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2014年1月

2014年1月31日 (金)

今なお新鮮に輝き続けるRWCプロジェクト(1992年~2001年)


(RWCPメモリアルを大幅リニューアル)
 1992年から2001年までの10年間にわたり、明日を拓く情報基盤技術として実世界知能分野と並列分散コンピューティング分野に研究資源を集約して遂行されたリアルワールド・コンピューティング・プロジェクト (Real World Computing Project) ですが、その足跡を記録したRWCPメモリアルプロジェクト10年史をこのたび大幅にリニューアルしました。



 2004年に当時残されていたCD記録集をもとに、筆者が取り急ぎHP化したサイトですが、このたびデザインを一新しました。体裁、フォント、ナビ等を改良してかなり利便性が高まりました。

(RWC技術は高度情報化社会の根幹をなす重要技術)
 今回の改訂作業にはかなりの労力を要しましたが、作業しながら改めてプロジェクト記録を読み返してみました。すると、予算面でも人員面でも相当な規模の研究開発が進められ、それぞれが超高速コンピューティング技術、光伝送技術、バイオコンピューティング技術、実世界計算技術、インターネット検索技術等々、すべて現在の高度情報化社会の根幹をなす重要技術群の先駆けになっていたことを再認識しました。

 終了時、プロジェクト推進委員長であった東京大学教授田中英彦氏は「現在、米国・欧州・アジアなどの世界各国が情報通信分野を国の戦略的基盤とし、研究に注力している。RWCプロジェクトはまさに世界が今後目指す次世代の情報基盤を支える戦略的技術と言えるだろう。」とその先進性と意義を説きましたが、今でもこのコメントは正鵠を射たものと思います。

 終了して14年になりますが、今なお新鮮に輝き続ける素晴らしいプロジェクトでした。筆者も短い期間でしたがこのプロジェクトに参画できたことに誇りを覚えます。

 また、本プロジェクトの遂行主体は技術研究組合新情報処理開発機構(RWCP; Real World Computing Partnership)でした。もちろんすでに解散していますが、プロジェクト10年史には技術研究組合の定款などの規約集や、各種会議などの運営の記録が詳しく整理されています。新しく技術研究組合を設置する場合には大いに参考になるものと思われます。

(開発成果のまとめの紹介)
 以下、膨大な資料の中からプロジェクトのまとめ(総論)の部分の記述を紹介します。RWCプロジェクトの足跡の一端を垣間見ることができます。
 (RWC NEWS Vol. 18  Dec. 2000 より)

1.総論
 本プロジェクトでは、実世界知能技術分野における情報統合と並列分散コンピューティング技術分野におけるシームレス並列分散コンピューティングという新しいパラダイムを提唱し、その実証システムを開発した。

 これは計算機・ネットワークの普及、半導体・光技術の進展などを見越したもので、今後の情報処理技術の新しい潮流を作るものと考える。(図1-1) . 現時点での技術開発レベルを分けて見た場合、大部分は、以下②、③のレベルであり、本プロジェクトにおける、要素技術の確立という当初の目的は、概ね達成できる見込みである。 ,①基本技術を開発中のもの ②基本技術をほぼ確立し、研究室内での実験・ 試用レベルにあるもの ③プロトタイプの試作を終え、応用分野・利 用者を捜しているもの ④既に中間成果に対して実用化が進んでいるもの特筆すべきは、内外から高い評価を受け、プロジェクト中途で中間成果の実用化・利用が進んでいて、既に④の段階に達しているものがいくつか存在することである。これはプロジェクトの当初目的を超えた成果であると考えている。

2.情報統合
 音声、動画、文書などの情報処理技術は、これまで別々に研究されてきたが、本プロジェクトでは、これらのマルチモーダル情報を統合して扱う新しい情報処理技術を研究し、多くの研究テーマを取り上げて、その有効性を世界に先駆けて実証した。

 具体的には、音声・動画・静止画・文書を生データのまま扱い、相互検索を可能とするCrossMediatorの開発、自律学習システムとしての事情通ロボットの開発、ジェスチャ、顔などの認識を含むマルチモーダルな対話システムの開発、手話認識などの実例が挙げられる。

3.シームレス並列分散コンピューティング
 シームレス並列分散コンピューティングシステムとは、LAN環境で接続された多数の計算機を単一計算機のイメージで使用できるシステムである。

 この技術により、パソコンと高速光ネットワークによるスーパーコンピューティング、大量情報に対するデータマイニングサーバなど高性能のネットワークサーバが実現でき、更に、ヘテロジーニアスな計算機上で動作するため、旧・新機種の混在やベクトルとスカラー計算機など異機種の計算機の協調も許される。今後のネットワーク社会でますます重要となる高性能、高信頼かつ経済性に富んだサーバ類の構築・利用技術を提供できよう。

 本システムのソフトウェア上の核となるグローバルOS(SCore)やコンパイラ(Omni OpenMP)はフリーソフトとして提供されており、普及が期待できるとともに、フリーソフトビジネスの新たなレパートリを創るものとして期待できる。更に、並列応用プログラムとして、PAPIA(並列タンパク質情報解析システム)、異種シミュレーション技術の融合、データマイニングなどの応用技術も開発した。

 また、並列分散コンピューティングにおいて重要となる光インターコネクションについては、世界最高の伝送能力を持つ大容量光スイッチング・インタフェースシステムを開発した。更に、100Gbps以上の伝送を可能とする将来の光インターコネクション技術として、高密度並列情報転送を可能とする面発光デバイスの試作などに成功した。

4.実用化・事業化
各研究室における研究成果は、多くの場合数年後に単品として、あるいは他のシステムに組み込んで使用される見込みである。

 既に実用化されているものとしては、
(1)実世界知能技術分野において、既に中間成果の製品化が行われているCrossMediator、商用LSIシステムに採用された動的適応デバイス技術など。

(2)シームレス並列分散コンピューティング技術分野において、世界各国でシミュレーション計算などのため実用されているSCore Software System(グローバル並列OS)、多くのサイトからダウンロードされて使用されているOmniOpenMPコンパイラ、WWWサイトを通じて世界中から利用されているPAPIAなど。






















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2014年1月19日 (日)

大寒の頃、関東平野の晴天眺望


 今日は大寒前日で、日本列島が西高東低の典型的な冬型の気圧配置に覆われ、北風が強く寒い1日でした。それでも澄んだ青空が広がっていましたので、散歩がてらに文京シビックセンター(文京区役所のビル)まで足を伸ばして、25階の展望ラウンジに上ってきました。

     
 シビックセンターの建物の高さは142mですので、634mの東京スカイツリーに遠く及びませんが展望ラウンジからの眺望はなかなかのものです。文京区内にある東京大学、小石川植物園はもとより、東京スカイツリーや新宿副都心の高層ビル群、富士山、筑波山まで見渡すことができ、関東平野の大眺望を楽しんできました。


 25階からの眺望です。これは西方向に新宿副都心の高層ビル群が目の前に見えます。後方に霊峰富士の白嶺がうっすらと見えます。風が強く空気が澄んでいますので、この時期は見やすくなっているのですが。


 北西方向を望むと、秩父連山が地平線になっています。右手の高層ビルは池袋のサンシャイン60ビルです。


 北東方向には遠くに筑波山が眺望できます。筑波山は、富士山と対比して「西の富士、東の筑波」と称される名峰です。


 展望ラウンジを東の方向に回ると、すくっと青空に伸びる美しい東京スカイツリーが真正面に間近に見えます。東京スカイツリーは一昨年の5月に開業して以来、すっかり東京の観光名所として定着しました。


 眼下に東京大学の安田講堂(時計台)を見つけました。今日は大学受験一次試験が行われていて東大も会場になっています。右手奥の方のこんもりとした森は上野公園になります。


 わが家の方向を見下ろすと、樹木に覆われた小石川植物園が見えます。植物園の約16,000㎡の敷地には約4,000種の植物が栽培されていて、四季をとおしてさまざまな花木を楽しむことができます。今日は寒かったので、植物園の散策は取りやめにしまました。


 最後に、植物園の代わりにわが家の花壇から。パンジーの寄せ植えを買い求めてきたのですが、寒さに縮こまっているようです。

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2014年1月11日 (土)

三連休初日、穏やかな天気で白梅が咲き出しました



 三連休の初日、今年初めて小石川植物園に出かけてきました。全国的は厳しい寒さが続いています。東京も朝方には零度になってこの冬一番の冷え込みになったようですが、日中の気温は9度まで上がり、風もなく穏やかで心地よい園内散策になりました。

 新春の園内の様子ですが、年末から咲いている山茶花(さざんか)の花に加えて、蝋梅(ろうばい)や水仙(すいせん)などの季節の花も咲き出していました。梅林ではポツポツと咲いている白梅を見つけてました。少しづつですが園内が賑やかになってきます。また、メタセコイア、スズカケノキ、ユリノキなどの巨木・高木の冬木立は迫力があります。



 サザンカ(山茶花;ツバキ科)の花は色んな品種があって11月頃から咲き出しますが、新年になってもまだ咲き続けています。上の赤花は品種名が歌枕の山茶花です。下の小さな白い花はトガリバサザンカ(尖葉山茶花;ツバキ科)です。葉の先が尖っているのが特徴です。 ツバキ科の仲間では、サザンカの花が咲き終わるとツバキの花にバトンタッチします。



 ロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花はいつも新年の時期に咲き出します。顔を近づけると、梅の香のような本当にいい香りがします。黄色の小さなロウバイの花はその名の通り、まるで透き通ったロウ細工のように見えます。下はロウバイの近縁種ソシンロウバイ(素心蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)です。やはり芳香を放ちながら盛んに咲いていました。この花はロウバイと異なり、花全体が黄色で中央部の色の変化のないのが特徴です。



 紅梅、白梅の色んな梅の木が植えられている梅園に立ち寄ってみました。新年から少しづつ咲き出すのですが、何故か年によって初めて咲く梅の花が異なります。今年は長寿(上)や鶯の谷(下)の白梅がポツポツと咲いていました。梅園ではこの後次々に紅梅、白梅の花が咲き出してきて、3月中頃まで楽しむことができます。


 小石川養生所の頃から使われていたという古井戸(今は使われていない)のすぐ近くにニホンズイセンが植えられていて、毎年この時期に咲き出します。今年も例年通りのようで、数輪の花が咲いていました。真ん中の黄色の部分がアクセントになっています。


 園内には数多くの巨木・高木の落葉樹が生えています。この時期はすっかり落葉して冬木立になっていて、迫力ある樹形は見応えがあります。この写真はスギの先祖のメタセコイア(スギ科メタセコイア属)。凛として天に伸びるような見事な冬木立です。



 白い木肌が目立つスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属、別名プラタナス)の冬木立です。つい自然の造形美に見とれてしまいます。樹上に目を凝らすと、枝に鈴のような実が沢山付いているのが分かります。


 路傍にタンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)の花を一輪見つけました。やがて草むらがタンポポであふれるようになりますが、この時期に見かけると嬉しくなります。


 寒中でも日中は暖かいからでしょうか。ネコたちが仲良く揃って日なたぼっこをしていました。穏やかな園内を象徴しているようでした。


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2014年1月 2日 (木)

正月は 上野の山で 初散歩

 今冬の北日本は天気が荒れて、郷里の山形でも降雪が続いているようです。その一方でここ東京は青空が広がり穏やかな正月を迎えています。かつて大学に入り初めて東京で暮らすようになった時以来、冬場の日本海地方と太平洋地方との落差を常に実感しています。

 さて、この正月は初詣も兼ねて近場の上野の山を散策してきました。年末のテレビ番組が上野の寛永寺のことを紹介していたのが正月散歩のきっかけになりました。そして、上野が徳川幕府と密接に関係があることや東照宮を建立した天海僧正が寛永寺をも造ったことなどを恥ずかしながら初めて知りました。そんな訳で興味津々と上野散歩に出かけました。


 初詣先の寛永寺(正式には東叡山寛永寺)。寛永寺は、家康、秀忠、家光の三代にわたる徳川将軍の帰依を受けた天海僧正によって、徳川幕府の安泰と万民の平安を祈願するため、江戸城の鬼門(東北)にあたる上野の山に寛永2年(1625)に建立されました。東叡山とは東の比叡山の意味で、寛永年間に建てられたので寛永寺と名付けられたとのこと。

 この建物は寛永寺の根本中堂(瑠璃殿))です。天台宗の開祖最澄自作の薬師瑠璃光如来像が本尊として祀られています。普段は閉じられていますが、正月は特別で中に入って参拝することが出来ました(写真撮影は不可))。堂内では薬師瑠璃光如来像(お前立ち)の周りを四天王像、十二神将像など18体もの仏像が固めて立ち並んでおり圧巻の光景でした。


 往時の寛永寺の境内は広大で、現在の上野公園全域にわたっていたそうです。

 東京国立博物館の前の大噴水の場所には新年を祝う大勢の人で賑わっていました。かつてこの場所に根本中堂の巨大な大伽藍が建っていました。将軍綱吉が建立した大伽藍は、間口45m、奥行き42m、高さ32mで、江戸随一の建物だったとのこと。

  寛永寺の清水観音堂(重要文化財)です。京都東山の清水寺を模した舞台造りのお堂で、江戸名所づくりをも目指した天海僧正が建立したもの。お堂のまん前に丸い形に造られた「月の松」が配置されています。

 お堂に上って月の松を覗くと、ちょうど不忍池の中に造られた辯天堂が見えます。天海僧正による見事な造作です。

 月の松から見える辯天堂は、寛永年間に比叡山麓の琵琶湖竹生島になぞらえて築かれた不忍池中之島の地に建立されました。不忍池の辯天堂の周りは、7月頃に蓮の花が満開になります。

 寛永年間に建立された旧寛永寺寛永寺五重塔(重要文化財)。高さ36mで一番上の五層目が銅板葺で他の層は亙葺になっています。桜の冬木立の先に美しく聳えています。現在は動物園内にあるため東京都に寄託されています。

 上野東照宮にも大勢の初詣客がいました。東照宮とは、家康(東照大権現)を祀る神社で、日光東照宮、久能山東照宮が有名。金箔をふんだんに使われていて金色殿とも呼ばれています。かつては東叡山寛永寺の一部でしたが、戦後の神仏分離令により寛永寺から独立。




 上野東照宮のぼたん苑では、約40品種600株の冬牡丹が見頃でした。冬牡丹は、花の少ない冬にお正月の縁起花として抑制栽培の技術を駆使して開花させたものだそうです。霜よけの藁囲いに包まれて楚々とした可憐な花をつけていました。 また、冬牡丹以外にも芳香を放つロウバイの花などが咲いていました。

 京都方広寺の大仏を模した上野大仏。罹災を繰り返し、現在では顔面の部分だけが残り保存されています。もう落ちないということで受験生に人気とのこと。大仏殿の跡地にはパゴダ(仏塔)が建立され、薬師三尊像が祀られています。

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2014年1月 1日 (水)

謹賀新年2014、本格的な経済再生へ

 2014年の新年おめでとうございます。
 朝7時頃、わが家のベランダから初日を拝んできました。すべての人にとって、今年が平穏で幸多き年であることを祈念申し上げます。

 さて、昨年来の大胆な金融政策、機動的な財政政策及び成長戦略の三本の矢による一体的な取組みにより、消費等の内需を中心とした景気回復の動きや企業収益の増加による雇用・所得環境の改善の動き等、いわゆるアベノミクス効果が徐々に浸透してきています。

 今年は、この景気回復の動きを本格化させる年です。わが国経済を支えるいろんな産業が力を結集して成長戦略に沿った発展を目指すことで、見事に経済再生を成し遂げられると思っています。私の仕事上の関連が深いナノ・マイクロ分野においては、MEMSデバイスの応用・普及が着実に進展しています。現在の国内市場規模が1兆円弱で、今後も年率2桁の成長が見込まれています。

 私どもの周りでも、例えば自動車、スマホ、タブレットの中では加速度センサー、圧力センサー、MEMSマイクロフォン等のいろんなMEMSがふんだんに使われており、今や製品の小型化・高機能化に必須のデバイスとなっています。さらに、最近では社会インフラの老朽化、少子高齢化社会の進展等のわが国が直面する大きな社会課題を解決するツールとして、MEMSセンサーや自立電源、無線機能を組み合わせたセンサーネットワークシステムが注目されていて、このための技術開発プロジェクトの動きも本格化しつつあります。

 今年も、このようなナノ・マイクロ分野の産業発展のダイナミズムを各企業のビジネス展開にしっかりと取り込むことができるよう、迅速な製品開発をサポートするオープンイノベーションセンターの整備や産学連携による先端技術に関する研究開発プロジェクトの推進等の産業活性化を支える活動を行っていきたいと思います。

 そして、これらの活動がわが国の経済再生、強い経済の復権に少しでも役立つことを希っています。

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