万緑が広がるGWの神代植物公園
大型連休期間 (GW) の5月2日、調布市の神代植物公園まで足を伸ばしてきました。連休の合間の平日でしたのであまり混雑もせず、万緑が広がる美しい季節を堪能してきました。
神代植物公園は武蔵野の面影が残り、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができます。この公園は、もともと東京都の街路樹などを育てるための苗圃でしたが、戦後、神代緑地として公開され、その後1961年に都内唯一の植物公園として開園したものです。

ばら園の見事な眺望です。中央部の噴水の周りに花々が配置され、西洋庭園のような雰囲気があります。正面の建物は大温室です。約5,200株のバラが栽培されているばら園は、ちょうど開花が始ったばかりでした。
公園内には、ばら園、ぼたん・しゃくやく園、つつじ園、つばき園など種類別、形態別などにより分けて配置されています。また大温室もあり、熱帯、亜熱帯の珍しい植物も集められています。

植物公園には深大寺門から入園しましたが、入口近くには有名な深大寺そばの茶店が並んでいました。ちょうど昼時でしたので、ここで腹ごしらえしました。

公園内のつつじ園の風景です。色とりどりのツツジが咲いて葉の緑と美しく調和しています。

上のばら園の写真では外れていましたが、右側に長い藤棚が配置されています。大勢の人が藤棚のフジを楽しんでいました。

藤棚のフジはちょうど見頃で、無数の房状のフジの花が垂れ下がる様は圧巻でした。フジはマメ科フジ属のつる性木本で、淡紫色または白色の花が房状に垂れ下ります。わが国にはノダフジとヤマフジの2種があり、上から見たつるの巻く向きがそれぞれ右回り、 左回りという違いがあります。

つつじ園に隣接してしゃくなげ園が配置されています。しゃくなげ園ではいろんなシャクナゲの花が満開になっていました。シャクナゲ(石楠花)は耐寒性常緑広葉樹で、ツツジ(躑躅)と同じくツツジ科ツツジ属に属します。ツツジと比較すると、花が大きくゴージャスな感じがすること、丸みを帯びた葉が厚く細長いことなどが特徴になります。
シャクナゲには多くの品種があります。この写真の手前は、マーキーターズ・フレイム、後方はブルーファンタジーの名が付いています。

この白いシャクナゲの品種名は、クレスト。

真っ赤なイーブニング・クロー。

品種名はサッフォー。白花の中心部に紫色の斑が入っています。

次は大温室内の植物です。これは、マメ科のつる性植物でフィリピンの限られた熱帯雨林に自生するヒスイカズラです。花の色が珍しい青碧色で、宝石の翡翠に似ています。

大温室には原種も含めて多くの球根ベゴニアも陳列されています。球根ベゴニアはベゴニア(シュウカイドウ科シュウカイドウ属)の一種で、ペルー、ボリビアなどのアンデス高山地帯に分布する植物の交配種です。半耐寒性で暑さにきわめて弱い多年生植物で、わが国では、専用の温室がないと栽培は難しいとされています。

帰り道ふと見上げると、園内のハクウンボク(白雲木;エゴノキ科エゴノキ属)の大樹に満開になった白雲のような白い花が多数枝先に付いていました。珍しい眺めでした。

公園の塀沿いにウツギ(空木;ユキノシタ科ウツギ属)の白い花が咲きそろっていました。ウツギは全国に広く分布する落葉低木で、「夏は来ぬ」の小学唱歌の卯の花のことです。初夏の風物詩でもあります。

今回初めて神代植物公園を訪れましたが、かつての武蔵野の原野に広がる野趣あふれる万緑の世界に感激しました。車でも1時間弱の近さです。リピーターになりそうです。
→ 季節のスケッチ(25年5月 神代植物公園)
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