいてよく観察すると、白く細長い4枚の花弁の小さめの花が大木に溢れんばかりに枝垂れて咲いていました。


ハマナス(浜梨;バラ科バラ属)。北海道に多く自生する。果実は生食でき、ジャムや果実酒にも利用される。ハマナスの名は、海岸の砂地(浜)に生え、果実がナシに似た形をしていることからハマナシと呼ばれ、それが訛ったものといわれる。ナス(茄子)とは無関係。


シロヤマブキ(白山吹;バラ科シロヤマブキ属)。花弁が4枚の白い花でしっとりと落ち着いた雰囲気です。ヤマブキ属のヤマブキ八重ヤマブキとは属が異なります。日本では本州の中国地方に分布し、東アジアでは朝鮮、中国に分布する。


この季節、園内のツツジ園をはじめ随所で色とりどりのツツジや石楠花を楽しむことができます。この真っ赤なツツジは鹿児島原産のサタツツジ(佐田躑躅)。ツツジはツツジ科ツツジ属に属する植物を総称します。日本では古くから園芸品種として交配され、美しい品種がたくさん作られてきました。中でもこのサタツツジとヤマツツジやミヤマキリシマなどをかけ合わせて生まれたクルメツツジはその代表で種類も多く色とりどりの花が咲きます。


シャクナゲ(石楠花)の花も多く咲いています。これは紀伊半島以西の本州・四国・九州の山地に分布するツクシシャクナゲ。石楠花 は、ツツジ科ツツジ属 無鱗片シャクナゲ亜属の植物を総称して呼ぶ。いずれも派手で大きな花に特徴がある。また、シャクナゲは葉にケイレン毒を含む有毒植物であるので注意を要する。



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