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2017年6月11日 (日)

緑の世界にハナショウブ、アジサイ、タイザンボクなどの季節の花々

 

 浜離宮の翌日(6/11)に小石川植物園を回ってきました。幸いにも梅雨の合間が続いていましたので、ハナショウブ、アジサイ、タイザンボク等の季節の花々が咲き出す美しい緑の世界を存分に楽しんできました。



 日本庭園の菖蒲田(花菖蒲園)に色とりどりのハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の花が咲き始めました。ハナショウブは、この季節の風物詩で、和風で優雅な花は梅雨時のうっとうしさを忘れさせてくれます。


 アジサイ(紫陽花)の花もこの季節の風物詩で、梅雨空によく似合います。園内にはいろんな種類のアジサイの花が咲いています。これは普通によく見かける西洋アジサイ(西洋紫陽花;アジサイ科アジサイ属)です。なお、観賞用には美しいアジサイですが、毒性があるので要注意。


 日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花;アジサイ科アジサイ属)。各地に自生しています。西洋アジサイの球状の花と違って、花序の周縁を装飾花が額縁のように取り囲んでいて、これが和名の由来となっています。


 ガクアジサイから品集改良された園芸種の フイリガクアジサイ(斑入り額紫陽花;アジサイ科アジサイ属)。花はガクアジサイと全く同じですが、葉に白い斑が入っています。


 アマチャ(甘茶;アジサイ科アジサイ属)。ガクアジサイの変種で、花の形はガクアジサイによく似ています。アマチャの若い葉を乾燥・発酵させてお茶にすると、甘味の強い甘茶になります。また、仏教の花祭りの際に仏像に注ぎかけるものとして古くから用いられています。


 北米原産のカシワバアジサイ(柏葉紫陽花;アジサイ科アジサイ属)。花が三角錐状に密生して咲いています。葉の形が柏の葉に似ていることから和名が由来。


 ノリウツギ(糊空木;アジサイ科アジサイ属)。北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに自生します。花の感じがガクアジサイに似ています。ノリウツギの樹液を和紙漉きの際の糊に利用したため、この名が付いています。


 イワガラミ(岩絡;アジサイ科イワガラミ属)。北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の岩崖や林縁に自生します。そして名の通り、幹や枝から気根を出して高木や岩崖に付着し、絡みながら這い登ります。



 威風堂々としたタイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の清らかな芳香のする白い大きな花を、今年も樹中・樹上の所々に見かけました。高所に神々しく咲く花は王者の風格があり、見上げると気持ちが鼓舞され清々しくなります。


 これは本州の中国地方、四国、九州、琉球、中国に分布する常緑高木のチシャノキ(萵苣の木;ムラサキ科チシャノキ属)の高木が盛んに花を咲かせていました。花が高所にあることと色が目立たないことから、今までは全く気づきませんでした。近縁のマルバチシャノキは秋になると大きな塊状になった黄色の実を付けます。


 ノグルミ(野胡桃;クルミ科ノグルミ属)の大木にもやはり目立たない花が咲いていました。風媒花で風に乗せて花粉を運びます。後日、松かさに似た果実をつけますが、食用にならないとのこと。


 草むらの世界でも新たな野の花を見かけました。これは薄赤紫色のヒルガオ(昼顔;ヒルガオ科ヒルガオ属)の花です。ヒルガオは地下茎でどんどん広がり、園内の随所に見かけるようになります。


 チガヤ(茅萱;イネ科チガヤ属)が白く細長い穂を出していました。古くから親しまれた野草です。チガヤは植物体に糖分を蓄える性質があって、若い穂は噛むと甘く、かつて子供がおやつ代わりに噛んでいたそうです。

 この他にもいろんな花々が咲いていました。
       …> 季節のスケッチ(29年6月)


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