スプリング・エフェメラルとの出会いを求めて栃木の山野へ
この時期の醍醐味はスプリング・エフェメラル(春の妖精と呼ばれる春の山野草)との出会いです。3月14日の週末、天気もまあまあでしたのでセツブンソウ、アズマイチゲ、カタクリ、フクジュソウなどのスプリング・エフェメラルの植物との出会いを求めて、栃木の星野の里(森)や、みかも山公園にドライブしてきました。
実は、2011年3月に星野の里を訪れ、山裾一面に広がるセツブンソウの可憐な姿に大いに感動したのですが、そのときから1週間も経たずにあの東日本大震災が発生したものですから、気分的に再度の訪問をためらっていました。しかし、その後4年も経過したということで自分を納得させ、また出かけることにしました。

4年前の星野の里(森)では、セツブンソウが山裾一面に群生していて可憐に咲き広がっていました。近年イノシシの荒らされているそうで、さらに3月中旬は時期的に少し遅めだったので咲き具合が心配でしたが、まだ日当たりが少ない斜面などに咲き残っていたのでホッとしました。

セツブンソウ(節分草)はキンポウゲ科セツブンソウ属の多年草で、春の一時期だけ地表に姿を現すスプリング・エフェメラルの一種です。関東地方以西に分布し、石灰岩地域に多く見られます(星野も石灰岩地域)。花期は2-3月で直径2cmの可憐な白い花を咲かせます。和名は、早春に芽を出し節分の頃に花を咲かせることに由来します。


星野の森は三峰山の北側の山裾に位置し、東北自動車道の栃木インターを下りて大きな県道をまっすぐ西方に15分程ドライブすると、鮮やかな黄金色に輝くマンサクや濃いピンク色の紅梅の木々が出迎えてくれます。この三峰山は良質な石灰を産出し、一帯に石灰岩の採石場が数多く分布しています。

セツブンソウの他にもスプリング・エフェメラルの植物を見かけました。これはフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)です。まぶしいような黄金色を放ちながら、精一杯春の陽光を求め咲き出しています。奥の方にはセツブンソウが立ち並んでいます。

やはりスプリング・エフェメラルの植物のキクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)もポツポツと咲いていました。キクサキイチゲの葉は、ちょうど菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴です。

森を出たあぜ道には青紫色の小さく可憐なオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)の花が点々と広がっていました。オオイヌノフグリはスプリング・エフェメラルではありませんが、星の瞳の別名を有する典型的な春の野の花です。

星野の森を後にして、次は佐野藤岡インターのすぐ近くのみかも山公園へ向かいました。みかも山公園は花の百名山に選ばれている三毳山(みかも山)と一体化されている県営の広大な自然公園です。ここは、カタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなどの山野草の自生地としても有名です。

公園の東側の入口からすぐ近くの所に、広葉樹林が広がっていますが、その林床部を見やると小さな白い花が一面に咲き出しています。

この群生する白い花はアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)でした。アズマイチゲは北海道、本州、四国、九州に分布する、スプリング・エフェメラルの植物です。他のスプリング・エフェメラルと同じように、アズマイチゲは広葉樹林がまだ葉を付けないこの頃に林床に注がれる春の日差しを受け、精一杯花を咲かせています。

アズマイチゲに交じってわずかですが、キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)も見つけました。アズマイチゲと比べると、花が大きめで葉の切れ込みが鋭いのが特徴になっています。珍しいうす紫色の花も咲いていました。



さらに、このアズマイチゲの群生地の一角にカタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の花も咲き出していました。カタクリは代表的なスプリング・エフェメラルの植物です。万葉の頃から親しまれ、古名は堅香子(かたかご)となっています。カタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。カタクリの鱗茎は澱粉を含み、片栗粉の原料になり、若葉は食用に供されます。

公園内は山の斜面でも歩き易いように遊歩道がしっかりと配置されています。遊歩道をたどりながら十分に森林浴を楽しむことができます。

ちびっ子向けにはフラワートレインが用意されています。みかも山公園を縦横に巡っています。子供たちは大はしゃぎです。
この日はセツブンソウの星野の森といい、アズマイチゲ、カタクリのみかも山公園といい多くのスプリング・エフェメラルの植物と出会うことが出来、久しぶりのドライブも兼ねた楽しい一日でした。
実は、2011年3月に星野の里を訪れ、山裾一面に広がるセツブンソウの可憐な姿に大いに感動したのですが、そのときから1週間も経たずにあの東日本大震災が発生したものですから、気分的に再度の訪問をためらっていました。しかし、その後4年も経過したということで自分を納得させ、また出かけることにしました。
星野の里(森) セツブンソウなど

4年前の星野の里(森)では、セツブンソウが山裾一面に群生していて可憐に咲き広がっていました。近年イノシシの荒らされているそうで、さらに3月中旬は時期的に少し遅めだったので咲き具合が心配でしたが、まだ日当たりが少ない斜面などに咲き残っていたのでホッとしました。

セツブンソウ(節分草)はキンポウゲ科セツブンソウ属の多年草で、春の一時期だけ地表に姿を現すスプリング・エフェメラルの一種です。関東地方以西に分布し、石灰岩地域に多く見られます(星野も石灰岩地域)。花期は2-3月で直径2cmの可憐な白い花を咲かせます。和名は、早春に芽を出し節分の頃に花を咲かせることに由来します。


星野の森は三峰山の北側の山裾に位置し、東北自動車道の栃木インターを下りて大きな県道をまっすぐ西方に15分程ドライブすると、鮮やかな黄金色に輝くマンサクや濃いピンク色の紅梅の木々が出迎えてくれます。この三峰山は良質な石灰を産出し、一帯に石灰岩の採石場が数多く分布しています。

セツブンソウの他にもスプリング・エフェメラルの植物を見かけました。これはフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)です。まぶしいような黄金色を放ちながら、精一杯春の陽光を求め咲き出しています。奥の方にはセツブンソウが立ち並んでいます。

やはりスプリング・エフェメラルの植物のキクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)もポツポツと咲いていました。キクサキイチゲの葉は、ちょうど菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴です。

森を出たあぜ道には青紫色の小さく可憐なオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)の花が点々と広がっていました。オオイヌノフグリはスプリング・エフェメラルではありませんが、星の瞳の別名を有する典型的な春の野の花です。
みかも山公園 アズマイチゲ、カタクリなど

星野の森を後にして、次は佐野藤岡インターのすぐ近くのみかも山公園へ向かいました。みかも山公園は花の百名山に選ばれている三毳山(みかも山)と一体化されている県営の広大な自然公園です。ここは、カタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなどの山野草の自生地としても有名です。

公園の東側の入口からすぐ近くの所に、広葉樹林が広がっていますが、その林床部を見やると小さな白い花が一面に咲き出しています。

この群生する白い花はアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)でした。アズマイチゲは北海道、本州、四国、九州に分布する、スプリング・エフェメラルの植物です。他のスプリング・エフェメラルと同じように、アズマイチゲは広葉樹林がまだ葉を付けないこの頃に林床に注がれる春の日差しを受け、精一杯花を咲かせています。

アズマイチゲに交じってわずかですが、キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)も見つけました。アズマイチゲと比べると、花が大きめで葉の切れ込みが鋭いのが特徴になっています。珍しいうす紫色の花も咲いていました。



さらに、このアズマイチゲの群生地の一角にカタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の花も咲き出していました。カタクリは代表的なスプリング・エフェメラルの植物です。万葉の頃から親しまれ、古名は堅香子(かたかご)となっています。カタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。カタクリの鱗茎は澱粉を含み、片栗粉の原料になり、若葉は食用に供されます。

公園内は山の斜面でも歩き易いように遊歩道がしっかりと配置されています。遊歩道をたどりながら十分に森林浴を楽しむことができます。

ちびっ子向けにはフラワートレインが用意されています。みかも山公園を縦横に巡っています。子供たちは大はしゃぎです。
この日はセツブンソウの星野の森といい、アズマイチゲ、カタクリのみかも山公園といい多くのスプリング・エフェメラルの植物と出会うことが出来、久しぶりのドライブも兼ねた楽しい一日でした。
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