残暑の8月、小石川植物園はサルスベリ、ムクゲなど夏の花や緑衣の夏木立が目立つ
いよいよ8月に入りました。先月の後半は、日本列島の北部に残った梅雨前線と蛇行する偏西風の影響で、東日本から西日本の広範な地域で局所的な集中豪雨が続き、河川の氾濫、土砂崩れ等の甚大な被害をもたらしました。日常生活では野菜の高騰をもたらし、また東北地方では異常な冷夏が続いているようです。
しかしながら東北地方もようやく梅雨明けし、今週の立秋(7日)頃からは太平洋高気圧が日本列島を覆うようになり、厳しい残暑が戻るとのことで、ようやく平年のこの時期の気候になりそうです。
4日の休日に小石川植物園に出かけてきましたが、猛暑ではないのですがムシムシとした天候のせいか、少ない人出でした。この時期の園内は落ち着いた雰囲気で、サルスベリやムクゲなどの夏の花木が静かに花を咲かせ続けていました。そして、高木・大木の緑衣の夏木立も見応えがありました。また、オミナエシやキキョウなどの秋の七草も見かけました。

園内の日本庭園の奥の方に旧東京医学校の赤い建物が立っています。この建物の周りは季節ごとにいろんな花が咲くようになっていますが、この時期の花はサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)です。ただ、この真紅の花を付けるサルスベリの大木ですが、ここ数年花の付き具合が芳しくなく心配です(→ 平成16年の様子)。

真紅のサルスベリの近くには、薄紫色のサルスベリの大木があります。この大樹は以前と同じように盛んに花が咲いていました。




先月から咲き続けているムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)の花。ムクゲも代表的な夏の花木です。落ち着いた雰囲気の中で、風雅な趣のムクゲの花が園内の随所で夏中咲き続けます。

この時期、花の数が少なくなりますが、緑衣をまとった夏木立は見応えがあります。葉の形から木の名前が分かるようになります。この夏木立は、アメリカスズカケノキ(アメリカ鈴懸の木;スズカケノキ科スズカケノキ属)です。

ヘラノキ(箆の木;シナノキ科シナノキ属)の夏木立。

ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)の夏木立。

ケヤキ(欅;ニレ科ケヤキ属)の夏木立。

立秋が近づいてきましたが、秋の七草のオミナエシ(女郎花;オミナエシ科オミナエシ属)の花を見つけました。直立した茎の先にあざやかな黄色の花が群生して咲いていました。

やはり秋の七草のひとつのキキョウ(桔梗;キキョウ科キキョウ属)の花です。キキョウは秋の花というより、むしろ盛夏の花といえます。青紫色の上品な和風の美しさを保っています。

草むらもこの時期ならではの風景を見かけました。これは北アメリカ原産の帰化植物のオオハンゴンソウ(大反魂草;キク科オオハンゴンソウ属)。園内の随所に群生しています。

つる性の植物を多く見かけました。これは、藪を覆って枯らしてしまうほど生育が旺盛といわれるヤブガラシ(藪枯らし;ブドウ科ヤブガラシ属)。ヤブガラシの花にチョウが止まっていました。

やはりつる性の多年草、カラスウリ(烏瓜;ウリ科カラスウリ属)。レース状の白い花で夜間だけ開くとのことですが、朝早い時間でしたので、まだ咲いていました。
…> 季節のスケッチ(25年8月)
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