ソメイヨシノの満開が過ぎ、徐々に新緑が広がる

ソメイヨシノの満開から1週間経った4月中旬の小石川植物園の風景です。ソメイヨシノは満開が過ぎましたが、まだサトザクラ、ヤマザクラなどの他のいろんな桜の花が美しく咲き続けています。その一方で、イロハモミジなどの園内の木々から薄黄緑色の若葉が吹き出し、新緑の世界が徐々に広がってきました。

入園して直進するとすぐ上り坂になります。正面にはソメイヨシノの大木の見事な眺望です。ソメイヨシノは満開が過ぎましたが、まだ5~6分程度咲き残っていました。

古井戸近くのソメイヨシノの大木です。スケールの大きさに圧倒されます。

依然として鮮やかな赤紫色に咲き続けているハナズオウ(花蘇芳;マメ科ハナズオウ属)。周りをよく見ると、サクラの花吹雪が舞っています。

日本庭園近くの池の風景。池面には、サクラの花びらの花筏が浮かんでいます。

ソメイヨシノ以外のサクラの花も数多く咲いていて、まだまだ「花見」を楽しむことができました。この清楚な感じのサクラは、日本の桜の野生種の一つのヤマザクラ(山桜)です。花が小ぶりで、赤みがかった若葉とともに開花します。

美しい八重咲のヤエノオオシマザクラ。オオシマザクラ(大島桜)の八重種です。オオシマザクラも野生種のサクラの一つで、伊豆大島などに多く自生します。

サトザクラの紫桜です。満天が薄紫色に覆われたような感じです。サトザクラは主に観賞用にオオシマザクラを基にしてヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、マメザクラなどを掛け合わされた園芸品種の総称。

やはりサトザクラの長州緋桜(ちょうしゅうひざくら)。赤紫色の花があでやかです。長州緋桜は開花期間が非常に短いようで、この日はラッキーでした。明治時代に荒川堤から全国に広まったとのことで、長州との関係は不明。

サトザクラの鬱金(うこん)。花弁に葉緑体をもち、淡い黄緑色の八重咲の花を付ける珍しいサクラです。鬱金の名は、ショウガ科のウコンの根を染料に用いた鬱金色に由来します。

サクラの近縁のホンカイドウ(本海棠;バラ科リンゴ属)。白い小さな花を静かに咲かせていました。年末頃には、サクランボの実に似た赤や黄の実を付けます。

イロハモミジは新緑や紅葉が見事ですが、花も咲きます。新葉に交じって暗赤色の粒々が見えます。これがイロハモミジの花になります。

新緑が園内全域に広がっています。小さな池の周辺に生えるシダレヤナギ(左)やラクウショウ(正面後方)なども新緑に覆われてきました。

入り口付近のイチョウの大木も新緑になってきました。イチョウの木は街路樹にも多く使われていますので、都心も新緑がまぶしい季節になります。

野の花の世界も賑やかになってきました。星形の白い大きなオオアマナ(大甘菜;ユリ科オオアマナ属)の花が多く咲き出してきました。黄色のタンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)の花やムラサキカタバミ(紫片喰;カタバミ科カタバミ属)の赤紫色の花も交じっています。

ラショウモンカズラ(羅生門葛;シソ科ラショウモンカズラ属)。桜並木の近くの草むらに群生していました。かつて渡辺綱が羅生門で切り落としたとされる鬼女の腕に見立てこの名が付いたとのこと。
これ以外にも多くの風景写真があります。
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