奥秩父の自生地に咲き広がる無数のセツブンソウ

3月上旬、奥秩父に自生するセツブンソウが満開だということで、関越道と皆野寄居有料道路を乗り継ぎ、小鹿野町両神地域の節分草園を訪れてきました。両神小森の一角に張り巡らされた園内では、満開になった無数のセツブンソウが一面に咲き広がっていて圧巻の眺めでした。

奥秩父山地に位置する小鹿野町両神地域の両神小森に2月から3月にかけて可憐な小さく白い花を咲かせるセツブンソウの自生地が広がっています。広葉落葉樹に囲まれたこの自生地は、節分草園として小鹿野町が管理運営に当たっています。石灰岩地を好むセツブンソウの主な自生地として、わが国では埼玉県小鹿野町両神小森、栃木県栃木市星野の里、広島県庄原市総領地域などが挙げられます。近年、セツブンソウは乱獲や自生地の環境破壊によって希少植物になっています。

奥秩父の両神小森に咲き広がるセツブンソウ(節分草;キンポウゲ科セツブンソウ属)はちょうど満開の時期でした。落葉樹林の隙間から差し込んでくる春の陽光を受け、地上の枯葉やコケの間から可憐な小さな白い花が一斉に吹き出しているかのようで見事な眺めでした。圧巻の光景です。

セツブンソウは春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間とされています。春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる山野草は、春先に花を咲かせた後、夏までの間に光合成を行って地下の栄養貯蔵器官や種子に栄養分を蓄えます。そして、その後は春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごすというライフサイクルを持ちます。

セツブンソウもカタクリ、アマナ、ユキワリイチゲなどの他のスプリング・エフェメラルの仲間と同じように、落葉した広葉樹林に春の陽光が差し込んでくるのをじっと林床の下で待ち、そしてこのように地上に出た後、精一杯に命を輝かせながらつかの間の春を謳歌します。

園の入口に臨時の小さなの出店があって、地元産品を販売していました。無数のセツブンソウに感動した後、黄金色のフクジュソウの鉢ポットや美味しそうなジャムなどを買い求め、そして帰途につきました。この日はいいドライブになりました。
このほかにもいろんな写真をアップしています。
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