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2017年3月 4日 (土)

3月に入りカンヒザクラ、サンシュユ、ユキワリイチゲなどが賑やか、いよいよ春本番へ


 3月に入ると、さすがに寒さが緩んできて、季節が春本番へと向かいつつあることを実感します。

 週末の3月4日に近くの小石川植物園を回ってきましたが、カンヒザクラ、サンシュユなどの木々からカラフルな花が一斉に吹き出し、園内は春の彩りが濃くなってきました。一方、野の花の世界も賑やかです。先月中旬に咲き始めた春の妖精のユキワリイチゲの花がどんどん咲き出してきました。また、オオイヌノフグリ、コゴメイヌノフグリ、ハナニラ、タンポポなどが草むらに数多く見かけるようになってきました。

 この日は穏やかな春暖の一日でした。人出も増え、家族連れも多く見かけるようになりました。


 この時期は園内を散策していると、随所に赤や白の花を付けたヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属)の高木を見かけます。ヤブツバキは東北以西の暖地に生育する常緑の小高木で、伊豆七島などが花の名所として有名です。


 春の青空の下、カンヒザクラ(寒緋桜)の花が満開になって広がっていました。沖縄に自生する寒緋桜は、濃い赤紫色の大粒の花を咲かせ心を揺さぶるような強烈な印象を受けます。東日本大震災以降は、まるで犠牲者への鎮魂花であるかのように思えます。


 ソメイヨシノの開花はまだまだですが、ソメイヨシノの近くに生えている早春桜にあでやかなピンク色の小振りな花が咲き始めていました。早春桜は富士山や箱根などの山地に分布する富士桜(マメザクラともいう)の園芸種です。


 梅林の中央部に生えるサンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の大木に花が咲き出しました。まだ満開前であるものの、小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出しています。木全体が黄金色に輝いているように見えます。


 常緑低木のウンナンオウバイ(雲南黄梅;モクセイ科)の鮮やかな黄色の花が、枝垂れて連綿と咲き出してきました。茎が根元から多数分枝し上部で枝垂れます。3月中には満開になると思われます。


 中国原産のホンコンドウダン(香港満天星;ツツジ科ドウダンツツジ属)に花が付き始めました。蝋細工のように釣り下がる釣鐘形の花のピンクと白の色合いが美しく、ピンクシャンデリアの流通名が付いています。



 先月に咲き始めたユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)ですが、この日は清楚で可憐な白い花が数多く咲いていました。ユキワリイチゲは春の妖精の仲間です。落葉樹の林床に差す春の陽光を受けこの時期だけ花を咲かせ、残りの時期は球根の形で地中で過ごす植物のことを春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼びます。


 ユキワリイチゲの他にも、園内の草むらは多くの野の花で賑やかになってきました。これは園の入口から坂を登り切った所で見つけたハナニラ(花韮;ユリ科イフェイオン属)の清楚な白い花です。ハナニラの花の形はアマナに似ていることからセイヨウアマナとも呼ばれます。これから園内の各所に咲き広がります。


 オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)。星くずのような可憐な青い小さな花が園の随所に広がってきました。


 コゴメイヌノフグリ(ゴマノハグサ科)の米粒のように小さく白い花が局所的に群生しています。オオイヌノフグリよりもさらに小粒な花です。かつて小石川植物園に研究用に持ち込まれたものが野生化したと言われています。


 全国の山野に自生するフキノトウ(蕗の薹;キク科フキ属)を園内で見つけました。旧東京医学校の赤い建物のすぐ近くの湿地に生えていました。フキノトウはフキ(蕗)が春につける花のつぼみのことです。天ぷらなどの食材として用いられます。

 これ以外にも、色々の写真をアップしています。
      …> 季節のスケッチ(29年3月)





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