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2013年12月31日 (火)

2013年を振り返って

 2013年がいよいよカウントダウンになってきました。私なりの視点で今年の社会経済を振り返ってみたいと思います。

1. 景気回復、株価1万6千円を超える

 東京株式市場の大納会の30日、景気回復への期待感から買いが膨らみ、日経平均株価の終値が1万6291円と、今年の最高値を記録して取引を終えました。年間では57%も上昇し、田中角栄政権が列島改造論を打ち出した1972年(92%)以来、41年ぶりの伸び率になりました。

 
             (NHK NEWS-WEB より)

 ちょうど1年前に登場した安倍政権が財政、金融、経済成長の3本の矢を柱としたアベノミクスの経済政策を展開。当時わが国を取り巻く閉塞感を打破したいという国民の期待にも沿う形となり、政治的な安定状況の進展が経済環境にも好影響を与え、円安・株高が一気に進んだ1年となりました。

 今後は、来春の消費税増税を乗り越え、この景気回復感を本物の景気回復・経済再生の軌道に乗せていくことが喫緊の課題となります。

2. 企業の品格が問われる

 2020年の東京オリンピック開催が決まり、さあこれから日本全体で「お・も・て・な・し」と盛り上がっている最中に、今年も企業の品格が問われる出来事が起こりました。阪急阪神ホテルズから始まったレストランのメニュー表示偽装の問題です。連鎖が続き10月下旬以降に明らかになっただけで、ホテルではホテルオークラや藤田観光などの名門グループが名を連ね、百貨店でも、高島屋を皮切りに三越伊勢丹、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武の大手4社が相次ぎ公表しました。ただし、そのほとんどが「偽装」ではなく「誤表示」との主張しています。

 そもそもメニュー表示偽装は、最近になって急に表面化したものではなく、長期にわたって横行していたと思われます。それが、「みんなで渡れば怖くない」とばかりに一斉にメニュー表示偽装を公表した訳です。今後、消費者庁がガイドラインを定めるということですが、政府に責任を転嫁したようで情けない限りです。食品業界一丸となって厳しい自主ガイドラインを作成するなど自浄作用を発揮してもらい、日本の消費者はもちろん、海外の人にも信頼される業界、品格ある企業に「成長」して欲しいと思います。

3. 東日本大震災発生から1000日経過

 2011年3月11日の東日本大震災発生から、12月4日で1000日が経過しました。次第にあのすさまじかった災害の記憶も薄れていますが、現実には災害復興はまだ道半ばです。復興庁が11月にとりまとめた、復興状況は以下の通りです。

  • 当初約47万人に上った避難者は約28万人となり、そのほとんどが仮設住宅等に入居。仮設住宅等への入居戸数は減少しはじめており、住まいの再建への動きが進みつつある。
  • 公共インフラは、おおむね復興施策に関する事業計画と工程表に基づき、着実に推進。高台移転や土地のかさ上げ等の事業は、大半について事業計画の策定が完了し、順次着工が始まりつつある。住まいの復興には、時間を要する見通し。
  • 被災地域の鉱工業生産指数は震災前の水準にほぼ回復し、有効求人倍率も1を超えているが、津波被災地域等における産業の復興や一部の沿岸部の雇用者数の回復等の課題がある。
  • 原子力災害からの復興については、避難指示区域の見直しが完了。これに併行して、除染、インフラ復旧、長期避難者に対する支援、放射線による健康不安の解消に向けた取組等が行われているが、帰還の見通しを持つには至っていない。
4. 国内外で相次ぐ異常気象・自然災害

 今年の日本は夏の猛暑、巨大竜巻、スーパー台風と尋常でない異常気象が相次ぎました。しかし、異常気象は日本だけではなく海外でも頻発しています。地球全体の自然環境のバランスが狂い始めたような気がします。

(国内の異常気象・災害)
  • 関東地方では夏には35度を超す猛暑日が続き、また四国の四万十市で41度という史上最高気温を更新。
  • 9月の越谷市と野田市では突然の巨大竜巻が発生。600棟を超す住宅や学校の校舎などが破壊され、電柱がなぎ倒されるなど大きな被害が発生した。
  • 9月の大型台風18号関西地方を中心に被害が出した。特に京都・嵐山の河川があふれ、名勝の渡月橋が今にも崩れそうになったのは記憶に新しい。
  • さらに10月には、「10年に一度の強い勢力を有する」台風26号が伊豆大島を直撃。火山灰から成る三原山の斜面から土石流が発生し、集落を飲み込む。犠牲者多数。
(海外の異常気象・災害)
  • ヨーロッパでは、5月以降、広範囲に雨が降りやすい状況となり、各地で大雨となった。
  • インドでは、広い範囲で多雨となった。特に、6月中旬に北西部のウッタラカンド州周辺で大雨となり、大きな被害が発生。
  • 7月以降、アムール川流域の広い範囲で多雨となる。このため、ロシア極東域では、アムール川の水位が上昇し、洪水の被害が発生。アムール州とハバロフスク州になまたがる広い地域で7000棟が浸水、3万人近い人々が避難。
  • 7月中旬に南米各地を強烈な寒波が襲い、ブラジルなどで季節外れの大雪を観測。凍死者も発生。この時期にブラジルで雪が降るのはきわめて異例。
  • 中国では、上海など東部地方で7月から記録的な暑さが続く。
  • 9月以降、インドシナ半島の広い範囲で多雨となり、タイやベトナムでは洪水の被害が発生。
  • 11月に台風30号がフィリピン中部を直撃。台風が高潮を発生させ、まるで大津波のような甚大な被害をもたらす。
 12月に入っても、異常気象が続いています。
  • 普段は降雪を見ないベトナム北部(ラオカイ省)あたりを中心に降り続ける異常な降雪により、畜産などが大きな被害。
  • 全米が尋常でない気象。大雪と寒波で混乱し犠牲者が出る地域もあれば、洪水で交通が麻痺している地域もある。
  • 南半球のオーストラリア(ニューサウスウェールズ州とビクトリア州など)でなんと真夏に大雪が降る。
  • アルゼンチンでは、全土が異常な熱波に見舞われている。連日 38度以上の気温が続き、クリスマスには首都ブエノスアイレスで43度というとんでもない気温を記録。
 

 このような異常気象は偏西風(ジェット気流)の蛇行により発生するようですが、そもそもの原因は地球温暖化に起因するらしいとのこと。地球温暖化問題については後日改めて。

 これ以外にも、気になった出来事が沢山ありましたが、そろそろ時間切れになりそうですので、この辺で「中締め」にしたいと思います。それでは皆さん、どうぞ良いお年をお迎え下さい。


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