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2014年11月

2014年11月22日 (土)

11月下旬の小石川植物園は皇帝ダリア、木々の紅葉などが見どころ


 アベノミクスの信を問う衆議院解散がなされた11月下旬の3連休の初日、小石川植物園を廻ってきました。

 ポカポカ陽気の好天気に恵まれ、大勢の人が晩秋の野趣を楽しんでいました。園内では悠々とそびえ立つ皇帝ダリアや大振りのグランサムツバキ等のこの時季ならではの花々が咲き誇っていました。また、木々の紅葉・黄葉はかなり進んできて、青空に映える晩秋の輝きは見応えがありました。


 この時季に目を引くのはダリアの原種といわれるコダチダリア(木立ダリア;キク科ダリア属)です。草丈が3~4メートルにも達するコダチダリアが、皇帝ダリアの別名のとおり、悠然と青空にそそり立ち、優雅な花をたなびかせていました。この頃、各地から皇帝ダリア開花のニュースが飛び込んできます。


 メタセコイア林(後方の黄色)のすぐ隣にグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属;中国名は大苞白山茶)の白い大輪の花が多数咲いていました。グランサムツバキは1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられたそうです。


 ツバキ属の世界では、先月からサザンカ(山茶花)が咲き出していますが、やや遅れてカンツバキ(寒椿)の赤紫色の花も見かけるようになってきました。このカンツバキには獅子頭の品種名が付いています。年が明け春を迎えるとツバキの花が咲き出します。


 園内の日本庭園に造られた池。この落ち着いたたたずまいの風景にはドウダンツツジの紅葉や木々の黄葉が随所に交じっています。


 日本庭園の手前の池辺も晩秋の風景です。イタリアヤマナラシいわゆるポプラの木の黄葉や褐色に染まるラクウショウの紅葉が後方に見えます。



 イロハモミジの並木径ではまだら模様で紅葉が始まっていました。紅葉の所に近づいて見るとキレイに色づいていました。この並木径はやがて真っ赤に染まってきます。春になると緑のトンネルに変貌します。


 精子発見で有名なイチョウの大樹の見事な黄葉。かつて平瀬作五郎博士が、この大イチョウを観察して動く精子を発見し、世界的に有名な研究業績になりました。イチョウの精子発見の1896年の頃はソテツの精子も発見され、当時は文化・政治などあらゆる面で西洋に学び、追いつこうとした意気盛んな時代でした。


 小振りなシダレザクラ(枝垂れ桜)の紅葉です。まるで黄金色の衣を纏っているかように幻想的な風景でした。シダレザクラはエドヒガンの園芸品種で枝が長く垂れるのが特徴です。春には上品な白い花が美しく枝垂れます。


 植物園の周囲の塀の近くに生える野性的なヤマザクラ。無数の細かい黄葉が青空に舞っていました。


 モミジ、カエデとともに山の紅葉の代名詞になっているハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)が美しく紅葉していました。四国・九州・小笠原・琉球などの温暖な場所に生育する落葉高木です。ハゼノキの房状の実からロウを採取、和ロウソクやクレヨンなどに利用されます。


 ナンキンハゼ(トウダイクサ科ナンキンハゼ属)の無数の紅葉が青空の中でキラキラと美しく輝いていました。枝に付いているナンキンハゼの実は種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 園内には巨木が立ち並んでいますが、これらの巨木の紅葉・黄葉も壮観です。これはスズカケノキ科の落葉高木のアメリカスズカケノキです。黄色、橙色、褐色と色とりどりに染まっていて空中を舞っているようですが、かなり落葉が進んできました。


 ユリノキ(百合の木;モクレン科)の黄葉も鮮やかです。枝先をよく見ると、百合の花やチューリップに似た花の名残が視認できます。


 ミズメ(カバノキ科カバノキ属)の黄葉を初めて見かけました。ミズメはアズサ(梓)とも呼ばれ、本州の岩手県以南、四国、九州に分布します。樹皮を傷つけると、水のような樹液が出ることが和名の由来。また、樹皮や材観がサクラに似ていることから、ミズメザクラ(水目桜)とも呼ばれます。


 カエデ科カエデ属の落葉高木ハナノキ(花の木)の見事な黄葉も初めてでした。ハナノキは日本固有種で、長野、岐阜、愛知の県境を流れる木曽川流域の山間湿地に自生します。このハナノキは葉が出る前に樹冠が赤い花でいっぱいになるとのこと。来年はその時期を狙って、出かけて見たいと思います。


 ラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマスギ属)が鮮やかな褐色に紅葉していました。ラクウショウは水湿地に生育し、気根を有する落葉針葉樹です。


 陽光に透かした木の葉の彩りも楽しみになります。これは中国原産のニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)で、街路樹や庭園樹に用いられています。ニッサボクの紅葉は美しく、ニシキギ(錦木) 、スズランノキ(鈴蘭の木;ツツジの仲間)と共に世界三大紅葉樹の一つともいわれます。


 美しいシダレカツラ(枝垂れ桂)の黄葉です。シダレカツラはカツラの変種で、多数の細い枝が枝垂れています。数百年前に岩手県の早池峰山山麓で発見され、その後各地に広まったとのこと。盛岡市の木にも指定されています。


 トサミズキ(土佐水木; マンサク科トサミズキ属)の黄葉もキレイでした。陽光の中で葉脈が浮き出ています。トサミズキは春先に小さな黄緑色の花を一斉に開花させ、5月頃には緑葉が楽しめます。


 ツタ(蔦)の仲間のナツヅタ(夏蔦;ブドウ科ツタ属)を見かけました。ナツヅタは秋に紅葉し冬に落葉します。木の幹の部分に付着して生育しています。

 来月は師走選挙があって慌ただしい時局になりそうです。ようやく復活が始まったわが国経済の再生への道のりが頓挫しないことを切に願っています。

 詳しくは …> 季節のスケッチ(26年11月)

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2014年11月12日 (水)

SIP畜産センサプロジェクトがスタート


 先日、マイクロマシンセンターが参画する畜産センサ研究コンソーシアムがSIP (戦略的イノベーション創造プログラム)へ提案した「生体センシング技術を活用した次世代精密家畜個体管理システム(SIP畜産センサプロジェクト)」が採択されました。今後は研究コンソーシアムが主体となり、2018年度まで研究開発を行うこととなります。

     [研究開発の概念図]


 具体的には2014年から2018年までの5年間で、以下の最終目標を設定して研究開発を進めていきます。

1)繁殖成績向上のための精密個体管理システムの開発
◦センサシステムを用いた授精適期判定による人工授精の受胎率を70%とする。
◦周産期管理の改善により分娩間隔を20日以上短縮する。

2)高度飼養管理と生産病防除のための精密個体管理システムの開発
◦センシシステムを用いた生産病の早期診断技術を開発する。
◦センサシステムを用いた生産病の治療費の半減効果を実証する。


(参考)
 → SIP畜産センサプロジェクトの概要
 → ブログ記事


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2014年11月 9日 (日)

皇居東御苑も、晩秋の気配が深まる


 先の3連休の最終日(11/3)に晩秋の気配漂う皇居東御苑を訪ねてきました。苑内は紅葉・黄葉、色づいた木々の実など晩秋の風景が随所に見られました。また、フユザクラ、キチジョウソウ、ツワブキ等の季節の花々も見かけました。→ 苑内案内図


 二の丸庭園の一角にたたずむ諏訪の茶屋。入口付近にナンテンの赤い実が見られ、この時季の風情が漂っていました。


 今回も平川門から入苑しました。堀端の桜の木も紅葉が始まっています。


 天守閣がそびえていた天守台も晩秋の風情です。相変わらず天守台に上る人が多い。


 見事なガマズミ(莢蒾;スイカズラ科ガマズミ属)の赤い実です。初夏に白い花を咲かせます。ガマズミは焼酎に漬けた果実酒用や観賞用の庭木として用いられます。


 真っ赤なクコ(枸杞;ナス科クコ属)の実を見つけました。クコは、ビタミンB1、B2、Cのほかにルチン、ベタインを豊富に含んでいて、薬効があり、クコ茶やクコ酒などに用いられます。


 苑内にはいろんなクマツヅラ科ムラサキシキブ属の木々が実を付けていました。これは落葉中低木のムラサキシキブで、美しい紫色に色づいた実がたわわに付いていました。


 ムラサキシキブを小振りにしたようなヤブムラサキ。低木で、木の実も小粒です。


 シロミノコムラサキ。コムラサキの白い実の変種になります。


 バラ科リンゴ属の落葉低木のヒメリンゴ(姫林檎)に小さな赤い実が沢山付いていました。リンゴを小さくしたような果実は食用としては不向きなので、主に観賞用樹木や盆栽として利用されています。


 ハゼノキの紅葉も始まっていました。緑の木々の中でよく目立ちます。



 清楚なフユザクラ(冬桜)の花が咲いていました。フユザクラは、マメザクラと他のサクラとの交配種。開花は10月くらいからポツポツと咲き出し、12月には満開になります。


 チャ(茶;ツバキ科)の白花が咲いていました。この場所は、かつて江戸城で刃傷沙汰があった松の廊下跡になるそうです。


 家に植えておいて花が咲くと縁起がよいといわれるキチジョウソウ(吉祥草;スズラン亜科)が、野草の島に沢山咲いているのを見かけました。



 苑内の随所にツワブキの黄色の花を見かけました。一面に群生する様子は、まるで春の菜の花のようでした。

 私にとって皇居東御苑は、どの時季に訪れてもたっぷりと楽しむことができる格好の自然公園です。

 詳しくは …> 季節のスケッチ(26年11月 皇居東御苑)

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2014年11月 2日 (日)

小石川植物園、木々の黄葉・紅葉が徐々に進行


 11月に入って直ぐの3連休ですが、全国的に寒冷前線の影響であまり天気が良くありません。それでも、東京の11月2日は前日の雨が上がり、曇天ながらもまあまあの天気でしたので、家の前の小石川植物園を散策し東京の晩秋風景を楽しんできました。園内では、木々の黄葉・紅葉が徐々に進行していました。


 植物園全体としては緑葉が多いのですが、黄葉・紅葉も徐々に目立ってきました。これはスズカケノキ科の落葉高木のアメリカスズカケノキの大樹です。黄色、橙色、褐色と色とりどりに染まった木の葉がかなり増えていました。


 モミジバフウ(マンサク科フウ属)の黄葉。モミジバフウは北米から中南米原産の落葉高木。名の通り葉の形がモミジに似ています。


北アメリカ原産の落葉高木ヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉が始まっていました。


 ヒッコリー(クルミ科クルミ属)の木の見事な黄葉です。ヒッコリーは北米に広く分布する広葉樹で、アメリカでは、伝統的に燻製に使われています。


 北米原産の落葉高木アメリカキササゲ(ノウゼンカズラ科キササゲ属)の大きな木の葉の黄葉が点々と付いていました。アメリカキササゲはもっぱら観賞用に栽培されていて、6月頃に白い花が咲きます。


 ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)の紅葉がまだ残っていました。背景のイチョウの黄葉とよくマッチしています。ハナミズキは春にきれいな紅白の花を咲かせ楽しませてくれます。


 この時季になると、色づいた木の実や果実も目立つようになってきました。イイギリ(飯桐;イイギリ科イイギリ属)の高木を見上げると、房状にいくつも垂れ下がっている木の実の赤色がかなり濃くなってきました。イイギリの赤い実はヒヨドリの大好物です。


バラ科カリン属の落葉高木カリン(花梨)の樹上に、ちょうどリンゴの大きさの果実が沢山成っていました。もう少し経つとボタボタと頭上に落ちてきます。カリンの果実は生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工され、またのど飴に配合されます。


 中国四川省産の常緑樹シセントキワガキ(カキノキ科)の橙色のかわいくて小さな真ん丸の実が、たくさん木の枝に付いていました。この柿の実は甘味があって食用可とのこと。日本では主に庭木や盆栽などとして鑑賞に用いられます。


 クマツヅラ科の落葉低木ムラサキシキブ(紫式部)。その名のとおり紫色の小粒の実を房状に連ねています。日本各地の林などに自生し、また実が紫色で美しいので観賞用に栽培されています。同属のコムラサキは規則正しく枝垂れるように実を付けますので、よく似ていますが区別が付きます。


 木の葉がほとんど残っていないノイバラ(野茨)の木枝にポツンポツンと小さな赤い実が付いていました。普通に野バラともいわれ日本各地に自生するノイバラは初夏に白い花を付けます。


 花の少ないこの時季ですが、木々の花や野の花も園内の所々に見かけました。園内のツバキゾーンでは白いサザンカの花(品種名:雪山)がまるで淡雪が枝に積もっているように盛んに咲き出していました。


 雪山の白い花の隣で、赤紫色のサザンカの花(品種名;根岸紅)も多く咲いていました。年が明け春を迎えるようになるとになると、サザンカの花に代わってツバキの花が咲き出します。


 アヤメ科クロッカス属の球根植物であるサフランの花。強い芳香を放ち可憐な薄紫の花が咲いていました。色鮮やかで目を引きます。サフランの赤く長い三本の雌しべは大変貴重なもので、乾燥させて料理、薬用、染料(黄色)などに使われるとのこと。


 この時季の山野草の青いリンドウ(竜胆)の花も咲き出していました。リンドウの根を乾燥させて生薬の、竜胆(りゅうたん)が出来ます。 竜胆は、苦味が強いことでよく知られています。


 千葉県から 静岡県、伊豆諸島の海岸に自生して磯の菊ということでイソギク(磯菊;キク科キク属)と呼ばれます。多数の頭花を散房状につけています。花は普通の花びら状の花ではなく、筒状花のみです。


 園内に置いてあった木の切り株に幾重にもキノコが付いていました。サルノコシカケのようにも思えますが、キノコには詳しくないので、正体は不明です。

…> 季節のスケッチ(26年11月)


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2014年11月 1日 (土)

晩秋の山形の霞城公園散歩


 時間の経つのは早いもので、はや11月になってしまい、もうすぐ立冬です。夏以降でもデング熱、エボラ出血熱、御嶽山の水蒸気噴火、イスラム国騒動など目が離せない重大ニュースが相次いだため、なおのこと時が速く進むと感じるのかも知れません。

 10月末の先日、用事で山形に出かけてきました。朝食後、仕事前に少し時間がありましたので、山形駅近くの霞城公園を散策してきました。まだ、人通りは少なかったのですが、空気がひんやりとして気持ちの良い晩秋の散歩でした。


 霞城公園の一角に見事な洋館が建っていました。明治初期に県立病院済生館として建てられ、人々から「三層楼」と呼ばれ親しまれてきました。重要文化財に指定されているこの建物は、現在山形市郷土館として公開されています。


 この霞城公園は、市街地のほぼ中央に位置し、山形城跡の都市公園です。現在の城郭は第11代山形城主の最上義光(1546~1614)が築いたものが原型とされています。本丸・二ノ丸・三ノ丸の三重の堀と土塁で囲まれた、全国有数の規模を持つ輪郭式の平城で、出羽の関ヶ原合戦「長谷堂合戦」で城郭が霞で隠れて見えなかったことから「霞ケ城」とも呼ばれていました。

 昭和61年に国の史跡指定を受け、現在は桜と観光の名所になっています。また、公園内やその近くには、山形市郷土館、山形県立博物館、山形美術館、最上義光歴史館などの多くの文化施設が配置されています。


 山形城の正面になる二の丸東大手門から見た石垣とお堀です。この石垣は、市内を流れる馬見ヶ崎川の玉石を用い、割肌を表面に見せる野石積みで優美で堅牢な石垣です。堀の先に高い建物が見えますが、山形駅西口になります。


 11代山形城主最上義光の像。出羽の関ヶ原合戦といわれる「長谷堂合戦」で、直江兼続が率いる2万3千騎の上杉軍を撃退した時の雄姿。




 公園内は着実の紅葉・黄葉が進んでいて、ケヤキ、イロハモミジ、サクラなどの木々が朝陽に美しく輝いていました。


 東大手門近くの山形美術館。入口付近が見事な造園です。日本美術以外にも、印象派等の近代フランス美術が数多く展示されています。


 霞城公園から小さく見えた山形駅西口の広場です。この高層ビルは霞城セントラルと呼ばれ、レストラン、ホテル、オフィスなどの複合施設になっています。また、最上階の展望台から蔵王連峰、出羽三山などの眺望が楽しめます。

 この他にも、いろんな写真があります。
   …> 季節のスケッチ (26年11月)


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