新緑の大型連休はツツジ、花水木、ハンカチノキなどで賑やか
4月末からの大型連休に入ると、気温もぐんぐん上がり、真夏日を記録した地域もありました。また、沖縄や鹿児島ではすでに梅雨入りしました。今年は冬から冷え込みがかなり厳しかったのですが、いつの間にかクールビズが始まる初夏を迎えていまいました。
小石川植物園では、新緑が日に日に鮮やかになり、花水木やハンカチノキの花も咲き出してきました。また、色とりどりのツツジが園内を美しく彩っています。

小石川植物園は新緑とツツジの季節になりました。手前のカラフルなツツジ園の後方では、イチョウやニレの大木も若葉に覆われてきました。

園内のイロハモミジの小径は新緑のトンネルになっています。晩秋になると真っ赤な紅葉のトンネルに変貌します。

園の入口付近にメタセコイア林があります。スギの先祖のメタセコイヤ(アケボノスギ)は、凛として天に伸びるような樹形が見事です。木のすぐ真下から林立するメタセコイアを見上げるお気に入りの構図です。秋の褐色から冬木立に変わり、この季節は新緑なります。


北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属)に白色や薄紅色の花が開花してきました。青空にもよく調和しています。紅白の美しい花がしばらく咲き続けます。最近では近辺の街路樹にもよく見かけます。

ハンカチノキ(ミズキ科ハンカチノキ属)は、例年この大型連休の頃に花を付けます。高木のハンカチノキを見上げると、ヒラヒラとした白いハンカチのような花が多く春風に揺れていました。実は白い花のように見えるのは大きな2枚の苞葉で、本当の花は真ん中の部分に付いています。元来ハンカチノキは中国の固有植物で、春風に誘われて、たくさんの白鳩が鳩篭から飛び出そうとするように見えるので、中国では鳩子樹と呼ばれているそうです。

北米原産の落葉樹のアカバナトチノキ(赤花栃の木;トチノキ科トチノキ属)も開花していました。花が筒状になっていますが、ハチドリの仲間が花の蜜を吸いやすいようにこのような形状に変化したそうです。日本のトチノキやマロニエ(西洋トチノキ)が近縁種。

中国南部原産の常緑小高木ウンナンオガタマ(雲南招霊;モクレン科モクレン属)がハクモクレンに似た花を咲かせていました。ウンナンオガタマは、神霊を招くために神前に供える木として神社などで用いられます。

ヤマフジ(マメ科フジ属)>白花美短。ヤマフジは日本固有種で本州西部、四国、九州の山地に分布するツル性落葉木本。野フジともいう。ヤマフジは他の木に巻きついて大きく成長しますが、蔓は上から見ると左回りで、右回りのフジとは逆になります。

トキワマンサク(常磐万作;マンサク科トキワマンサク属)の大木が、まるでうっすらと雪化粧をしているように見えました。近づいてよく観察すると、白く細長い4枚の花弁の小さめの花が大木に溢れんばかりに枝垂れて咲いていました。

ハマナス(浜梨;バラ科バラ属)。北海道に多く自生する。果実は生食でき、ジャムや果実酒にも利用される。ハマナスの名は、海岸の砂地(浜)に生え、果実がナシに似た形をしていることからハマナシと呼ばれ、それが訛ったものといわれる。ナス(茄子)とは無関係。

シロヤマブキ(白山吹;バラ科シロヤマブキ属)。花弁が4枚の白い花でしっとりと落ち着いた雰囲気です。ヤマブキ属のヤマブキや八重ヤマブキとは属が異なります。日本では本州の中国地方に分布し、東アジアでは朝鮮、中国に分布する。

この季節、園内のツツジ園をはじめ随所で色とりどりのツツジや石楠花を楽しむことができます。この真っ赤なツツジは鹿児島原産のサタツツジ(佐田躑躅)。ツツジはツツジ科ツツジ属に属する植物を総称します。日本では古くから園芸品種として交配され、美しい品種がたくさん作られてきました。中でもこのサタツツジとヤマツツジやミヤマキリシマなどをかけ合わせて生まれたクルメツツジはその代表で種類も多く色とりどりの花が咲きます。

シャクナゲ(石楠花)の花も多く咲いています。これは紀伊半島以西の本州・四国・九州の山地に分布するツクシシャクナゲ。石楠花 は、ツツジ科ツツジ属 無鱗片シャクナゲ亜属の植物を総称して呼ぶ。いずれも派手で大きな花に特徴がある。また、シャクナゲは葉にケイレン毒を含む有毒植物であるので注意を要する。
…> 季節のスケッチ (24年5月)
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