7月下旬の小石川植物園、緑濃い佇まいの中で橙色のワスレグサの花々がにぎやか
今年の海の日を含む3連休は梅雨明け前で天気が不安定なため、遠出はせずすぐ近くの小石川植物園に出かけてきました。植物園は6月上旬以来の久しぶりの散策になりました。この時季の園内は、すっかり深緑の世界に変貌していましたが、この中で鮮やかなオレンジ色のワスレグサの花々が目立っていました。以下、植物園の7月下旬の様子を紹介します。


久々の小石川植物園の散策でしたが、春の新緑がいつの間にかすっかり緑濃い佇まいに変貌していました。日中の気温はさほどではなかったのですが、蒸した天気で夕刻には東京地方が激しい雨に見舞われてしまいました。

最近、霧ヶ峰や尾瀬ヶ原、日光霜降り高原などの夏山に咲くニッコウキスゲのニュースをよく目にしますが、植物園にも咲いています。ニッコウキスゲはユリ科の多年草ゼンテイカ(禅庭花;ユリ科ワスレグサ属)の別名です。 葉がカサスゲ(笠萓)に似ています。木々の深緑の世界の中で鮮やかなオレンジ色の花が目を引きます。

同じワスレグサ属で中国原産のヤブカンゾウ(藪萱草)を園内の随所で見かけます。八重咲きで濃いオレンジ色が特徴でよく目立ちます。ヤブカンゾウは林地や池辺などに野生化していて、匍匐茎を出して拡がります。ワスレグサの和名は、この花を見て憂いを忘れるという中国の故事に基づくとのこと。

美しいオニユリ(鬼百合;ユリ科ユリ属)の花。やはり鮮やかなオレンジ色の中に点々とした黒い斑点を有する大きな花は迫力があります。花がうつむいて咲く様子を天蓋に例え、「テンガイユリ」の別名が付いています。

質素な感じのミソハギ(ミソハギ科ミソハギ属)の花ですが、この花を見ると夏を実感します。ミソハギの花はお盆の頃に仏前に供えられるのでボンバナ(盆花)とも言われます。

ヒマワリの仲間の多年草シカクヒマワリ(四角向日葵;キク科テトラゴノセカ属)。草丈が高く小柄の黄色の花が多数立ち並んで咲いていてよく目立ちます。シカクヒマワリは茎の断面が四角なことが名の由来のようです。

北米原産の多年草キクイモモドキ(菊芋擬き;キク科キクイモモドキ属、別名ヒメヒマワリ)。小さ目の黄色の花が群れて風にたなびいていました。モドキの付く名よりも別名のヒメヒマワリの名前の方がはるかに良いと思います。

夏の花木も咲き始めました。これは炎暑の夏を延々と咲き続けるキョウチクトウ(夾竹桃 キョウチクトウ科キョウチクトウ属)。中国原産の常緑低木で、赤花と白花があります。夾竹桃の名は、葉の形状が竹に似て狭く、花が桃に似ていることから由来します。

関東以西に分布する落葉低木ハマボウ(アオイ科フヨウ属)の黄色の花です。花芯の濃いエンジ色がアクセントになっているしっとりとした美しさを感じさせます。ハイビスカスやムクゲ、フヨウなどと同じフヨウ属の仲間です。


ムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)も代表的な夏の花木です。いろんな色合いのムクゲの花が園内の随所に見かけます。ムクゲは風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。ムクゲの花を見ると、英国のウィンザー城で風にたなびいていたのがいつも思い出されます。

夏の野の花です。繊細なカワラナデシコ(河原撫子;ナデシコ科ナデシコ属)の花が群生していました。カワラナデシコは単にナデシコとも呼ばれ、秋の七草の一つになります。7月頃から秋にかけて花を咲かせます。

ヨーロッパ原産の多年草のハナハッカ(花薄荷;シソ科ハナハッカ属)の薄い赤紫色の花が凝集して咲いていました。ハナハッカはミントに似た刺激臭とピリッとした辛味があり、殺菌作用、鎮静作用などがあります。スパイスとして肉・魚の料理の風味づけにも用いられます。

山地の林の中などに生える多年草ヤブミョウガ(藪茗荷;ツユクサ科ヤブミョウガ属)の白い花が群生していました。葉の形がミョウガに似ていることからヤブミョウガの名がついたとのこと。


わが家の庭にも、ムクゲやサルスベリなどの夏の花木が咲き出してきました。

室内に観葉植物のスパティフィラム(サトイモ科スパティフィラム属)を買い求めてきました。小柄の緑葉と白い仏炎苞の組み合わせがしゃれた感じです。
さて、梅雨明けが間近になってきました。これから夏本番で猛暑が続くようですので、熱中症などに注意してくれぐれもご自愛下さい。
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