多くのスプリング・エフェメラルが自生する栃木の三毳山
三連休の休日に久しぶりのドライブに出かけてきました。最近、花の百名山にも選定されている栃木県の三毳山(みかも山)がカタクリ・アズマイチゲ・ニリンソウなどの山野草の自生地であることを聞き及んで、早速みかも山公園へ出かけることにしました。東北自動車道の佐野藤岡ICを降りてすぐの所に標高約230mの小高い三毳山がそびえていて、みかも山公園はその三毳山と一体化した広大な公園です。
群生する山野草との出会いに感激し、十分に三毳山の散策を楽しんだ後、まだ時間がありましたので、近くの足利フラワーパークにも立ち寄ってきました。車で20分程です。ここは初夏に咲き出す巨大な藤の花で有名ですが、この時期はチューリップや菜の花などの花々で美しく飾られていました。

【みかも山公園】
以下、野趣あふれるみかも山公園の様子を紹介します。

公園内の林床地で小さな白い花の山野草が群生していました。陽光を浴びて枯れ葉の間から伸び出してきた春の妖精たち(スプリング・エフェメラル)です。スプリング・エフェメラルとは春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部が枯れてなくなり、その後は翌春まで地中で地下茎等で過ごす早春植物のことです(→ 春の妖精たち)。これらの儚い野草たちと出会うといつも感動を覚えます。

これらの小さな白い花に近づいてみるとスプリング・エフェメラルの一種のアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)でした。アズマイチゲは北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や山麓の日当たりの良い場所に生育します。アジアでは樺太、朝鮮、ウスリー地方に分布。近縁のキクザキイチゲに似ていますが、浅く3葉に切れ込んだ葉の形が特徴となります。

群生するアズマイチゲの花に混じって、近縁のキクサキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)の白い花も見つけました。アズマイチゲとよく似ていますが、キクサキイチゲの葉は元気に上向いている感じで、ちょうど菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴です。キクサキイチゲはキクザキイチリンソウ((菊咲一輪草)とも呼ばれます。


スプリング・エフェメラルの代表格のカタクリ(ユリ科カタクリ属)の花も見つけました。カタクリの群生地ではまだ開花前でしたが、それでも随所にポツポツと咲いていました。
赤紫色のカタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。
カタクリは古来から親しまれ、万葉集では「堅香子(かたかご)」の名で詠まれています。カタクリの鱗茎は澱粉を含み、片栗粉の原料になり、若葉は食用に供されます。

早春に咲き出すフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ科)の花もまだ咲いていました。。福寿草は、春の陽光の中でまぶしいような黄金色を放ちながら精一杯咲いています。 寄せ合って咲くので、ほのぼの家族のようです。フクジュソウもスプリング・エフェメラルの一種。

公園内には遊歩道が整備されています。遊歩道はこのような平坦部から山の斜面まで縦横に張り巡らされています。

遊歩道から木々を見上げると、サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出していました。ハルコガネバナの別名があります。
【足利フラワーパーク】


次の訪問地の足利フラワーパークです。園内はチューリップや菜の花、パンジーなどで美しく彩られていました。

足利フラワーパークは初夏に見事に咲き誇る藤の花が有名で、見頃の連休の頃は大勢の来園者で賑わいます。これは園内最大の一株の藤の木です。枝が四方に大きく広がっている様子が分かります。満開時には圧巻の眺めになります。

藤の花の代わりに紅白の梅の花が咲いていました。隣接する小山の斜面部分に多くの梅の木が植えられています。


これ以外にも、園内にはクロッカスやスイセン(水仙)など色んな草花を楽しむことが出来ました。
この日は日帰りのちょっとしたドライブでしたが、久々に自然を満喫して充実した一日でした。
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