三毳山の山腹に無数のカタクリの花が咲き広がる

3月下旬の週末 (3/25)、 サクラがほぼ満開の小石川植物園を早朝に回った後、急いで東北自動車道に乗り、次の目的地の三毳山(みかも山)に向かいました。車で都心から1時間半もあれば楽に到着です。三毳山では山腹一面にカタクリの花が咲き広がっていて、息を呑むような美しい光景に出会うことができました。

花の百名山にも選定されている栃木の三毳山はカタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなどの山野草の自生地になっています。東北自動車道の佐野藤岡ICを降りてすぐの所に標高229m のやや低めの三毳山がそびえていますが、みかも山公園はその三毳山と一体化した広大な自然公園になっています。

みかも山公園東口広場に車を留め、案内表示に従って山中のカタクリ園まで15分ほど山道を登っていきます。道の途中で「北国の春」の唄に出てくるコブシ(辛夷;モクレン科モクレン属)の花を見かけました。

やがてカタクリ園に到達しますが、周りの山腹一面に赤紫色に彩る無数のカタクリのが咲き広がっていました。この世のものとは思えない美しい光景にしばし茫然となりました。この自生地は日本有数の規模で約150万株ものカタクリが自生しているそうです。

可憐なカタクリ(ユリ科カタクリ属)の花は春の野の花の代表格です。春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ち、春の妖精(スプリング・エフェメラル)とも呼ばれます。


赤紫色のカタクリの花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるように見えます。カタクリは古来から親しまれ、万葉集では「堅香子(かたかご)」の名で詠まれています。



カタクリ園から降りてきて広場近くの野草の園に向かうと、カタクリ以外の野の花も自生しています。上からニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)、キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属、別名はキクザキイチリンソウ)、そしてアズマイチゲ(東一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)になります。いずれも春の妖精の仲間です。
今月は好天の下で奥秩父のセツブンソウの自生地、三毳山のカタクリの自生地と立て続きに行くことができ、無数の春の妖精たちとの出会いがかなって非常に幸運でした。
三毳山のいろんな写真をアップしています。
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