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2014年7月

2014年7月21日 (月)

7月下旬の小石川植物園、緑濃い佇まいの中で橙色のワスレグサの花々がにぎやか


 今年の海の日を含む3連休は梅雨明け前で天気が不安定なため、遠出はせずすぐ近くの小石川植物園に出かけてきました。植物園は6月上旬以来の久しぶりの散策になりました。この時季の園内は、すっかり深緑の世界に変貌していましたが、この中で鮮やかなオレンジ色のワスレグサの花々が目立っていました。以下、植物園の7月下旬の様子を紹介します。



 久々の小石川植物園の散策でしたが、春の新緑がいつの間にかすっかり緑濃い佇まいに変貌していました。日中の気温はさほどではなかったのですが、蒸した天気で夕刻には東京地方が激しい雨に見舞われてしまいました。


 最近、霧ヶ峰や尾瀬ヶ原、日光霜降り高原などの夏山に咲くニッコウキスゲのニュースをよく目にしますが、植物園にも咲いています。ニッコウキスゲはユリ科の多年草ゼンテイカ(禅庭花;ユリ科ワスレグサ属)の別名です。 葉がカサスゲ(笠萓)に似ています。木々の深緑の世界の中で鮮やかなオレンジ色の花が目を引きます。


 同じワスレグサ属で中国原産のヤブカンゾウ(藪萱草)を園内の随所で見かけます。八重咲きで濃いオレンジ色が特徴でよく目立ちます。ヤブカンゾウは林地や池辺などに野生化していて、匍匐茎を出して拡がります。ワスレグサの和名は、この花を見て憂いを忘れるという中国の故事に基づくとのこと。


 美しいオニユリ(鬼百合;ユリ科ユリ属)の花。やはり鮮やかなオレンジ色の中に点々とした黒い斑点を有する大きな花は迫力があります。花がうつむいて咲く様子を天蓋に例え、「テンガイユリ」の別名が付いています。


 質素な感じのミソハギ(ミソハギ科ミソハギ属)の花ですが、この花を見ると夏を実感します。ミソハギの花はお盆の頃に仏前に供えられるのでボンバナ(盆花)とも言われます。


 ヒマワリの仲間の多年草シカクヒマワリ(四角向日葵;キク科テトラゴノセカ属)。草丈が高く小柄の黄色の花が多数立ち並んで咲いていてよく目立ちます。シカクヒマワリは茎の断面が四角なことが名の由来のようです。


 北米原産の多年草キクイモモドキ(菊芋擬き;キク科キクイモモドキ属、別名ヒメヒマワリ)。小さ目の黄色の花が群れて風にたなびいていました。モドキの付く名よりも別名のヒメヒマワリの名前の方がはるかに良いと思います。


 夏の花木も咲き始めました。これは炎暑の夏を延々と咲き続けるキョウチクトウ(夾竹桃 キョウチクトウ科キョウチクトウ属)。中国原産の常緑低木で、赤花と白花があります。夾竹桃の名は、葉の形状が竹に似て狭く、花が桃に似ていることから由来します。


 関東以西に分布する落葉低木ハマボウ(アオイ科フヨウ属)の黄色の花です。花芯の濃いエンジ色がアクセントになっているしっとりとした美しさを感じさせます。ハイビスカスやムクゲ、フヨウなどと同じフヨウ属の仲間です。



 ムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)も代表的な夏の花木です。いろんな色合いのムクゲの花が園内の随所に見かけます。ムクゲは風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。ムクゲの花を見ると、英国のウィンザー城で風にたなびいていたのがいつも思い出されます。


 夏の野の花です。繊細なカワラナデシコ(河原撫子;ナデシコ科ナデシコ属)の花が群生していました。カワラナデシコは単にナデシコとも呼ばれ、秋の七草の一つになります。7月頃から秋にかけて花を咲かせます。


 ヨーロッパ原産の多年草のハナハッカ(花薄荷;シソ科ハナハッカ属)の薄い赤紫色の花が凝集して咲いていました。ハナハッカはミントに似た刺激臭とピリッとした辛味があり、殺菌作用、鎮静作用などがあります。スパイスとして肉・魚の料理の風味づけにも用いられます。


 山地の林の中などに生える多年草ヤブミョウガ(藪茗荷;ツユクサ科ヤブミョウガ属)の白い花が群生していました。葉の形がミョウガに似ていることからヤブミョウガの名がついたとのこと。



 わが家の庭にも、ムクゲやサルスベリなどの夏の花木が咲き出してきました。


 室内に観葉植物のスパティフィラム(サトイモ科スパティフィラム属)を買い求めてきました。小柄の緑葉と白い仏炎苞の組み合わせがしゃれた感じです。

 さて、梅雨明けが間近になってきました。これから夏本番で猛暑が続くようですので、熱中症などに注意してくれぐれもご自愛下さい。

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2014年7月 7日 (月)

RIMS研究開発プロジェクトのスタート


 このたび新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業において、技術研究組合NMEMS技術研究機構(以下NMEMS組合)が提案した「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム(RIMS)の研究開発」が採択されました。

 今後、東京大学、京都大学、 産業技術総合研究所、東芝、大日本印刷、富士電機、三菱電機、NTTデータ、マイクロマシンセンター、大日本印刷及び日本ガイシの産学の各機関が結集してNMEMS技術研究機構に社会インフラ研究センターを設置し、本年度から5年間に亘り研究開発を進めていくことになります。
       [研究開発の概念図]


 本研究開発は従来の点検技術を補完し、無線センサネットワークを活用して道路インフラの状態を常時・継続的・網羅的に把握することを可能とし、さらには容易にアクセスできない場所のモニタリングや災害等の突発事象への対応や、大規模インフラのモニタリングにも適用可能な技術開発を目指し、本年度から5年間に亘り研究開発を進めていきます。


(参考)
 → RIMSプロジェクトの概要
 → ブログ記事


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UCoMS研究開発プロジェクトがスタート


 先日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業において、マイクロマシンセンター、産業技術総合研究所、明星電気、沖電気工業および高砂熱学工業から成る産官連携グループが提案した「ライフラインコアモニタリングシステム(UCoMS)の研究開発」が採択されました。

 今後、上記の産官連携グループが連携して研究を進める研究体(研究コンソーシアム)を構築し、本年度から2018年度までの5年間に亘り都市機能を支えるライフライン系の都市インフラの保全に資するライフラインコアモニタリングシステム(UCoMS:Utility Infrastructure Core Monitoring System)の研究開発を推進していくことになります。

         [研究開発概念図]


 本テーマは社会・産業インフラ維持管理・更新等の重要な社会課題の一つである都市機能を支えるライフライン系の都市インフラ(電気、ガス、上下水道、情報、エネルギー)の安全な保全のためのセンサーモニタリングシステムの研究開発を実施するもので、特にライフラインの心臓部にあたるモーター、ポンプ、コンプレッサー等の動力機械に焦点を当てたコアモニタリングに取り組むこととしています。


(参考)
 → UCoMSプロジェクトの概要
 → ブログ記事


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2014年7月 6日 (日)

行田市の古代蓮の里で10万株のハスの花が見頃を迎える


 7月に入って最初の日曜日は久しぶりの晴れの天気予報が出ました。そこで、10万株もの古代の蓮の花が見頃を迎えているという行田市の古代蓮の里の公園を訪れることにしました。ハスの花は早朝に開花しますので、早々に家を出発し現地には9時頃に到着しました。

 東北自動車道の加須ICで降りて、古代蓮の里まで車で約15分。まだ午前の早い時間でしたが、既に大勢の人で賑わっていました。

 ここ行田市の古代蓮の里一帯は、かつてたくさんの水生植物が茂る湿地帯で、このとき咲いていた蓮の実が地中深くもぐって長い長い眠りについていたとのことです。ところが、昭和48年の近くの公共施設の造成工事で1400年以上前の地層から偶然掘り出された種が自然に発芽し池に開花しているのが発見されたそうです。地中深く眠っていた多くの蓮の実が出土し、自然発芽して一斉に開花した事は極めて珍しいことといわれています。





 行田市の天然記念物に指定されている古代蓮(行田蓮)は原始的な形態を持つ1400年~3000年前の蓮で、現代の蓮より花びらの枚数が少なく、大きいのが特徴です。

 蓮(ハス科ハス属)は大きな楯型の葉と天を向いて咲く大きな美しい花が幻想的で、いつもその見事さに感動します。仏教では極楽浄土を象徴する花として蓮華ともいいます。このような神秘的な美しさを秘めた古の蓮の花が公園一帯に無数に咲きそろっているのですから、思わず固唾を飲んでしまいます。まるで天上の世界を散歩しているかのようでした。


 この時期、公園は古代蓮で覆われている感がありますが、水生植物園では蓮以外の花も幾つか見かけました。この小柄の白い花はヒツジグサ(未草;スイレン科スイレン属、漢名は睡蓮)です。睡蓮の葉に切れ目が入っているのが特徴です。


 アサザ(浅沙;ミズガシワ科アサザ属)の黄色の花も水面に立ち並んでいました。アサザは浮葉性植物で、地下茎をのばして生長し、スイレンに似た切れ込みのある浮葉をつけます。ジュンサイと同様に茎と新芽を食用にするため、花ジュンサイとも呼ばれます。


 熱帯アメリカ原産のの水生植物ホテイアオイ(布袋葵;ミズアオイ科)のうす紫色の花が咲いていました。葉の基部が膨らんでいて七福神の布袋様のお腹に似ていることからこの名が由来。花がきれいなので主に観賞用として世界各地に導入されましたが、繁殖力が旺盛で川や池沼を被い、アフリカでは船の行き来やダムによる水力発電を妨げるなどの害をもたらし、今では世界十大害草のひとつとされています。


 公園内の散策路にヤブカンゾウ(薮萓草;ユリ科)の鮮やかなオレンジ色の花を見つけました。ヤブカンゾウは八重咲きで、日光キスゲ、ノカンゾウ(野萓草)、ハマカンゾウ(浜萱草)などと同じユリ科の仲間。数日花なのでワスレグサの別名があります。


 白花のアガパンサス(ユリ科アガパンサス属)も咲いていました。多くの花が放射状に集まり、全体が球形に見えます。アフリカ原産のアガパンサスにはムラサキクンシランの和名が付いていますが、クンシラン(ヒガンバナ科クンシラン属)とは全く違う種類です。


 同じ散策路にネムノキ(合歓木;マメ科ネムノキ属)の花が樹木いっぱいに付いていました。一つ一つの花をよく見ると、幻想的な美しさを感じます。夜になると葉が眠ったように閉じてしまうことからネムノキの名が由来するとのこと。

 古代蓮の里の後は、近くのみかも山公園まで足を伸ばしてきました。みかも山の風景は、古代蓮の里の風景と合わせて季節のスケッチ(26年7月)にてご覧下さい。


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2014年7月 1日 (火)

環状2号線の上の新しい都市空間:虎ノ門ヒルズ


 7月に入りました。今年の梅雨は本格的で、梅雨前線が本土から南下したり戻ったりして、ぐずついた天気が続いています。平年の梅雨明け(関東甲信越)は7月21日頃とのことですが、今年はいつになるのでしょうか。梅雨明け後の夏の天気ですが、当初エルニーニョ現象が発生しているため冷夏になるとの予報がありましたが、その後予報が修正され平年並みの暑い夏になるようです。私としては、鬱陶しい梅雨が早く明け、暑い夏も早く過ぎて、一気に爽やかな秋の到来を待ち望むといった心境です。

 さて、先日の日曜日(6月29日)は天気が晴れてきましたので、先日オープンしたばかりの虎ノ門ヒルズまで出かけてきました。



 虎ノ門ヒルズは東京のど真ん中の港区虎ノ門にあり、2014年6月11日に開業したばかりの超高層ビルで、オフィスの他にホテル(アンダーズ東京)、住居などが入った複合施設となっています。

 注目すべき点は、ビルの地下に幻のマッカーサー道路といわれる環状2号線(この付近は新橋と虎ノ門を結んでいるので「新虎通り」の愛称で呼ばれる)が走っていることです。当初からビルと道路を一体開発しているのが大きな特徴になっており、道路上に巨大な都市空間が生み出されたことになります。


 虎ノ門ヒルズの真下から見上げるとさすがに高い。巨大なモニュメントです。建物の高さは247mで、都内ではは東京ミッドタウン(248m)に次ぎ2番目に高い建物だそうです。


 ビルの1階から4階までが虎ノ門ヒルズの表情を彩るショップやレストランの商業店舗になっています。上方からの落下物を防止する意味もあってでしょうか大きな透明の屋根が張られています。周りは心地よい緑地が広がっています。
 この日はちょうど昼時だったのですが、あいにくどのレストランも長蛇の列。結局ここでの食事を諦めて汐留でランチをしてきました。


 タワー1階の車寄せロビーには、長さ約27m、5分割の巨大な油彩画のアートが展示されていました。変化する緑色をベースに様々な色彩がその上を水のように流れ、日本の四季が感じられるようになっています。


 このビルのマスコットキャラクター「トラのもん」の立体模型です。あの有名な『ドラえもん』の藤子・F・不二雄プロと共同制作したとのことで、100年後からタイムマシンでやってきたネコ型ビジネスロボットという設定だそうです(誕生はドラえもんのちょうど百年前))。姿はドラえもんそっくりですがビルをイメージした白黒のトラ縞とか獣耳があります。入り口に近い吹き抜け部分に置かれていて、来館者の人気者になっていました。

  …> 季節のスケッチ(26年7月)

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