迎春花のロウバイの花が新年早々咲き出しました
1月中旬の小石川植物園の新春風景です。まだ寒さが続き、園内の多くが冬木立に覆われている状況ですが、ロウバイやカンツバキなどの新春の花々が今年も咲き出していました。


ロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)は新年に咲く迎春花です。植物園に入ってすぐの所で、やはり今年も可憐な花がしっかりと咲き出していました。ロウバイの黄色の小さな花は、その名のとおり、まるでロウ細工のようです。その精巧な造形美に感動すら覚えます。顔を近づけると本当に甘いいい香りがします。

ロウバイの木の隣では、同じ仲間のソシンロウバイ(素心蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花も盛んに咲いています。ソシンロウバイの花は、花の中央部の色の変化のないのが特徴で、花全体がうす黄色で透明感があります。また、ロウバイと同じようにいい香りがします。

この時期、ほとんどの落葉樹が冬木立になっています。スギの先祖といわれるメタセコイア(スギ科メタセコイア属)の冬木立は、天空をめざし凜と伸びています。見事な樹形で、眺める私たちの気持ちもシャンとなります。

これも冬木立の風景です。右はスクッとそびえ立つセイヨウハコヤナギ(ヤナギ科ヤマナラシ属)いわゆるポプラの高木です。また、左には、丸みを帯びたラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマズギ属)の高木です。ラクウショウは沼沢地に生育するので、ヌマスギの別名もあります。

いろんな冬木立を観察していたところ、ヤマナシの樹木の枝の上にヤドリギ(宿り木;ヤドリギ科ヤドリギ属)を見つけました。葉が生い茂っている時期は気がつきませんでしたが、落葉しているこの日は、団塊状の株を形成したヤドリギが遠くからでも見て取れました。このヤドリギは常緑の葉を持ち自身で光合成を行うが、地面からのミネラルの供給は宿主に依存する半寄生です。

ツバキ属の世界では、晩秋から咲いていたサザンカ(山茶花)からツバキ(椿)へと主役交代の頃になりました。これは冬の代表的な花木のカンツバキ(寒椿)で獅子頭の名が付いています。淡紅色の八重咲きの花が次々に咲き出してました。寒椿は正確にはサザンカの園芸種で、サザンカとツバキの交雑種といわれます。一般の椿の開花はこれからです。

この白い大輪の花はグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属)です。12月の頃からにメタセコイア林の近くに咲いていましたので、今は終わりの時期なので花の色が黄色がかってきました。グランサムツバキは1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられたとのこと。

野の花は春暖に誘われて次々に咲きようになるので、寒中のこの時期の草むらは、ほとんどが落ち葉や枯れ草に覆われています。それでも、ポツポツと野の花が咲いているのを見つけました。これは、タンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)です。一輪の鮮やかな黄色の花が落ち葉をかき分け、顔をのぞかせていました。

タンポポの近くには、とても小さなオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)の花がポツンと咲いていました。オオイヌノフグリは、暖かくなると星くずのように可憐な青い小さな花が地面いっぱいを覆うようになってきます。

植物園の「飼い猫」たちです。仲良く並んで、少しばかり暖かい陽だまりの中でひなたぼっこをしていました。
…> 季節のスケッチ(25年1月)
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