栃木の大柿花山はキバナカタクリ、イカリソウなど山野草の花園

4月上旬の週末(4/8)、栃木の大柿花山を訪ねてきました。大柿花山は、日光連山の裾野に広がる大柿の里山にある古城・袋ヶ岡城跡の山地を老園主が長年かけて花山として大改造した植物園で、四季折々の花々やトレッキングを楽しむことができるようになっています。

この日は、キバナカタクリ、イカリソウなどの山野草やモモ、ツツジ、モクレンなどの木々の花々が山いっぱいに咲き広がっていました。


この日は初めてのキバナカタクリを求めて大柿花山に足を運びました。大柿花山へのアクセスは、東京から東北自動車道を使い栃木インターで降りて約10~15分の道のりです。近くにはカタクリ自生地の三毳山やセツブンソウ自生地の星野の里があります。

花山のトレッキングコースを進んでいくと、遊歩道の周りは桃色や白色のモモの花、黄金色に輝くチョウセンレンギョウなど満開になった季節の花木が目を楽しませてくれます。


ツツジ(上)やシャクナゲ(下)も所々にあざやかな花を咲かせています。


これ以外にも優美な紅白の花を咲かせたボケ(上)、紫モクレンとハクモクレン(下)などのいろんな花木を見かけました。

さて、園入口から入ったすぐのスペースに色々な山野草が咲いていました。真っ先に目に入ったのが、お目当てのキバナカタクリ(ユリ科カタクリ属 )で、黄色の可憐な花が所々に咲き始めていました。

北米に分布するキバナカタクリは、春の妖精の代表格で赤紫色の花のカタクリと同属です。花の形はカタクリとよく似ていますが、茎が長めで背丈が30~40㎝になります。キバナカタクリも開花後1ヶ月程度で葉が枯れてきて長い休眠期に入るといったサイクルを有するということですので、春の妖精の仲間になると思われます。

イカリソウの仲間も多く開花していました。これは各地の林地に野生する多年草のイカリソウ(碇草、錨草;メギ科イカリソウ属)。4枚の花弁が中に蜜をためる距を突出しています。滋養・強壮に効果がある薬草です。

小さな白い花のバイカイカリソウ(梅花碇草;メギ科イカリソウ属)。日本固有種で、本州、四国、九州の山地の林内、林縁に生育します。イカリソウ属の特徴である碇状の距がありません。

イカリソウ(サルフレウム Sulphureum)の淡黄色の花も房状になって盛んに咲いていました。洋種のサルフレウムは普通のイカリソウと比べると、碇状の距を持っていますが、花の形状が少し違います。市場ではサルフレアの名で流通しています。

キバナカタクリやイカリソウ以外にもいろんな珍しい山野草を見かけました。この白い花はハルオコシ(キンポウゲ科イチリンソウ属)。半八重咲きの白い花びらの周りに、緑色のがく片と総苞葉がついています。欧州原産のヤブイチゲの八重咲の品種。夏になると葉が枯れて休眠しそのまま越冬するので、ハルオコシも春の妖精の仲間になります。

薄い青紫色の花のシラネアオイ(白根葵;キンポウゲ科シラネアオイ属)。深山に生育する山野草で普段あまり見かけません。日光白根山に多く生えています。
上記以外にも、大柿花山の多くの写真をアップしています。
…> 季節のスケッチ(2018年4月 大柿花山)
…> Photo Gallery
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