梅雨明け後に猛暑到来、小石川植物園は本格的な夏の風景
7月6日、関東甲信地方は梅雨明けしたとみられるとの発表が気象庁からありました。平年の梅雨明けは7月21日頃ですので15日早く、昨年の7月25日より19日早い梅雨明けになりました。

これは梅雨明け当日の風景です。わが家のベランダから小石川植物園を眺めてみると、濃い緑に覆われる植物園の上方に真夏の青空が広がっていました。
梅雨明け後の7日は日曜でした。南から暖かい空気が流れ込んで気温がぐんぐん上昇し、東京の都心で今年初めて35度を超える猛暑日になりました。この猛暑はしばらく続きそうなので、熱中症には要注意です。
さて、日曜日(7日)に数週間ぶりに小石川植物園を訪れてきました。朝から猛暑が予報が出ていましたので、開園時間の午前9時直後に入園しました。それでも相当な暑さで大変でしたので、急いで園内を周り、夏の風景の写真を撮ってきました。

桜並木の風景ですが、すっかり深緑に覆われてきました。暑さのせいで、さすがに人出はまばらです。

園内では、夏の花木が花を付け始めました。これはムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)の花です。いろんな色合いのムクゲの花々が園内の随所に咲くようになります。風雅なムクゲの花は落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。

炎暑の夏を延々と咲き続けるキョウチクトウ(夾竹桃 キョウチクトウ科キョウチクトウ属)です。中国原産の常緑低木で、赤花と白花があります。夾竹桃の名は、葉の形状が竹に似て狭く、花が桃に似ていることに由来します。ただ、キョウチクトウは優れた夏の花木ですが、花、葉、枝、根、果実すべての部位や、周辺の土壌にも毒性があるので注意が必要です。

クサキョウチクトウ(草夾竹桃;ハナシノブ科フロックス属)の鮮やかな赤紫色の小さな花が塊状に咲いていました。その名のとおり花はキョウチクトウに似ているのですが、分類上は全く異なります。

この時期は、夏の野がユリ科の花々で賑やかになります。橙色の八重咲きの花はヤブカンゾウ(薮萓草;ユリ科ワスレグサ属)です。園内のアチコチに自生しています。ノカンゾウ(野萱草)、ユウスゲ(夕菅)、ニッコウキスゲ(日光黄菅)などはワスレグサ属の同属です。

夏の最も暑い時期に満開となるヤマユリ(山百合;ユリ科ユリ属)も林の中で咲いていました。、北海道と北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布します。強い香り、赤い斑点など強烈な個性を感じます。

オニユリの変種で、黄金色のオウゴンオニユリ(ユリ科ユリ属)。黄金色に赤褐色の斑点が点々と付ける美しいユリの花です。オウゴンオニユリはもともと対馬に自生していたものですが、自生地が極端に減少しているようです。

北米原産の多年草キクイモモドキ(キク科キクイモモドキ属)の花も咲き始めました。小さ目の黄色の花が群れて風にたなびいていて、よく目立ちます。立派な植物に対して、「○○モドキ」の名付けはどうかと思います。

阿蘇など九州の一部に自生するヒゴタイ(キク科ヒゴタイ属)です。完全な球形の花をつける珍しい植物です。これから徐々に色づき、神秘的な瑠璃色の球体の花を咲かせます。葉はアザミに似て切れ込みがあり、棘があります。

質素な感じのミソハギ(ミソハギ科ミソハギ属)の花が咲き始めているのを見つけました。ミソハギはお盆の頃に仏前に供えられるので盆花とも言われます。この花を見ると夏を実感します。

ヤマモモソウ(山桃草;アカバナ科ガウラ属)。多数の小柄の白い花が風に舞っているようでした。一つ一つの花をじっくりと見ると、花の姿形が白蝶に似ています。このことからハクチョウソウ(白蝶草)とも呼ばれます。

ヒルガオ(昼顔;ヒルガオ科ヒルガオ属)の花を園内の随所で見かけます。ヒルガオは地下茎で広がります。このヒルガオはオキナワハイネズ(ヒノキ科)の植え込みから顔をのぞかせていました。

面白い形状のネジバナ(捩花;ラン科ネジバナ属)の花を見かけました。すなわち、花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲き、ちょうどネジのようです。「ねじれた花序」が和名の由来になります。湿っていて日当たりの良い、背の低い草地に生育します。
…> 季節のスケッチ(25年7月)
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