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2018年9月17日 (月)

秋の彼岸の頃の風物詩、真紅のヒガンバナが園内に咲き広がる

 今年の7月から9月上旬まで、日本列島全域で猛暑、台風、地震など天気が大荒れでした。関西空港が台風21号の襲来で冠水、アクセス橋が破損するなど機能不全状態に陥ったり、北海道では震度7の地震(北海道胆振東部地震)が発生し、全道がブラックアウト(大停電)したりするなど各地で甚大な被害が発生しました。近年、異常気象の度合いが大きなってきているような気がします。


 さて、彼岸の時期が近い9月中旬になってようやく天気が落ち着いてきましたので、久々に小石川植物をブラブラしてきました。園内ではこの季節の風物詩のヒガンバナが真赤に咲き広がっていました。いつも通りの季節が巡る風景に接すると、安堵した気持になります。


 ヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)は、その名の通りいつも秋の彼岸の頃に満開になります。曼珠沙華(まんじしゃげ)の別名が最も有名ですが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花ということです。一方、わが国では墓地などにも植えられ、ちょうど秋の彼岸の時期に咲くことから、死人花、幽霊花などの異名が付いています。


 園内では群生地のメタセコイア林の林地をはじめ、随所に咲き広がっていて、池の辺などにも咲いています。池面に逆さヒガンバナが映っています。



 日本全域に分布するヒガンバナは全て遺伝的に同一の三倍体のため、種子で増えることができず、球根を増やしながら広がります。ヒガンバナは大部分が真赤な赤色ですが、少しだけ淡い黄色、白色のものも混じっています。


 園内ではヒガンバナ以外の花も数多く咲いています。これは園入口に生える八重咲きのスイフヨウ(酔芙蓉;アオイ科フヨウ属)です。スイフヨウの花は一日花で、白色から薄赤色に徐々に変わってしぼみます


 フクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科)の黄色の花が盛んに咲いていました。海外で golden rain tree と呼ばれますが、まさにその名の通り、細かい花がハラハラと降り注ぎ、木の下の地面は黄金色のオガクズを敷き詰めたようになります。


 ハギ(萩;マメ科ハギ属)の赤紫色の花。秋の七草の一つですが、草本ではなく木本に属します。小さな花を細い枝に多数つけて枝垂れて咲いています。


 秋の草本の花もいろいろと見かけました。これは秋の七草のオミナエシ(女郎花;スイカズラ科科オミナエシ属)です。直立した茎先に細かい黄金色の花が群生して咲きます。


 ヤブラン(薮蘭;キジカクシ科ヤブラン属)の薄紫色の穗状の小さな花。草むらとか木の根元など、園内の随所に群生しています。


 全国に分布する多年草のツルボ(蔓穂;キジカクシ科ツルボ属)が園内の草むらでも群生していました。小柄でピンク色の花穂を付けています。


 つる性草本のセンニンソウ(仙人草;キンポウゲ科センニンソウ属)も繁茂していました。ふわふわとした小さな白色の花が群がって咲き、他の植物によく絡みつきます。


 これ以外にも、いろんな写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(2018年9月)
   …> Photo Gallery(ヒガンバナ)


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