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2012年10月

2012年10月21日 (日)

金木犀が香り、花水木が色づく秋晴れの休日


 今日の日曜は爽やかに晴れ上がり、暑くもなく寒くもない格好の行楽日和で、今月になってから訪れてなかった小石川植物園に出かけてきました。金木犀が香り、花水木が色づく秋晴れのいい休日でした。


 園内の日本庭園の一隅に立つキンモクセイ(金木犀;モクセイ科モクセイ属)の大樹に近づいたところ、甘くいい香りが漂っていました。まさに秋の季節の香りです。街中を歩いていてもキンモクセイの芳香にふと気づき、秋の深まりを感じることがあります。


 春にきれいな紅白の花を咲かせるハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)ですが、木の葉が赤く色づいてきました。陽光で透かしてみると美しさが引き立ちます。ハナミズキは、かつて米国に赴任したときの住まいの一軒家の庭にもあって、それ以来わが家になじみ深い花木になっています。


 このシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の白い花は萼片の枚数が少なく(本物の花弁はない)、花びらにふっくらとした丸みがあります。シュウメイギクの名前からするとキク科のようですが、実はキンポウゲ科の宿根草です。貴船菊や秋牡丹の別名があります。


  シュウメイギクには八重咲きの花もあって、雰囲気が少し異なります。この八重咲きの赤い花は、勲章のように立派な形をしています。多数の赤紫色の花弁状の萼片が目立ちます。わが国の山野や里山に自生しますが、古い時代に中国から渡来し、野生化したとのこと。


 ユリ科ホトトギス属の多年草ホトトギス(杜鵑草)の小さな赤紫色の花です。花に紫色の斑点があり、鳥のホトトギスの胸模様に似ていることから、名が由来。ホトトギスは東アジアを中心におよそ20種が分布する毎年花を咲かせる多年草です。


 シオン(紫苑;キク科シオン属)の薄い紫色の花がゆらゆらと優雅に風にたなびいていました。わが国には、古い時代に薬草として渡来したが、花が美しいので薬草より観賞用として栽培が盛んになったとのことです。


 この時期になると、たわわに実る木々をあちこちに見かけます。これはピラカンサ(バラ科トキワサンザシ属)の園芸品種で、ローズデールの名が付いています。無数の赤い実が空中にちりばめられているようです。年末にかけて赤色が更に深まっていきます。


 背の高いキク科アキノキリンソウ属のセイタカアワダチソウ(背高泡立草)を園内の草むらなどの各所に見かけました。この野の花は北米原産の帰化植物で河原や空き地などに群生し、この時期に黄色の立派な花を咲かせます。 


 また、薄い赤紫の小さな花を咲かせたイヌタデ(犬蓼;タデ科タデ属)が草むらの随所に群生していて、所によっては一面がピンク色に染まっているようにも見えました。かつて子どものままごとで赤飯の代わりに使われたことからアカマンマの別名が付いています。


 最後にわが家の庭先に咲いているノボタン(野牡丹;ノボタン科)の花です。春先に苗木を買っていたものです。夏の間は成長はするものの花を咲かせずあきらめかけていたのですが、秋に入ってから、少しずつ花が咲き出しました。しっとりと落ち着いた感じの花です。

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2012年10月20日 (土)

「野の花プラス」を大幅にリニューアル


 このたび、野の花プラスのコンテンツを大幅にリニューアルしました。本コンテンツは、小石川植物園で見かける野の花(山野草、雑草など)を中心に、さらに各地で見つけた野の花を加えてまとめたものです。五十音順や植物分類の科・属順の一覧リストも、サムネイル写真を付けて見やすく整理し直しました。
 
 小石川植物園は四季の野趣に富んでいて、いろんな草花を見かけます。山野や林地、草原などで出会って感動するような山野草が多く生えています。

  春にはカタクリ、フクジュソウ、ユキワリイチゲなどのスプリング・エフェメラル(春の妖精たち)が咲き出し、春が来た喜びを実感します。春先に開花し夏まで葉をつけると、あとは広葉樹林の林床などの地中で過ごす一連の野の花のことをスプリング・エフェメラルと総称します。
 

 また、夏から秋にかけては、かつて山上憶良が万葉集で詠んだという秋の七草(オミナエシ(女郎花)、オバナ(尾花:ススキのこと)、キキョウ(桔梗)、ナデシコ(撫子)、フジバカマ(藤袴)、クズ(葛)、ハギ(萩) )もすべて園内で見つけることができます。
 

 このほか、園内の路傍やあぜ道などには人間の生活圏にいつの間にか侵入してくるヒメオドリコソウ、ホトケノザ、オオバコなどのいわゆる雑草類も数多く自生しています。
 

 もっとも山野草と雑草の明確な区分があるわけでもないので、取りあえず園内で見かけた草本をすべて野の花プラスに加えています。さらに、山形野草園、箱根湿生花園など各地で見つけた山野草も加えることにしていますので、最近ではどこに行っても草むら、林縁、路傍などに目を向けるようにして、新しい野の花を見つけることを楽しみにしています。

 最終的には、個々の野の花ごとに写真と解説を加えた図鑑のようなものを作りたいのですが、これはもっと時間の余裕が出来てからじっくりと取り組みたいと思います。

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2012年10月14日 (日)

懐かしい風景、久しぶりの奥入瀬の大自然


 先日、久しぶりに奥入瀬渓流や十和田湖を訪ねてきました。前の観光は2004年11月でしたので、8年ぶりになります(→ 季節のスケッチ「16年11月」)。前回は11月初旬で紅葉が終わりの頃でしたので、今回(10月中旬)はちょうど見頃かなと期待して行ったのですが、今年の夏の暑さが長引いたせいで紅葉は遅れているとのことで、まだ青々と茂った木々の緑がほとんどで、少々期待はずれでした。しかしながら、渓流の見事さは昔のままで、8年前の記憶と重ね合わせながら、奥入瀬の渓谷美を堪能してきました。


 奥入瀬渓流は十和田湖を源流とする奥入瀬川によって形成されている渓流で、十和田湖湖畔である子ノ口から焼山までの14キロメートルの間を呼びます。豊富な水量を有し、広葉樹林の間を流れる渓流の見事さは、数々の瀑布や滝と相俟って独特の渓谷美を見せてくれます。


 渓流の左右の渓谷には滝が点在していて、滝水が渓流に流れ落ちています。木陰に見えるこの滝は「白糸の滝」です。この滝以外にも銚子大滝・九段の滝・雲井の滝・白布の滝などがあります。


 渓流の岩場に可憐な白い花が咲いているのを見つけました。北海道から本州中部の高山の岩場に咲くユキノシタ科ユキノシタ属の多年草ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草)です。花の形が「大」の字に似ています。


 奥入瀬渓流の源流になっている十和田湖は、雨交じりで時折晴れ上がる複雑な天気でした。それでも遊覧船に乗ってみたのですが、このような天気のせいでしょうか、湖面のあちこちから美しい虹が立ち上っていました。十和田湖は、十和田火山の噴火で形成された二重カルデラ湖で、日本の湖沼では12番目の面積規模を有します。


 奥入瀬渓流を抜けて八甲田山に向かう途中で、スイレン科のエゾヒツジグサが自生する睡蓮湖に立ち寄りました(もちろん、この季節には咲いていません)。ここでは紅葉が2~3分ほど進んでいて、ようやく秋に出会えた感じでした。霧が晴れていれば後方に八甲田の山々が並んで見えるそうです。


 八甲田山のロープウェイに乗って、紅葉が進んでいる頂上付近を目指しましたが、頂上付近はまったく視界不良の濃い霧の中で残念至極でした。山頂公園駅からは、視界がよければ八甲田の紅葉の山並みだけではなく、青森市街や陸奥湾、津軽半島、下北半島、そして岩木山と見渡せるそうです。


 ただ、ロープウェイで少し登ったところは視界が開けていましたので、青森市街や津軽半島、陸奥湾などが視認できました。なお、八甲田山は、青森市の南側にそびえる火山群の総称で日本百名山の一つです。岩木山と同様 本州最北部にある火山群になります。いい天気の時に訪れてみたいものです。

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秋田の都市鉱山を訪ねて


 先日、秋田の都市鉱山(小坂精錬)を訪れる機会を得た。都市鉱山とは面白い言葉だが、都市でゴミとして大量に廃棄される携帯電話やパソコン基板などの中に金、銀などレアメタル等が含まれていることから、これを鉱山と見立てたものです。そして、都市鉱山から希少資源を再生し、有効活用しようというリサイクル産業の営みになります。最近では、レアメタル価格の暴騰などにより都市鉱山の役割が再評価されています。

 秋田の都市鉱山たる小坂製錬株式会社は、銅や鉛の製錬、濃硫酸の製造などを行うDOWAホールディングス傘下のDOWAメタルマインの事業子会社で、秋田県鹿角郡小坂町に本社および製錬所を置いています。



 長年の鉱業で培われた技術やノウハウを基に、小坂精錬は都市鉱山のリサイクル事業を開始し、世界一の複合リサイクル精錬所を目指しているとのこと。昨年は、米ビジネス誌で世界の最も革新的な企業として紹介されています。

  小坂製錬の最大の特徴は、有価金属を多く含む複雑硫化鉱を処理できる国内唯一の製錬所であるということです。都市鉱山として、金、銀、銅のベースメタルからビスマス、インジウム等のレアメタルに至るまで多種類の有価金属回収をリサイクルしています。



 生成された金、銀のインゴットです。金の延べ棒(約13㎏)は約40万台の携帯電話から精錬されるそうです。まさに「チリも積もれば山となる」のことわざ通りです。単に廃棄すれば何も残らないのですが、丹念に「拾い集めて」有用な原材料にリサイクルしているわけです。事業とは言え、その仕業には頭の下がる思いがします。

また、 製錬・リサイクル以外にも、1,000t/月処理可能な土壌熱処理設備を備えており、まさに複合リサイクル精錬所を核とした世界に類のないリサイクル・コンビナートとしての発展が期待されています。

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2012年10月 8日 (月)

快挙!山中伸弥教授、iPS細胞研究でノーベル医学・生理学賞を受賞


 京都大学教授の山中伸弥iPS細胞研究所長が本年のノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まりました。生物のあらゆる細胞に成長できるiPS細胞研究が受賞理由になっています。今後、再生医療の手法を用いて難病治療などに大きな福音をもたらすものとして、大いに期待されています。ここ数年はずっとノーベル賞受賞候補者となっていました。本当におめでとうございます。
     

 日本人のノーベル賞受賞者を以下の表にまとめてみました。

  2012年(医学・生理学賞)山中 伸弥 
 2010年(化学賞)根岸 英一、鈴木 章      
 2008年(物理学賞)南部 陽一郎、小林 誠、益川 敏英
      (化学賞)下村 脩        
 2002年(物理学賞)小柴 昌俊 (化学賞)田中 耕一        
 2001年(化学賞)野依 良治        
 2000年(化学賞)白川 英樹        
 1994年(文学賞)大江 健三郎  
 1987年(医学・生理学賞)利根川 進      
 1981年(化学賞)福井 謙一        
 1974年(平和賞)佐藤 栄作    
 1973年(物理学賞)江崎 玲於奈          
 1968年(文学賞)川端 康成
 1965年(物理学賞)朝永 振一郎        
 1949年(物理学賞)湯川 秀樹    

 今回の山中教授で、日本人のノーベル賞受賞者は19人目になります。このうち化学賞、物理学賞、医学・生理学賞の「理系」の受賞者は16人目になるわけで、わが国研究者の水準の高さを示しています。ちなみに、中国や韓国の理系ノーベル賞受賞者は皆無です(文系でも中国のノーベル平和賞1件のみ)。

 言い換えると、わが国は科学技術分野で多大な国際貢献をしているわけです。最近、不本意ながら領土問題に絡めて隣国から不当な圧力を受け、自信を失いがちになりますが、そのようなことはありません。わが国が科学技術研究や経済活動を通じて、人類社会に広く貢献していることは大いに誇示しうることです。自信をもって未来に進んでいきましょう。


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秋晴れの下、丸の内に風格ある赤レンガ東京駅舎が復元


 10月に入ってもしばらく真夏日が続いていましたが、3連休の体育の日には暑さも落ち着き、爽やかな秋空が広がりました。この日は心地よい秋晴れに誘われ、復元された東京駅の丸の内駅舎を見てみようと出かけてきました。




 東京駅の丸の内駅舎の復元工事が終了し、秋晴れの下に、開業時の風格ある3階建ての赤れんが駅舎の姿が見事によみがえっていました。大勢の見物客が押し寄せて大変な賑わいでした。東京スカイツリーに次いで、また新たな名所が登場です。

 赤レンガの外壁にした東京駅丸の内駅舎は1914年に創建され、その堂々たる姿で、多くの人々に親しまれてきました。しかし、1945年、戦災により駅舎が焼失し、戦後に3階建ての駅舎を2階建て駅舎にして復興していたものです。



 今回の駅舎の復元にあわせて、丸の内仲通りガーデニングショー2012が開催されていて、丸の内界隈は花と緑があふれた美しい装いになっていました。また、東京駅から和田倉門までの行幸通りも中央部が遊歩道としてキレイに整備されました。コスモスなどの秋の草花が並んでいました。


 仲通り沿いのベンチには、懐かしいジャイアント馬場や坂本龍馬などの「有名人」の展示も多く見かけました。このベンチに座ってツーショットできるようになっています。

   …> 季節のスケッチ(24年10月)

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