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2018年3月

2018年3月25日 (日)

三毳山の山腹に無数のカタクリの花が咲き広がる



 3月下旬の週末 (3/25)、 サクラがほぼ満開の小石川植物園を早朝に回った後、急いで東北自動車道に乗り、次の目的地の三毳山(みかも山)に向かいました。車で都心から1時間半もあれば楽に到着です。三毳山では山腹一面にカタクリの花が咲き広がっていて、息を呑むような美しい光景に出会うことができました。


 花の百名山にも選定されている栃木の三毳山はカタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなどの山野草の自生地になっています。東北自動車道の佐野藤岡ICを降りてすぐの所に標高229m のやや低めの三毳山がそびえていますが、みかも山公園はその三毳山と一体化した広大な自然公園になっています。


 みかも山公園東口広場に車を留め、案内表示に従って山中のカタクリ園まで15分ほど山道を登っていきます。道の途中で「北国の春」の唄に出てくるコブシ(辛夷;モクレン科モクレン属)の花を見かけました。


 やがてカタクリ園に到達しますが、周りの山腹一面に赤紫色に彩る無数のカタクリのが咲き広がっていました。この世のものとは思えない美しい光景にしばし茫然となりました。この自生地は日本有数の規模で約150万株ものカタクリが自生しているそうです。


 可憐なカタクリ(ユリ科カタクリ属)の花は春の野の花の代表格です。春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ち、春の妖精(スプリング・エフェメラル)とも呼ばれます。



 赤紫色のカタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。カタクリは古来から親しまれ、万葉集では「堅香子(かたかご)」の名で詠まれています。




 カタクリ園から降りてきて広場近くの野草の園に向かうと、カタクリ以外の野の花も自生しています。上からニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)、キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属、別名はキクザキイチリンソウ)、そしてアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)になります。いずれも春の妖精の仲間です。

 今月は好天の下で奥秩父のセツブンソウの自生地、三毳山のカタクリの自生地と立て続きに行くことができ、無数の春の妖精たちとの出会いがかなって非常に幸運でした。

 三毳山のいろんな写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月 三毳山)


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春の陽気が続き、いろんなサクラが満開に

 このところ春の陽気が続き、気象庁は3/24(土)に東京の桜満開(靖国神社境内の染井吉野の標本木)を発表しました。1953年の統計開始後3番目に早い満開で、平年に比べると10日早いとのことです。

(いろんなサクラの花)

 この週末に近くの小石川植物園に出かけましたが、ここではソメイヨシノが7分から8分咲きといった感じでした。


 ぽかぽか陽気の好天にも恵まれ、桜並木の下では9時開園直後の朝早くから席取りが始まっていました。


 桜の花の代表格は何といってもソメイヨシノ(染井吉野)です。園内に数多く植えられているソメイヨシノも徐々に満開に向かっています。


 ソメイヨシノの研究過程や実生から多くの変種が生まれています。この品種名は伊豆吉野です。少し野性味が強いような感じがします。


 ソメイヨシノ以外にも色んなサクラの花が咲いていました。これはヤマザクラ(品種名:群桜)。メタセコイア林へ向かう散策路の始まり付近に生えていて、見事に満開になっていました。


 古井戸付近のヤマザクラの大樹も満開でした。赤い新葉とともに花を付けるのが特徴的です。


 桜の野生種の一つのエドヒガン(江戸彼岸)。花のボリュームはソメイヨシノより少ないものの、細かい白い花が青空に咲き広がる様は美の極致のようです。


 天空から降り注ぐかのように上品な白い花がに無数に枝垂るシダレザクラ(枝垂桜)の高木がエドヒガンに隣接して並んでいます。シダレザクラはエドヒガン系です。



 3月中旬に満開になっていたサクラもありました。上がマメザクラ(品種名:早春桜)。小振りのあざやかなピンク色の小さな花を一斉に咲かせます。下の白い花は伊豆大島に自生するオオシマザクラ(品種名:寒咲大島)。若葉と同時に白色の花を多数つけます。

(サクラ以外の木々の花)

 サクラ以外の花木もにぎやかになってきました。これは無数の黄緑色の花が吹き出すトサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)。トサミズキは高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。


 トサミズキの同属のシナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)もあざやかに開花しました。周りの空間を黄色の花で埋め尽くしているかのようです。


 ツツジ園ではハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅)が赤紫色の力強い花を咲かせていました。薩摩地方を中心に分布します。


 ツツジ園からの巨木の冬木立の眺望です。左から、黄(シナミズキ)、赤(早春桜)、白(寒咲大島)とカラフルで美しい時季を迎えました。


 メタセコイア林の風景。まだ冬木立のままですが、周りにはチョウセンレンギョウの黄色の花やサクラの桜色の花など、次第に色鮮やかになってきました。

(春の野の花)
 春の野の花も次々に咲き出しています。


 スミレの仲間を探してみました。これはタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地など身近に見られます。丸い葉と立ち上がる茎が特徴。今までずっとコスミレと思っていたのですが、よく調べてみると違っていたようです。


 これが本当のコスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)です。花姿がタチツボスミレによく似ていますが、細長い葉の形状が異なります。本州から九州の人里や山野に分布します。


 園入口の職員の方に開花を教えてもらったツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)をようやく見つけました。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。また、唇弁が小さく 上弁がひしゃげていないのも特徴のようです。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したと言われています。花が非常に小さいので、うっかり見過ごしてしまいそうになります。


 春の妖精の女王といわれるカタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の自生地を見やると、うすい赤紫色のカタクリの花が草の茂みの中で点々と咲いていました。自生地の中を小川が流れているのですが、生息地が小川の両岸に広がっています。


 同じ春の妖精の仲間のニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)も、メタセコイア林の林床地で咲き始めていました。

 これ以外にも様々な季節の花が咲いていました。
  …> 季節のスケッチ(30年3月) 


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2018年3月10日 (土)

奥秩父の自生地に咲き広がる無数のセツブンソウ



 3月上旬、奥秩父に自生するセツブンソウが満開だということで、関越道と皆野寄居有料道路を乗り継ぎ、小鹿野町両神地域の節分草園を訪れてきました。両神小森の一角に張り巡らされた園内では、満開になった無数のセツブンソウが一面に咲き広がっていて圧巻の眺めでした。


 奥秩父山地に位置する小鹿野町両神地域の両神小森に2月から3月にかけて可憐な小さく白い花を咲かせるセツブンソウの自生地が広がっています。広葉落葉樹に囲まれたこの自生地は、節分草園として小鹿野町が管理運営に当たっています。石灰岩地を好むセツブンソウの主な自生地として、わが国では埼玉県小鹿野町両神小森、栃木県栃木市星野の里、広島県庄原市総領地域などが挙げられます。近年、セツブンソウは乱獲や自生地の環境破壊によって希少植物になっています。


 奥秩父の両神小森に咲き広がるセツブンソウ(節分草;キンポウゲ科セツブンソウ属)はちょうど満開の時期でした。落葉樹林の隙間から差し込んでくる春の陽光を受け、地上の枯葉やコケの間から可憐な小さな白い花が一斉に吹き出しているかのようで見事な眺めでした。圧巻の光景です。


 セツブンソウは春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間とされています。春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる山野草は、春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ちます。


 セツブンソウもカタクリ、アマナ、ユキワリイチゲなどの他のスプリング・エフェメラルの仲間と同じように、落葉した広葉樹林に春の陽光が差し込んでくるのをじっと林床の下で待ち、そしてこのように地上に出た後、精一杯に命を輝かせながらつかの間の春を謳歌します。


 園の入口に臨時の小さなの出店があって、地元産品を販売していました。無数のセツブンソウに感動した後、黄金色のフクジュソウの鉢ポットや美味しそうなジャムなどを買い求め、そして帰途につきました。この日はいいドライブになりました。

 このほかにもいろんな写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月 奥秩父)


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2018年3月 4日 (日)

陽春の候、梅の花や野草の春の花など百花斉放の感


 先月の平昌五輪では日本チームが大健闘し、日本のメダルは冬季で過去最多だった1998年長野五輪の10個(金5、銀1、銅4)を上回る13個(金4、銀5、銅4)を獲得しました。正直言ってあまり期待していなかったのですが、大会が進むにつれ選手たちの活躍ぶりについテレビ観戦に熱が入るようになってきました。やはり白熱した競技を伝える生中継はいいですね。いろんな選手たちの人間ドラマも知ることができ、素晴らしい大会だったと思います。多くの感動をありがとうございました。


 さて、3月に入ってすぐの週末は気温がぐんぐん上昇し、20℃を超えまるで初夏のような陽気になりました。新年から3月にかけて次々に梅の花が咲き出してきた小石川植物園の梅林は、この日はいい香りを放ちながら数多くの梅の花が咲き競っていました。


 また、梅の花以外でも、カンヒザクラ、サンシュユなどの花木も咲き出し、アマナ、ユキワリイチゲ、フクジュソウなどの春の妖精(スプリング・エフェメラル)などの野の花も園内のあぜ道や草むらなど随所で見かけました。まさに百花斉放が間近といった感じでした。


 小石川植物園の梅林には多くの品種の梅の木が生えていて、新年から3月にかけて次々に紅梅、白梅が咲き出してきます。


 特に2月中旬から3月上旬頃は梅林中にいい香りを放ちながら数多くの梅の花が咲き競うようになり、春暖のこの日は花見を楽しむ人たちで賑わっていました。


 また、梅林の中央部には黄金色のサンシュユの花も咲き出し、赤、白、黄の見事な色の三重奏を堪能することが出来ました。


 この日勢いよく咲いていた梅の花を以下に紹介します。この桃色の梅の品種名は開運(かいうん)です。


 白梅の冬至(とうじ)。


 香りが強い鹿児島紅(かごしまこう)。


 普通の梅花とは異なる珍しい形状の酈懸(てっけん)。黄色のおしべや萼が目立ちますが、少しだけ白い花びらも付いています。


 園内では冬木立のままの木々も多いのですが、よく見ると白黒の世界に少しずつカラフルになってきました。そして、園内ではさまざまな春の花木が賑やかになってきました。これは、沖縄に自生するカンヒザクラカンヒザクラ(寒緋桜)。満開が過ぎたものの、それでも数多くの原色の花々が青空に広がっていました。


 サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出してきました。


 黄緑色のトサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)の花。高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。


 園内の散策路やあぜ道などで、いろんな野の花も見かけるようになってきました。これは春の妖精(スプリング・エフェメラル)のアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)の小さくて可憐な花で、メタセコイア林の近くで群生していました。2年前に数輪だけ咲いているのを見つけて以来の出会いです。植物の生命力の強さには驚かされます。


 やはり春の妖精の仲間のユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。先月から可憐な白い花が咲き始めましたが、かなり花の数が増えてきました。メタセコイア林の近くに群生地があります。近縁種のアズマイチゲは北方系ですが、ユキワリイチゲは本州西部から九州に分布します。


 オオキバナカタバミ(大黄花片喰;カタバミ科カタバミ属)の黄色の花が咲いていました。葉の紫の斑点が特徴になります。


 オオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)の星くずのように可憐な青い小さな花です。先月はまだポツポツとしか咲いていませんでしたが、この日は草むら一面に咲き広がっていました。


 春の七草の一つハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)の小さな花を見つけました。島崎藤村の千曲川旅情の詩に「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」 とハコベが登場します。小さいので、よく見ないと見逃してしまいます。


 タチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)の可憐な花です。今までコスミレだとばかり思っていたのですが、調べてみると違っていたようです。園内のスミレの仲間をもう少し探してみようかと思います。

 このほかにも、いろんな花々が咲いていました。
  …> 季節のスケッチ(2018年3月)



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