東京の桜が満開、小石川植物園でいろんなサクラの風景を満喫
この週末もポカポカ陽気に恵まれ、東京管区気象台により29日(日)午後2時前、桜の満開が発表されました。平年より5日早く、昨年より1日早い満開です。開花が3月23日でしたので、6日で満開を迎えたことになります。今年は、東京が全国で最初に満開になったそうです。ちなみに、「サクラの満開日」とは、標本木(靖国神社内)で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日をいいます。


小石川植物園を散策したのは22日の午前10時~11時頃でしたので、桜並木のソメイヨシノは少し蕾が残っていて、このようにピンク色が濃いめになっていました。時間が経ち満開の状況になると全体的に白っぽくなります。いずれにしても心躍る風景で、つくづく日本人に生まれて良かったと実感します。園内には、ソメイヨシノをはじめとしていろんな桜の花は青空に咲き広がっていて、日本美の醍醐味を満喫してきました。



桜といえば、何といってもソメイヨシノ(染井吉野)が代表格です。華麗に満開になったソメイヨシノの姿は日本の美の極致といえます。ソメイヨシノのサクラの木は、江戸時代の染井村(現在の豊島区駒込付近)の植木屋さんが作り出したもので、これが全国に広まったと言われています。当初は、桜(ヤマザクラ)の名所であった奈良県の吉野山にちなんで吉野の名で売り出されたそうです。ソメイヨシノの起源については、オオシマザクラとエドヒガンとの雑種であることが確認されています。

ソメイヨシノにはいろんな品種のサクラが存在します。わが国のサクラ研究の第一人者であった国立遺伝学研究所の竹中要博士が、ソメイヨシノの起源を研究する過程でいろんな品種が生まれたといわています。これは三島桜@ソメイヨシノです。

山越@ソメイヨシノ。

天城吉野@ソメイヨシノ。

伊豆吉野@ソメイヨシノ。

美しく広がるエドヒガン(江戸彼岸)。普通に私たちがサクラと呼んでいるのはバラ科サクラ属サクラ亜属サクラ節に属する植物で、エドヒガン群、ヤマザクラ群、マメザクラ群、サトザクラ群、カンヒザクラ群、チョウジザクラ群に分類されます。エドヒガンはソメイヨシノと同じエドヒガン群に属します。

高木のシダレザクラ(枝垂桜)が満開になっていました。上品な白い花が空中に美しく枝垂れています。シダレザクラもエドヒガン群です。

このシダレザクラは、高さはまだ中低木ですが、無数のピンク色のサクラの花が滝の流れのように枝垂れていました。

園内の古井戸の近くに生えるヤマザクラの高木。やはり満開になっていました。ヤマザクラはヤマザクラ群に属します。

群桜@ヤマザクラ。園の入口近くに生えていて清楚で見事な満開の姿です。ヤマザクラは日本の野生の桜の代表的な種で、寿命が長く大木になります。

最後に紹介するのは珍しい桜の花です。和名はまだ付いていないとのことで、英語名はPrunus pusilliflore Card です。中国原産でバラのような香りがします。植物園の奥の方にあってこの時期だけ、一般に公開されています。
なお、ソメイヨシノ以外の桜でこれから咲き出す種類のものもあります。しばらくサクラ鑑賞の楽しみが続きます。
…> 季節のスケッチ(27年3月) (サクラの風景)
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