新年の小石川植物園、冬木立の雄姿が立ち並ぶ

新年早々の週末、静寂な佇まいの小石川植物園を回ってきました。園内は美しい木々の紅葉の競演が終わり、すっかり落葉した冬木立の雄姿が立ち並ぶ風景になってきました。これから再び冬木立→新芽→新緑→若葉→万緑→夏木立→紅葉の新たな自然の営みのサイクルが始動します。

この頃は花の少ない時季ですが、それでもいろんな花が咲いていました。これは園入口付近に新年早々に咲き出す迎春花のロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)です。まるでロウ細工のような黄色の小さな花を付けます。

古井戸の近くのカンザクラ(寒桜;バラ科カンヒザクラ群)の古木。桜ならではの美しい花が咲き始めていました。園内のいろんな桜の中ではカンザクラが最も早く咲きます。

日本庭園の一角に梅林があって園芸品種約50種100株が植えられています。ほとんどの梅の木はまだつぼみ状態ですが、少しづつ開花し始めてきました。この白梅は扇流し(おうぎながし)の名が付く園芸種です。これから2月、3月と梅林はにぎやかになります。

古井戸の近辺にツバキ園があります。中央部に生える常緑のクスノキの巨木の周りにいろんな品種のツバキの花が年明け頃からボチボチと咲き出します。このツバキの花は曙(あけぼの)。

ツバキ園にはツバキの仲間のサザンカも生えていますが、サザンカは晩秋の頃から咲いています。この赤いサザンカの花は歌枕(うたまくら)。

園内には数多くの落葉樹の巨木、高木が生えていますが、この頃は冬木立の雄姿を見ることができます。まるで樹木の「素顔」のようです。園入口の近くでは、直立して天空めざして伸びるようなメタセコイア林が目に飛び込んできます。年末の褐色の姿とは様変わりです。やがて4月頃になると緑の衣で覆われるようになります。

古井戸付近のツツジ園からの眺望。精子発見のイチョウ(右)とニレ科のウルムス・プロセア(左)の大樹の冬木立です。晩秋の姿からは大変身。

ヘラノキ(箆の木;アオイ科、ボダイジュの仲間)の大木の冬木立。年末の黄葉の姿から様変わり。

スズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属、別名プラタナス)の巨木の冬木立。木幹の白さが目立ちます。

ユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)の冬木立。木枝に花の名残が少し残っています。初夏に咲く花はチューリップに似ています。

シナサワグルミ(クルミ科サワグルミ属)のゴツゴツした冬木立。樹木の上方に多くのカラスが止まっています。8月頃には緑葉で覆われるようになります。

日本に自生し、煎じると目に良いとされるメグスリノキ(ムクロジ科カエデ属)の大樹の冬木立。つい先月は本当に鮮やかな紅葉に覆われていたのが夢のようです。

ニュートンのリンゴの木の近くのセンダン(栴檀、千団;センダン科センダン属)の高木。無数の小さな淡い黄色の実が残っていました。まるで丸い団子が空中に飾られているかのようです。5月頃に白い密生した花が咲きます。

ツクシカイドウ(筑紫海棠;バラ科)の枝先に数多くの赤い実が付いていました。ツクシカイドウは九州の熊本、大分地方に分布していたが、現在はわが国で絶滅したといわれています。

食用梨の野生種のヤマナシ(山梨;バラ科ナシ属)の高木。落葉すると樹上に宿るヤドリギ(ビャクダン科ヤドリギ属)が団塊状の株を形成しているのがよく見えます。
さらに、いろんな写真をアップしています。
…>季節のスケッチ(2018年1月)
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