小石川植物園、木々の黄葉・紅葉が徐々に進行

11月に入って直ぐの3連休ですが、全国的に寒冷前線の影響であまり天気が良くありません。それでも、東京の11月2日は前日の雨が上がり、曇天ながらもまあまあの天気でしたので、家の前の小石川植物園を散策し東京の晩秋風景を楽しんできました。園内では、木々の黄葉・紅葉が徐々に進行していました。

植物園全体としては緑葉が多いのですが、黄葉・紅葉も徐々に目立ってきました。これはスズカケノキ科の落葉高木のアメリカスズカケノキの大樹です。黄色、橙色、褐色と色とりどりに染まった木の葉がかなり増えていました。

モミジバフウ(マンサク科フウ属)の黄葉。モミジバフウは北米から中南米原産の落葉高木。名の通り葉の形がモミジに似ています。

北アメリカ原産の落葉高木ヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉が始まっていました。

ヒッコリー(クルミ科クルミ属)の木の見事な黄葉です。ヒッコリーは北米に広く分布する広葉樹で、アメリカでは、伝統的に燻製に使われています。

北米原産の落葉高木アメリカキササゲ(ノウゼンカズラ科キササゲ属)の大きな木の葉の黄葉が点々と付いていました。アメリカキササゲはもっぱら観賞用に栽培されていて、6月頃に白い花が咲きます。

ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)の紅葉がまだ残っていました。背景のイチョウの黄葉とよくマッチしています。ハナミズキは春にきれいな紅白の花を咲かせ楽しませてくれます。

この時季になると、色づいた木の実や果実も目立つようになってきました。イイギリ(飯桐;イイギリ科イイギリ属)の高木を見上げると、房状にいくつも垂れ下がっている木の実の赤色がかなり濃くなってきました。イイギリの赤い実はヒヨドリの大好物です。

バラ科カリン属の落葉高木カリン(花梨)の樹上に、ちょうどリンゴの大きさの果実が沢山成っていました。もう少し経つとボタボタと頭上に落ちてきます。カリンの果実は生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工され、またのど飴に配合されます。

中国四川省産の常緑樹シセントキワガキ(カキノキ科)の橙色のかわいくて小さな真ん丸の実が、たくさん木の枝に付いていました。この柿の実は甘味があって食用可とのこと。日本では主に庭木や盆栽などとして鑑賞に用いられます。

クマツヅラ科の落葉低木ムラサキシキブ(紫式部)。その名のとおり紫色の小粒の実を房状に連ねています。日本各地の林などに自生し、また実が紫色で美しいので観賞用に栽培されています。同属のコムラサキは規則正しく枝垂れるように実を付けますので、よく似ていますが区別が付きます。

木の葉がほとんど残っていないノイバラ(野茨)の木枝にポツンポツンと小さな赤い実が付いていました。普通に野バラともいわれ日本各地に自生するノイバラは初夏に白い花を付けます。

花の少ないこの時季ですが、木々の花や野の花も園内の所々に見かけました。園内のツバキゾーンでは白いサザンカの花(品種名:雪山)がまるで淡雪が枝に積もっているように盛んに咲き出していました。

雪山の白い花の隣で、赤紫色のサザンカの花(品種名;根岸紅)も多く咲いていました。年が明け春を迎えるようになるとになると、サザンカの花に代わってツバキの花が咲き出します。

アヤメ科クロッカス属の球根植物であるサフランの花。強い芳香を放ち可憐な薄紫の花が咲いていました。色鮮やかで目を引きます。サフランの赤く長い三本の雌しべは大変貴重なもので、乾燥させて料理、薬用、染料(黄色)などに使われるとのこと。

この時季の山野草の青いリンドウ(竜胆)の花も咲き出していました。リンドウの根を乾燥させて生薬の、竜胆(りゅうたん)が出来ます。 竜胆は、苦味が強いことでよく知られています。

千葉県から 静岡県、伊豆諸島の海岸に自生して磯の菊ということでイソギク(磯菊;キク科キク属)と呼ばれます。多数の頭花を散房状につけています。花は普通の花びら状の花ではなく、筒状花のみです。

園内に置いてあった木の切り株に幾重にもキノコが付いていました。サルノコシカケのようにも思えますが、キノコには詳しくないので、正体は不明です。
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