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2014年9月 7日 (日)

9月の花は真紅に燃えるヒガンバナ


(デング熱騒動)
 9月に入って暑さが納まってきましたが、蚊を感染媒介とするデング熱騒動が収まる気配がありません。感染場所とみられる都立代々木公園で採取した蚊から、デングウイルスが検出されたことを受け、代々木公園が閉鎖されました。さらに、新宿中央公園、神宮外苑、外濠公園などの蚊に刺された感染者が出て、波紋が広がっています。

 ただ、デング熱の症状を調べてみると一過性の熱性疾患であり、重症化することはあまりないようです。症状的には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛など、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含むとのこと。西アフリカのエボラ出血熱のイメージと重なって、大騒ぎになってしまった感があります。

 私にとって困ったことには、植物園に行きづらくなったことです。新宿御苑は閉鎖になったようです。また、小石川植物園は閉園になっていませんが、窓から園内の様子を覗いてみると、散策している人が皆無です。長袖、長ズボンの服装で虫除け器を持参すれば大丈夫かと思うのですが、万一の場合のことを考えた場合、植物園訪問をためらってしまいます。こんなわけで、今回はこれまでの季節のスケッチのコンテンツを用いて記事をまとめることにしました。

(季節の花ヒガンバナの紹介)

 9月になると次第に暑さも収まり、野山に咲く秋の花々を楽しむことが出来るようになります。いろんな秋の花々の中で、今回は妖しく真紅に燃えるように咲き出すヒガンバナ(彼岸花)を紹介します。

 ヒガンバナにはその美しさ、妖しさ等からいろんな呼び名があります。曼珠沙華(まんじしゃげ)の呼び名が有名ですが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花ということです。一方、わが国ではちょうど彼岸の時期に咲くことから、死人花、幽霊花などの異名が付いています。


 小石川植物園では、林地の林床部の草むらをはじめとして園内随所に真紅に燃えるようなヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花々が数多く咲き出します。毒花、痺れ花の呼び名もあるヒガンバナは全草有毒なのですが、アゲハには無毒のようです。ヒガンバナの蜜が大好物で、舞いながら花から花へと次々に巡り回っていきます。


 ヒガンバナは赤花が大部分ですが、少しだけ白いヒガンバナも咲いています。白花曼珠沙華ともいいます。


 ヒガンバナは昔から墓地に植えられ、故人を弔うための花といった感じもします。この写真は、かつて親が亡くなった直後に植物園で撮ったものです。故人の霊が宿るようなヒガンバナと、その後方に仏像群のように見えるラクウショウ(落羽松)の気根の組み合わせに不思議な符号を感じました。




 この時期、植物園のいろんな所にヒガンバナを見かけます。まさに9月の花と言えます。
 ヒガンバナはその生長サイクルも独特です。すなわち、1週間ほどで花も茎も枯れてしまった後、球根から緑の葉がすくすくと伸びてきます。そして、翌年の春までしっかりと光合成をして球根に栄養をため込み、夏を迎える頃には、葉を枯らして休眠期に入ります。やがて秋の彼岸の頃に、再び地表に姿を現して、真っ赤な花を咲かせます。



 奥武蔵にある日高市の巾着田(きんちゃくだ)はヒガンバナの群生地として有名です。巾着田とは日高市内を流れる高麗川の蛇行により長い年月をかけて形成され、その形が巾着の形に似ていることから、そのように呼ばれています。かって訪れた時には面積約22ヘクタールの川に囲まれた巾着田の平地が、ちょうど赤い絨毯を敷き詰めたように一面が満開の彼岸花で真紅に染まっていました。あまりの美しさに息をのんだものです。この地は水田の休耕田でしたが、地元では彼岸花、菜の花、コスモスの種蒔き、球根手入れや草刈りを丁寧に行って整備しているとのことでした。


 皇居東御苑でも見かけました。典雅な感じの数寄屋風の書院茶室で、二の丸庭園に建つ諏訪の茶屋の前の草地に、紅白のヒガンバナが咲いていました。この他土手などにも咲いています。


 次にヒガンバナの近縁種を紹介します。これはナツズイセン(夏水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の淡桃色の花です。林地の茂みに8月に見かけます。水仙の名を含んでいますが、水仙よりも彼岸花に似ています。


 林地の涼しい所に見かける橙色のキツネノカミソリ(狐の剃刀;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花。やはりヒガンバナの同属で、8月に咲きます。面白い和名がですが、春先の伸びた葉をキツネの剃刀にたとえ、この名が付いたとのことです。


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