GWの小石川植物園、新緑の下で百花繚乱
好天に恵まれて今年のGW(ゴールデンウィーク)が始まりました。どこの行楽地に行こうかとあれこれ迷いましたが、疲れてもいましたので、結局すぐ近くの小石川植物園に行ってきました。
小石川植物園へはソメイヨシノが満開だった4月初旬以来でしたが、園内の風景は大きく変わっていて、新緑の下で百花繚乱の美しい世界が広がっていました。

植物園の丘上部のツツジ園では、いろんな種類のツツジが咲き競い鮮やかな彩りを見せています。後方の巨木のクスノキは常緑樹ですが、ちょうど新葉への入れ替え時期にあたっています。

園入口近くのメタセコイア林。長く冬木立が続いていましたが、いつの間にか新緑で覆われてきました。やはり季節は巡っています。

メタセコイア林から少し奥に入っていくと、ヤマモミジや山桜に囲まれた池がありますが、鮮やかな新緑に覆われていました。池面も緑一色に染まっています。

落葉高木のハンカチノキ(ミズキ科ハンカチノキ属)の樹を見上げると、無数の白いハンカチのような花(実は葉が変形した苞)が春風の中でヒラヒラと舞っていました。たくさんの白鳩が飛び出そうとするようにも見えることから、海外では Dove tree (鳩の木)といわれます。

中国、台湾、フィリピンに多く分布するオオカナメモチ(バラ科カナメモチ属)の大木。盛んに白い花を咲かせていて、まるで樹木に淡雪が積もっているかのようです。

ヤマツツジ、オオヤマツツジ、キリシマツツジ、リュウキュウツツジ、オンツツジなど色んな種類のツツジ(躑躅)が植えられていますが、やはりこの季節に咲くツツジが見応えがあります。この真っ赤な花は日の出霧島という園芸種(キリシマツツジ)です。

石垣島や西表島に自生するセイシカ(聖紫花;ツツジ属セイシカ亜属)が満開になっていました。聖紫花という神秘的な語感の和名は、 山奥の渓流沿いという秘境に咲く花のイメージに似合います。

ツツジの仲間のシャクナゲ(石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属)の花も盛んに咲き出しました。シャクナゲは日本全土の亜高山帯や周辺の渓谷に自生します。

紫色や白色のフジ(藤;マメ科)の花も満開になってきました。まるでブドウの房のように見えます。この紫色のフジには八房という名がついています。

わが家の庭先でもツツジやシャクナゲの花が咲き出してきました。ボリュームがあって、庭先を賑やかにしてくれます。


園内は木々の花のみならず、いろんな野の花が咲き出しています。この時期、随所にオオアマナ(大甘菜;ユリ科オオアマナ属)の星型の白い花が広がっていて、林床が白いじゅうたんのようになっていました。オオアマナに交じって黄色のタンポポの花がアクセントになっています。

ニュートンのリンゴの木の近くの草むらがシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の花の群生地になっています。白い花に交じった黄と青の模様は何とも幻想的です。シャガは一日花ですので、次々に咲き出してきます。

山野の林床に群生する多年草のヤマブキソウ(山吹草;ケシ科ヤマブキソウ属)が咲き始めました。鮮やかなヤマブキ色の花です。園内のカタクリ自生地の所が群生地になっています。

全国に分布する多年草のカキドオシ(垣通し;シソ科カキドオシ属)の小さな紫色の花を見つけました。隣接地から垣根を通して進入してくることからこの名が由来。

わが家の庭でタツナミソウ(立浪草;シソ科タツナミソウ属)を見つけました。青紫の花が同じ方向に並んだ花穂の姿が打ち寄せる波頭に似ていることから、この名が由来。葉先はぎざぎざしていますが、全体として葉の形が丸みを帯びてハート状です。
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