大隅良典東京工業大栄誉教授がノーベル賞(医学・生理学賞)を受賞
10月に入って今年のノーベル賞(医学・生理学賞)にオートファジー(自食作用)の仕組みを解明した大隅良典・東京工業大栄誉教授が授与されることに決まったという嬉しいニュースが飛び込んできました。
〔大隅教授とオートファジー研究〕(東工大HPより)
日本人の受賞は昨年の医学・生理学賞(大村智氏)、物理学賞(梶田隆章氏)に続き3年連続となります。米国籍を含め、日本人受賞者は25人。単独受賞は1949年の湯川秀樹氏(物理学賞)、1987年の利根川進氏(医学・生理学賞)に次いで29年ぶり3人目となります。
大隅教授は、27年前に酵母のオートファジーを発見して以来、一貫してその分子機構の解明を目指して研究を進めてきており、世界に先駆けた遺伝学の適用による酵母のオートファジー遺伝子(ATG) の同定は、それまでのオートファジー研究を一変し、今日の爆発的な研究領域の展開の切っ掛けとなっています。今回の受賞は、このオートファジー研究が評価されたもので、医学・生理学賞の選考委員は「生命科学の根源的な発見で、がんやパーキンソン病などの病気の治療研究に貢献する」としています。
近年多くの日本人研究者がノーベル賞を受賞していて、同じ日本人として誇らしい気持ちになりますが、気になる指摘を紹介しておきます。すなわち、一次選考でノーベル委員会が研究者や過去受賞者に呼びかける推薦状の日本からの返信率が他国と比べて非常に低いとのことで、日本人の受賞確率が低くなる要因として、ノーベル委員会委員がこの点に苦言を呈しているそうです。今後もノーベル賞受賞のため、日本全体としての一層の努力が必要なようです。
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