筑波山の南裾に福寿海が広がる
初めて筑波山の南裾に広がるつくば植物園(筑波実験植物園)を訪れてきました。この植物園は、国立科学博物館が設置した植物研究のための機関で、およそ14ヘクタールの敷地に、筑波山で見られる植物も含め、内外の7000種類を超える植物が植栽されています。

園内は入園者向けにもよく整備されていて、気温がまだ低いものの快晴でしたので、早春の陽射しを浴びながら心地よい散策を楽しむことができました。


スプリング・エフェメラル(春の妖精たち)の代表格のフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)が咲き始めていました。春の陽だまりの中で思いっきり日光浴を楽しんでいるようでした。ところで、立て札にはフクジュカイ(福寿海)と粋な名前が書いてありました。福寿草がどんどんと咲き広がる様子を海に見立てているのでしょうか。

園内にはサバンナ温室、熱帯雨林温室、水生植物温室が3種類の温室がそろっています。温室内では湿度が高いため、カメラのレンズがすぐに曇ってしまい、なかなか良い写真が撮れませんでした。

この中でサバンナ温室だけは乾燥していました。この白い花はマダガスカル原産でキョウチクトウ科の多肉植物パキポディウム・エブルネウムです。植物全体が、まるで手のひら上に咲き出しているかのような奇妙な形状をしています。

植物園の中央部が水生植物区画になっていて、ほどほどの大きさの池が作られています。この日はカモの群れがスイスイと泳ぎ回っていました。この区画では、ミズバショウやコウホネなどの水辺の植物が分布します。

この水辺に咲く花はほとんど皆無でしたが、1点だけ黄金色に輝いている箇所がありました。近づいてみると、湿地などに育つリュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)の花が一輪だけ咲いていました。普通には5月から7月頃に咲く花です。早咲きの理由は分かりません。
つくばとは仕事で頻繁に往来していますが、このような立派な植物園があるとは思っていませんでした。今後は時間を見つけて、何回でも訪れてみたいと思います。
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