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2018年10月

2018年10月26日 (金)

紅葉広がる青森の大自然(八甲田、奥入瀬、十二湖、岩木山など)

 10月下旬、大自然の紅葉を求めて八甲田、奥入瀬渓流、白神山地十二湖、岩木山など青森各地をクルマで縦走してきました。紅葉の具合は地域や高度によって異なりますが、山麓付近はまさに紅葉見頃といった感じで、スケールの大きい青森の秋を存分に満喫できました。

(八甲田)

 青森空港に降り立ち、レンタカーでまず八甲田へ向かいました。八甲田連峰の山並みがよく見える萱野高原に立ち寄ると、カエデやモミジなどがきれいに紅葉していました。


 萱野高原から車で少し走ると八甲田ロープウェイに着きます。観光客で満員のロープウェイに乗って山頂公園駅へ上ります。


 この駅付近は紅葉の時期を終えていました。右遠方を見やると青森市街と陸奥湾が眺望できます。


 八甲田ロープウェイを下り、山麓の酸ケ湯温泉付近の風景です。ここも紅葉がかなり進んでいました。

蔦野鳥の森)

 十和田湖から北へ約10kmのブナの原生林にあり、野鳥の宝庫としても知られる蔦野鳥の森の中に、蔦温泉を起点とする遊歩道(沼めぐりの小路)が張り巡らされています。


 遊歩道はブナの森に点在する湖沼群をめぐるトレイルで約1時間で周回できます。起点から約10分程歩くと蔦沼に着きます。蔦沼は澄んだ水をたたえ、湖面には紅葉する森の木々を映しています。


 蔦沼から遊歩道を進むと長沼に出会います。落葉が水面を覆っています。


 遊歩道の周囲の赤、黄に染まるヤマモミジなどの木々を眺めながらトレッキングを楽しむことができました

(奥入瀬渓流・十和田湖)

 奥入瀬渓流は、青森・秋田の両県にまたがるカルデラ湖の十和田湖から唯一流れ出る奥入瀬川の上流部分に当たり、いつ訪れても四季折々に大自然の醍醐味を味わうことができます。この日は紅葉見頃直前の状況で、周辺の木々の紅葉と水量豊かな渓流の調和は素晴らしい景観です。


 渓流には多くの眺望スポットがありますが、この銚子大滝はその中でも人気の高いスポットです。近づいてみると相当に迫力があります。


 渓流には両岸の岸壁からも滝となって山水が注ぎ込みます。左は九段の滝の名が付いています。


 青森・秋田の両県にまたがるカルデラ湖で奥入瀬渓流の水源となっている十和田湖です。十和田湖の湖畔の木々も紅葉が進んでいました。

(白神山地十二湖)

 白神山地の一角に位置し青森県深浦町にある複数の湖を総称して十二湖という。十二湖を構成する湖群は、1704年の能代地震による崩山の崩壊で塞き止められた川から形成されたのではないかと推定されていて、今では美しい自然の景観を創出しています。上の風景は王池です。


 これは鶏頭場の池です。


 人気の高い青池。小さな池ですが、透明度の高い透き通ったブルーが観られる神秘的なスポットです。


 上記の青池、沸壺の池を含むトレッキングコースの中にブナ自然林の区域もあります。ここのブナ林の紅葉は少し先のようです。



 ブナの代わりに盛んに紅葉しているのが、トチノキ(黄;上)やヤマモミジ(赤;下)です。


 白神山地に生息するニホンザルを見かけました。群れを成していて、ここで越冬するのでしょうか。

(岩木山)


 標高1,625 mの岩木山は青森県弘前市と鰺ヶ沢町に位置する火山で、青森県の最高峰です。その美しい山容から津軽富士とも呼ばれ、県内各地から眺望できます。上は弘前城本丸からの眺望、下は弘前市百沢方面からの眺望になります。


 岩木山にはスカイラインが整備されていて、八合目まで車で簡単に上れるようになっています。中腹から山頂付近まで紅葉はすっかり終わっていました。


 スカイラインの山麓付近は、ヤマモミジの紅葉やブナの黄葉など紅葉が見頃でした。


 この時期、岩木山を抱く津軽平野は美味しいリンゴの収穫期です。一面赤いリンゴがたわわに付いたリンゴ畑が広がっていました。


 詳細は
   …> 季節のスケッチ(2018年10月 青森)


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2018年10月 7日 (日)

台風24号の被害を受けた小石川植物園

 10月に入っても相次ぐ台風の襲来など荒れ気味の天気が続いていましたが、しばらくして秋らしい落ち着いた感じが戻ってきました。


 晴れ上がった10月上旬の一日、久しぶりに小石川植物園を回ってきました。園内はこの時季ならではの秋の花々が咲き、赤く色づく木の実を見かけました。その一方で、園内の樹木が台風24号の強風で太い木枝が吹き飛ばされている状況も散見されました。



 イチョウやニレの木の巨木(上)、メタセコイア林(下)などの様子を見ると、深緑の夏木立が少しづつ色づいてきました。


 この季節ならではの花々が咲いていました。これはショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の黄色の花。形状はヒガンバナとそっくりですが、ヒガンバナより遅れて咲き出します。


 コガネバナ(黄金花;シソ科タツナミソウ属)。ロシアの極東地方からモンゴル、中国北部、朝鮮半島にかけて分布する多年草。和名からは黄金色の花を連想しますが、実際は深い青色の花です。根の断面が鮮やかな黄色をしているのが和名の由来です。


 万葉の昔から日本人に親しまれてきた秋の野草フジバカマ(藤袴;キク科ヒヨドリバナ属)です。花に虫が集まっていました。


 チベットの高地に自生する多年草シュッコンソバ(宿根蕎麦;タデ科ソバ属)を草むらで多く見かけました。質素な白い花に清楚な趣があります。


 色づいた木の実も随所で見かけました。これは柴田記念館のすぐ近くに生えるピラカンサ(バラ科トキワサンザシ属)の園芸品種のローズデール。ずっしりとした無数の木の実が赤く色づき始めました。


 日本庭園の池辺に生えているモッコク(木斛;ツバキ科モッコク属)の木に赤い実が付いていました。しばらくすると実が裂開して赤い種子が出てきます。モッコクは庭木としてよく植えられています。

  9月30日夜間から10月1日未明に東京地方に来襲した台風24号の強風が小石川植物園の樹木にも被害をもたらしました。園内を回ってみると、太い木枝が吹き飛ばされている状況が散見されました。

 これは、巨木並木ゾーンのアメリカシナノキ。



  日本庭園近くのナンキンハゼ(上)。例年11月頃になると美しい紅葉(下、2017.11.17撮影)が見られるのですが、今年は心配です。


 カジノキも相当に枝木がやられていました。


 また、園入口からメタセコイア林へ入る散策路の入口にヤマザクラの大木が生えていて、例年3月頃に満開の花を楽しむことができるのですが、このヤマザクラの木が見当たりませんでした。倒木したものと思われ、大変残念です(上記写真は2018.3.28撮影)。


 詳細は
   …> 季節のスケッチ(2018年10月)


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2018年10月 1日 (月)

ノーベル医学・生理学賞に本庶佑氏が受賞決定


 今年のノーベル医学・生理学賞に本庶佑京都大名誉教授(76才)が選ばれたと発表されました。「PD-1」を発見したことが評価され、これをもとに、がん治療薬「オプジーボ」が開発されています。日本人のノーベル賞受賞は2年ぶりで、米国籍の2人を含めて計26人となります。また、医学・生理学賞の受賞は5人目となります。受賞おめでとうございます。


文化勲章受章に際して
文部科学省より公表された肖像写真

 日本学士院は、本庶佑さんの主要な業績について「リンパ球が抗体遺伝子にクラススイッチ組換えと体細胞突然変異という遺伝子改変を導入し、ウイルスや細菌などの病原体の認識と排除に最も適した抗体を作る仕組みを解明した。」と説明するとともに、「活性化誘導シチジンデアミナーゼを発見し、そのメカニズムの全貌を明らかにしたことは国際的に高く評価されている。」としていました。

 本庶佑さんは、受賞が決まった記者会見において、「この治療法によって重い病気から回復して元気になった、あなたのおかげだと言われるときがあると、本当に私としては自分の研究が本当に意味があったということを実感し、何よりもうれしく思う。」と述べ、さらに「今回の、基礎的な研究から臨床につながるような発展ということで受賞できたことによって、基礎医学分野の発展が一層加速し、基礎研究に関わる多くの研究者を勇気づけるということになれば、私としてはまさに望外の喜びです。」とも述べています。

 本庶佑さんの成果が、今後多くのがん患者の命を救うことになると同時に、この分野の若手研究者にとって大きな励みになるものと期待されます。

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