10月中旬の小石川植物園、サザンカの花が咲き出す
久しぶりに小石川植物園を回ってきました。先月には真っ赤なヒガンバナを園内の至るところで見かけましたが、1か月も経つと風景は一変します。この日は赤白のサザンカの花が咲き出していて、晩秋を実感しました。このほか、木々の紅葉・黄葉は少しづつ進行していましたし、いろんな秋の木の実も見かけました。
以下、植物園の秋のいろんな風景です。


ツバキ園を覗いてみたら、晩秋の風物詩のサザンカ(山茶花)の花がもう咲き出していました。昔からの愛唱歌「たきび」でも 『さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたきあたろうか あたろうよ しもやけ おててが もう かゆい』とサザンカのことが唱われて親しまれています。秋冬の花の少ない時期に赤や白のサザンカの花は貴重です。

植物園の奥まった所に立派な日本庭園が配されています。池の後方のドウダンツツジやハゼノキはに紅葉し始めています。

サクラ並木の樹下の様子です。良い天気なのでベンチで休んでいる人もいます。黄葉がチラホラと始まっています。

代表的な秋の風物詩のススキの穂がたなびいています。後方の大樹は6月頃にたわわに花を咲かせるハナキササゲです。

秋の七草の一つに数えられる萩(マメ科ハギ属)が花が盛んに咲いていました。夏から秋にかけて赤紫色のチョウのかたちの花をつけます。萩の中でもこれはミヤギノハギ(宮城野萩)です。宮城県に多く自生することから和名が由来。


先月から咲き始めたシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花が盛んに咲いています。シュウメイギクの名前からはキク科のように思えますが、実はキンポウゲ科の植物です。風にたなびく白花は可憐な野の花という趣があります。一方、赤紫色の八重咲きの花は立派な勲章のような形状をしています。

これは正真正銘のキク科のシオン(紫苑;キク科シオン属)の花です。薄い紫色の花が群生し、ゆらゆらと優雅に風にたなびいています。古い時代に薬草として渡来したが、今は観賞用として盛んに栽培されています。

赤いヒガンバナの後に、黄色の花を付けたショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花が咲いていました。形状はヒガンバナとそっくりで、約1ヶ月遅れで咲き出します。ショウキランともいい、四国から沖縄などの山野に分布します。

この時期、いろんな種類の木の実を見かけます。これは、園内の柴田記念館の近くのピラカンサ(品種名ローズデール)の高木です。毎年同じように青空の下に真っ赤な実をたわわに付けます。

黄色の実を付けているのはニシキギ科ツルウメモドキ属の落葉つる性木本のツルウメモドキです。徐々に赤い実も付いてきます。美しいので生け花や装飾用に使われてます。

これはシセントキワガキ(カキノキ科)で、ピンポン球くらいの小さく真ん丸の実がたわわに群れて成っていました。盆栽などにも用いられています。

リンゴに似たカリン(バラ科)の無数の果実が成っています。やがて、木の下にいると頭上からボタボタと落ちてくるようになります。カリンの果実は生食には適さず、のど飴に使われます。

カリンの手前に春にきれいな紅白の花を咲かせるハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)です。この時期は、木の葉が赤く色づいていました。

山地に生える落葉高木ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科)。小さめの葉が部分的に黄葉になっていました。ヒロハカツラは、カツラよりも葉が丸みを帯び大きいのが特徴的です。


メタセコイア林に近接した所に生えるヒッコリー(クルミ科クルミ属)の木も黄葉が始まっていました。ヒッコリーは北米に広く分布する広葉樹で、アメリカでは伝統的に燻製に使われています。クルミの仲間だけあって、立派な「クルミの実」が成っていました。
これから、東京の平野部でも本格的に紅葉・黄葉が広がっていきます。
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