サクラ散り、春爛漫から初夏のたたずまいへ

今年は4月上旬に早々とサクラ(ソメイヨシノ)の花が散ってしまいました。サクラの後の園内は色とりどりのツツジの花が咲き出してきて、引き続き私たちの目を楽しませてくれます。ツツジ以外にも、ハナミズキなどの初夏の到来を告げる花も見かけるようになってきてました。
(サトザクラ)

ソメイヨシノが散っていも、サトザクラの幾つかのサクラの花が咲き残っていました。これは晩都(おそみやこ)の品種名が付いています。落ち着いた感じで咲いていました。

仁科蔵王(にしなざおう)の名が付く珍しいモスグリーン色のサトザクラも咲き出しました。仁科蔵王は、2007年に理研の加速器から発生する重イオンビームをサトザクラの栽培品種の御衣黄(ぎょいこう)に照射して突然変異を誘発させてつくり出した新種のサクラです。“仁科”は理研加速器の父である仁科芳雄に、“蔵王”は山形で育種したものであることに由来します。
(ツツジ、シャクナゲの花々)

柴田記念館前でツツジやシャクナゲが美しく咲いています。このシャクナゲ(石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)の高木は真赤で大きな花をギッシリと並んで付けていて壮観です。シャクナゲは葉にケイレン毒を含む有毒植物です。

シャクナゲの高木の隣は台湾原産のアカボシシャクナゲ(赤星石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)です。淡い色のシャクナゲで優雅な感じがします。

林地の奥の方にもツツジの花を見かけました。真紅のオンツツジ色が鮮やかに目に飛び込んできます。

ツツジ園にはいろんな種類のツツジの花が咲き出していますが、この中でアマミセイシカ(奄美聖紫花;ツツジ属セイシカ亜属)の白い美しいツツジの花を見かけました。奄美大島の山地に自生する貴重なツツジです。
(初夏を告げるハナミズキの花など)

しっとりと美しい紅白のハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)の花も咲き出していました。スズカケノキ、ユリノキなどの巨木並木からかなり奥まった林地に生えています。初夏の季節の到来を知らせてくれます。かつて米国赴任時のニューヨーク郊外の住まいの庭先にも植えてあった思い出深い花木です。

イロハモミジは日増しに新緑があざやかになってきました。日本庭園の一角に立つ旧東京医学校の赤い建物もイロハモミジの新緑に囲われていました。

イロハモミジの林縁種のオニカエデ(ムクロジ科カエデ属、別名はカジカエデ)は、新緑というよりも多数垂れ下がった大きな花穂が目立ちます。

びっくりするような光景です。木全体が白雪に覆われたようなトキワマンサク(常磐万作;マンサク科トキワマンサク属)の大樹です。リボンのような細長い4枚の 花弁の淡黄色の花が大木に溢れんばかりに枝垂れて咲いていました。
(初夏の野の花)

多くの野の花が競い合いながら草むらに咲き出してきました。ニュートンのリンゴの木の近くの草むらに群生しているシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の群生地がありますが、独特の紋様の花が次々に咲き出してきています。

群生するヤマブキソウ(山吹草;ケシ科ヤマブキソウ属)が鮮やかな山吹色の花を咲かせていました。カタクリの群生地と隣接していて、カタクリの花が終わった後に咲き出します。

オオアマナ(大甘菜;キジカクシ科オオアマナ属)も随所に見かけるようになりました。小さな星型の白い花が群生し、園内のあちこちの林床を一面の白に染めています。

タンポポ( 蒲公英;キク科タンポポ属)の周りでサギゴケ(鷺苔;サギゴケ科サギゴケ属)が咲き広がっていました。
これ以外にも、多くの初夏の風景写真をアップしています。
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