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2014年5月

2014年5月29日 (木)

健康イノベーションと革新センサーについて


 昨日、Facebook上で「あなたのイノベーション大募集」を見つけましたので、健康問題について自分の思うところを投稿しました。その投稿記事の内容を一部編集して紹介します。

 最近、「今後の生活習慣病の増大が膨大な医療費負担を生じさせる」といった論調のテレビ番組をよく見かけます。わが国の健全財政にとって大問題になりかねません。しかしよく考えてみれば、国民一人一人にとって長い人生を楽しく過ごすために健康維持は極めて大事なことですので、極端なことをいえば、国の財政がどうこう以前に、とにかく健康でありたいと願うのが人間の根源的な欲求です。従って、話は単純で国民が健康ライフを送ることができるようにすれば、結果的に国の財政も救われることになり、めでたく国民と国がWin-Win関係を築くことができます。

 そこで、健康に重大な影響をもたらす生活習慣病を予防する仕組みの提言がいろいろとなされています。例えば、各人から収集した健康データをビッグデータ化して、お医者さんの診察やテーラーメイド医療に活用するなどのビジネスモデルの議論が活発に行われています。この時に忘れてならないのが、各人の健康状態を「常時モニタリングするセンサーがまだ存在しない」という事実です。私たちは通常年1回の健康診断のデータを受けるだけなので、今は長い時間の中のほんの一瞬の健康状態の断面を見るだけなのです。例えば不整脈の発生は連続したデータがないと発見が不可能です。

 このため、私たちの日常生活の中で、非侵襲・非拘束のまま、そして試薬も使わずに「自然にさりげなく」健康データを取得できる革新センサーの出現が強く望まれています。このような「健康を透視する」革新センサーは、もちろん存在しません。この革新センサーの登場によって、初めて健康管理のビジネスモデルに魂が入ることになります。まさに、この革新センサーの開発こそが「健康イノベーションの神髄」です。相当な技術的ブレークスルーを必要とすることから、国の積極的な支援を期待したいと思います。


   [出典:社会課題対応センサーシステム先導研究HP)]



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2014年5月18日 (日)

緑濃く落ち着いた雰囲気の小石川植物園は初夏の花々


 5月中旬になり、気温が上がり少し汗ばむ陽気になってきました。周りの新緑が日に日に濃くなる中で、サクラ、ツツジが咲き競う華やかな時季が過ぎ、落ち着いた雰囲気を醸し出す小石川植物園です。園内ではしっとりとした初夏の花々をあちこちに見かけました。


 園内の日本庭園です。周りの緑の世界と調和し、しっとりと落ち着いた感じになってきました。


 バショウ(芭蕉;バショウ科バショウ属)の巨大な葉が青々と茂ってきました。昔の沖縄では女の人がこの大きな葉を切り出して、芭蕉布を織りました。今は伝統工芸品に指定されています。芭蕉布で織った着物は麻の布のような感触で、風通しもよく涼やかです。


 キソケイ(黄素馨;モクセイ科ソケイ属)の黄色の花です。ソケイとは芳香を放つジャスミンのことですが、キソケイは 白い花のジャスミン と違って、あまり香りはしません


 北米およびキューバが原産のカルミア(ツツジ科カルミア属)の中高木を見つけました。大きな花序が枝先にいくつも付いていました。一つ一つの花序をよく見ると、コンペイトウのような小さな花が凝集して咲いています。別名がアメリカシャクナゲで、繊細な感じがします。


 この時期はバラ科の花を多く見かけます。これはサクラバラ(桜薔薇;バラ科バラ属)で、うすピンク色の大きめのまだ盛んに咲いていました。あたりに甘い香りが漂ってきます。


 北海道から九州、朝鮮半島に分布する落葉低木のノイバラ(野茨;バラ科バラ属)の白い花もこの時期に咲いています。ノイバラはいわゆる野バラのことで、質素で野性味があります。


 このしっとりと落ち着いた黄色の花は、バラ科キジムシロ属の落葉低木キンロバイ(金露梅)です。盆栽などによく用いられています。白い花の品種をギンロバイ(銀露梅)とかハクロバイ(白露梅)と呼びます。



 中国南部、台湾が原産の常緑低木のシセンテンノウメ(四川天の梅;バラ科テンノウメ属)。山地の岩場に生育します。梅の花に似た小さな白い花が天の星のようであることからこの名が付いたとのこと。


 シロバナヤエウツギ(白花八重空木;ユキノシタ科ウツギ属)。ウツギの変異種で、わが国の山野に自生します。枝先に八重の白い花を咲かせます。


 アマギベニウツギ(天城紅空木;スイカズラ科タニウツギ属)が濃紅色の花を付けています。アマギベニウツギはその名のとおり、伊豆半島だけに自生します。同属の タニウツギ とよく似ています。


 アヤメ(菖蒲)の仲間の花も多くなりました。池の周りにはキショウブ(黄菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の黄色の花が寄り添って咲いていました。キショウブは湿地や水辺に繁殖します。


 この立派な薄紫色の花はイチハツ(一八;アヤメ科アヤメ属)の花です。イチハツは、アヤメの仲間の中で「いち早く咲く」のでこの名が付いたようです。


 園内の菖蒲田の様子です。アヤメの仲間の真打ちはハナショウブ(花菖蒲)ですが、これからです。6月になると、この菖蒲田の中に色とりどりのハナショウブの花が咲き競うようになります。


 園内の草むらでは、色んな野の花を見つけることができます。この黄色の花はクサノオウ(ケシ科クサノオウ属)です。あちこちの草むらに増えてきました。クサノオウは皮膚病の湿疹(くさ)を治す薬効があります。


 匍匐茎で広がったムラサキサギゴケ(紫鷺苔;ゴマノハグサ科サギゴケ属)が苔のように地面にへばりついていました。何とも面白い様子です。単にサギゴケともいう。


 カタバミの仲間の花々も随所に見かけます。ここではシロバナイモカタバミ(白花片喰;カタバミ科カタバミ属)とムラサキカタバミ(紫片喰;カタバミ科カタバミ属)が重なって生えていました。


 最後にわが家の庭の紹介です。北米原産のヒルザキツキミソウ(昼咲月見草;アカバナ科マツヨイグサ属)が盛んに咲いています。宵に咲くツキミソウと違って、昼間に開花します。1年前の買い求め鉢に植えて放っておいたのですが、今年も咲き出しました。丈夫な野草です。

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2014年5月 4日 (日)

みどりの日の神代植物公園、大勢の人が万緑を楽しむ


 好天が続く後半の大型連休、2日目のみどりの日は神代植物公園に出かけてきました。神代植物公園は東京都調布市にあって都立としては唯一の植物公園です。園内には約4,500種類、10万株の植物が植えられています。武蔵野の面影が残り、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができるようになっています。もともと東京都の街路樹などを育てるための苗圃だったのが、1961年に都内唯一の植物公園として開園したものです。


 深大寺門から入園したのですが、この日はみどりの日で無料公開になっていました。大勢の老若男女が万緑を楽しもうと集い、植物公園が大賑わいになっていました。本当はじっくりと散策したかったのですが。……


 深大寺門から入って数分の所にシンメトリックに設計された沈床式庭園があります。中央部の噴水の周りに花々が配置され、春バラは409品種5,200余本、秋バラは約300品種5,000余本が植えられています。春バラの盛りは5月下旬だそうで、今から開花が始まるところでした。正面の建物は大温室で、見事な眺望です。


 上の庭園の右側に長い藤棚が配置されていて、大勢の人が満開になった藤棚のフジ(マメ科フジ属)を楽しんでいました。無数の房状のフジの花が垂れ下がる様は圧巻です。


 シャクナゲ園では本当に多くの種類のシャクナゲの花が満開になっていて、見応えがあります。シャクナゲ(石楠花)は耐寒性常緑広葉樹で、ツツジ(躑躅)と同じくツツジ科ツツジ属に属します。ツツジと比べ、花が大きくゴージャス感があること、丸みを帯びた葉が厚く細長いことなどが特徴になります。


 武蔵野の古刹として知られる深大寺の裏山に当たる自然林です。クヌギ、コナラ、イヌシデ、エゴノキ、アカマツなどが茂る典型的な武蔵野の雑木林で、この時期は新緑に覆われていました。


 この時期はいろんな木々が花盛りで、見頃になっています。これはハクウンボク(白雲木;エゴノキ科エゴノキ属)です。大樹を見上げると満開になった白雲のような白い花で溢れていました。


 ハンカチノキ(ミズキ科ハンカチノキ属)には、白いハンカチのような花(実は花苞;花芽を保護する葉)がひらひらと舞っていました。このハンカチノキは1991年に公園の開園30周年を記念して植えられたとのこと。


 トチノキ(栃の木;トチノキ科トチノキ属)の花も見つけました。このトチノキの花はミツバチが好んで吸蜜に訪れ、養蜂の重要な蜜源植物になっています。しかし、近年トチノキが多い森林は減少し日本の養蜂に大きな打撃を与えているとのことです。また、栃の実は縄文時代から重要な食料で、どんぐりなどとともに主食の一部だったそうです。


 トチノキの近縁種のベニバナトチノキ(紅花栃の木;トチノキ科トチノキ属)がピンク色の花を付けていました。ベニバナトチノキは赤花トチノキと西洋トチノキ(マロニエ)との交配種です。


 公園の塀沿いに初夏の風物詩のウツギ(空木;ユキノシタ科ウツギ属)の白い花が咲き連なっていました。ウツギは全国に広く分布する落葉低木で、「夏は来ぬ」の小学唱歌の卯の花のことです。


 珍しい野の花も見かけました。これは日本原産のエビネ(海老根;ラン科エビネ属)。地下茎の様子が海老に似ていることが名の由来です。昨日、皇居東御苑でエビネの近縁種のキエビネを見つけました。


 川岸の湿った草地や原野などに生えるチョウジソウ(丁字草;キョウチクトウ科チョウジソウ属)。うす青紫色の清楚な感じの花が咲いていました。絶滅危惧種に指定されています。


 ひっそりと林地にたたずむホウチャクソウ(宝鐸草;ユリ科チゴユリ属)。宝鐸(ほうちゃく)とは寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた飾りのことで、花が垂れ下がって咲く姿がこの宝鐸に似ることが和名の由来です。近縁種のチゴユリを昨日、皇居東御苑で見つけました。


 タツナミソウ(立浪草;シソ科タツナミソウ属)の小さな口唇形の花が咲いていました。青紫の花が同じ方向に並んだ花穂の姿が打ち寄せる波頭に似ています。葉先はぎざぎざしていますが、全体として葉の形が丸みを帯びてハート状です。地下茎を伸ばして増えていきます。

 今回はあいにく混雑の中の散策になってしまいましたが、次は普通の日にじっくりと植物公園を探索してみたいと思っています。
    …> 季節のスケッチ「26年5月」

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2014年5月 3日 (土)

皇居東御苑の雑木林でチゴユリ、ギンランなどの新たな野草を見つける


 後半の大型連休も好天に恵まれました。今年は近場で楽しむことにして5月3日の憲法記念日は皇居東御苑へ出かけてきました。
 東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして四季折々の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。
 今まで何回か訪れていますが、この日は二の丸雑木林でチゴユリ、キンラン、ギンランなどの新たな野草を見つけたのが大きな収穫でした。高台の所の本丸地区では、家族連れがくつろいぐ大きな芝生が広がっています。また、珍しいバラが集まるバラ園には多くの人が集まっていました。


 東御苑の二の丸庭園です。色とりどりのツツジの花が目を引きました。後方の大手町の高層ビル群が庭園の背景になっています。


 庭園の一角にたたずむ諏訪の茶屋の前の草地にシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の花が群生していました。



 庭園の二の丸池の周りは散策コースになっています。池の水面からポツンポツンとヒメコウホネ(スイレン科コウホネ属)の黄色の花が突き出ていました。


 鮮やかな赤紫色のシラン(紫蘭;ラン科シラン属)が池の周りの所々に配置されています。


 池の端の部分にリュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)を見つけました。輝くような黄金色の花を咲かせていました。


 二の丸池に隣接して雑木林が造られていて、この時期は新緑で覆われています。この雑木林は山野草の宝庫になっています。この日は新たな野の花を見つけることが出来、感激しました。


 林床にひっそりと咲くチゴユリ(稚児百合;ユリ科チゴユリ属)を初めて見ました。名前の通り、可愛らしく小さな白い花です。横に伸びる地下茎で増えます。


 雑木林の中で、キンラン(金蘭;ラン科キンラン属)の花が一輪だけ咲いていました。多くのラン科植物は、落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌に依存するが、キンランが依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌であることから、人工的な栽培がきわめて困難とされています。


 白い花のギンラン(銀蘭;ラン科キンラン属)もキンランと同属になりますが、数多くの株を見つけました。キンランもギンランも日本の野生ランですが、乱獲などもあって絶滅が危惧されるようになっています。


 山林に分布するフタリシズカ(二人静;センリョウ科センリョウ属)が2本の穂状の白い花序をつけていました。同属のヒトリシズカは、先月箱根の湿生花園で見つけたばかりです。


 本丸の天守台。江戸城天守閣がこの天守台の上に建っていました。大勢の人が天守台に上り下りしています。前方に広がる大芝生では家族連れなどが自由にくつろぐことが出来るようになっています。


 本丸のバラ園には日本のバラの野生種が主に植えられています。これは近代バラ、現代バラの原種の一つといわれるコウシンバラ(庚申薔薇;バラ科バラ属)。四季咲きで、枝先に1個から数個の花を付けます。


 これは常緑つる性低木のモッコウバラ(木香薔薇;バラ科バラ属)。バラ特有の刺が無く小ぶりの八重咲きの花をびっしりと付けます。


 落葉樹林の林床に生育する常緑の多年草のキエビネ(黄海老根;ラン科エビネ属)が鮮やかな黄色い花を付けています。同属のエビネより大ぶり。「エビネ」の名は、地下茎が横に連なって海老のように見えることに由来します。


 赤紫色のレンゲソウ(蓮華草;マメ科ゲンゲ属、別名はゲンゲ)の花も咲いていました。中国原産でかつては水田に緑肥として栽培されていました。現在、レンゲの花の蜜は、良質の蜂蜜の源となる蜜源植物として利用されています。


 平川門への帰り道、草むらでマツヨイグサ(待宵草;アカバナ科マツヨイグサ属)を見つけました。どこか文学的な香りがする可憐な花です。夕方(宵)を待って咲くことからこの名が由来。

 皇居東御苑は広大で、まだまだ「未知の花々」との遭遇がありそうです。何回でも訪れてみたい所です。

  …> 季節のスケッチ「26年5月 皇居東御苑」

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