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2019年2月

2019年2月21日 (木)

秩父の山里に咲く幻の福寿草(秩父紅)との出会い


 秩父の山里でオレンジ色に輝く福寿草(秩父紅)が満開とのニュースがTVで流れましたので、早速2/21に車を飛ばし、紅秩父との初めての出会いを果たしてきました。さらに、奥秩父の節分草の自生地が近接していましたので、紅秩父のアトに足を伸ばしてきました。

皆野町のフクジュソウ(秩父紅)

 秩父の山里の皆野町にあるムクゲ自然公園では、幻の福寿草といわれオレンジ色に輝く秩父紅(ちちぶべに)が原種の福寿草とともに山の斜面に1万本植栽されています。TVのニュース番組を見て、早速クルマで出かけてきました。都心から関越道に乗り花園インター経由で約2時間ほどで現地到着です。


 秩父紅は秩父山系に咲く紅色(輝くオレンジ色)の福寿草の総称で秩父固有種です。公園内の案内板によると、秩父紅は江戸中期以前、秩父山中の自生種あるいは移植された福寿草から突然変異で出現したものと推測されています。



 秩父紅は黄金色の福寿草と同様、何株かまとまって生息しています。オレンジ色に輝く秩父紅は幸せを呼ぶとされていますが、確かにほの暖かな感じの花が家族のように肩を寄せ合って咲き出していて、幸せな感じがあふれているかのように見えます。


 秩父紅に隣接した斜面では黄金色に輝く原種のフクジュソウ(福寿草)がやはり見頃を迎えていました。黄金色のフクジュソウはオレンジ色の秩父紅に比べ、遠くからでもよく目立ちます。斜面の枯葉のすき間から数多くの花が陽光を求めて顔を出してきたかのようです。


 フクジュソウ(キンポウゲ科フクジュソウ属)は北海道から九州にかけて分布し、山林に生育します。春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間で、落葉樹がまだ冬木の状態の春の一時期だけ地上に出現し、春の陽光を独り占めします。そして落葉樹に葉が茂り始めると球根の状態で地中に戻り、翌年の春先をじっと待ちます。


小鹿野町両神地域のセツブンソウ

 秩父紅の次のお目当てはセツブンソウ(節分草;キンポウゲ科セツブンソウ属)です。皆野町からクルマを30分程走らせ、小鹿野町両神地域の節分草園(セツブンソウの自生地)まで足を伸ばしてきました。


 昨年3月に訪れた時には、ちょうど満開になった無数のセツブンソウが一面に咲き広がっていて圧巻の眺めでしたが、この日は2月下旬で少し早めです。それでも、前日の暖かさでぽつりぽつりとセツブンソウが咲き始めたところでした。


 石灰岩地を好むセツブンソウの主な自生地として、わが国では埼玉県小鹿野町両神小森、栃木県栃木市星野の里、広島県庄原市総領地域などが挙げられます。奥秩父山地に位置する小鹿野町両神地域の両神小森は石灰岩地で、2月から3月にかけて可憐な小さく白い花を咲かせるセツブンソウが山の斜面に自生しています。


 セツブンソウもカタクリ、アマナ、ユキワリイチゲ、フクジュソウなどの他のスプリング・エフェメラルの仲間と同じように、落葉した広葉樹林に春の陽光が差し込んでくるのをじっと林床の下で待ち、そしてこのように地上に出た後、精一杯に命を輝かせながらつかの間の春を謳歌します。


 これ以外にも、いろんな写真をアップしています。
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2019年2月20日 (水)

春の妖精のユキワリイチゲ、アマナ、フクジュソウが雨水の頃に咲き出す


 24節気の雨水の頃の2月下旬 (2/20) 、気温も上がり春めいてきた小石川植物園を散策してきました。園内では春の妖精のユキワリイチゲ、アマナ、フクジュソウが咲き出しました。また、芳香広がる梅林では相当数の梅の花が開花し、賑やかになってきました。


 春の陽光の下、日本庭園の大芝生では保育園の子供たちが楽しそうに遊んでいました。



 春の妖精(スプリング・エフェメラル)の一つ、ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科 イチリンソウ属)が園内の群生地で咲き出してきました。


 散策路の道ばたでひっそりと可憐に咲くアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)の花を数輪見つけました。アマナも春の妖精の仲間です。小さなチューリップのようです。


 やはり春の妖精の一つ、フクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)の花が黄金色に輝いていました。


 草むらでハコベの花を見つけました。春の七草のハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)は、島崎藤村の千曲川旅情の詩にも登場します。「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」


 数多くの品種の梅の木が生えている梅林の風景です。新年からポツポツと咲き出しましたが、この頃には相当数の梅の花が開花し、かなり賑やかになってきました。いい香りが漂っています。


 2月上旬から咲き出した五節の舞(ごせちのまい)。梅林の中で最も盛んに咲いています。


 新たに咲き出したいろんな梅の品種を紹介します。これは白加賀(しろかが)。


 道知辺(みちしるべ)。


 蘇芳梅(すおうばい)。


 古郷の錦(こうきょうのにしき)。


 シナマンサクに続き、アテツマンサク(阿哲満作;マンサク科マンサク属)の花が咲き出しました。和名は最初に発見された岡山県阿哲地方にちなんでいます。


 常緑低木のジャノメエリカ(蛇の目エリカ;ツツジ科エリカ属)。園内の本館の周りでピンクの壺型の花を多数つけていました。一つ一つの花が蛇の目のようです。


 植物園の周りの歩道に沿っていろんなツバキの花が植えられています。散策する人が楽しむことができるように配置されています。


 これ以外にも、いろんな写真をアップしています。
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2019年2月 3日 (日)

立春の頃の小石川植物園、シナマンサクや梅の花



 2月初旬の立春目前の頃(2/3)、小石川植物園を回ってきました。穏やかな青空が広がり、気分的にも春到来が間近な感覚になります。園内ではこの時期にふさわしく黄金色のシナマンサクの花が咲き出し、梅林の紅白のウメの花も全体の2~3割が開花といった感じでした。


 かつての小石川養生所で使われていた古井戸や後方にそびえ立つ威風堂々の巨木クスノキ(常緑樹)の風景です。


 日本庭園の梅林は全体の2~3割の梅が開花といった感じでした。梅林にはいろんな品種の梅の木が生えていて、これから3月いっぱい香り豊かな梅の花を楽しむことができます。


 梅林ではいろんな梅の花を見かけました。これは五節の舞(ごせちのまい)という名が付いた品種の梅の花。


 未開紅(みかいこう)。


 甲州最小(こうしゅうさいしょう)。この梅の品種は初めて見ました。最近植えられたものでしょうか。



 園入口すぐのところに生えるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の花がようやく咲き始めました。青空の下のふわふわと舞うような黄色の花びらが特徴的です。マンサクという和名は、春にまず咲くことに由来します。


 常緑樹の木々の木立の風景です。これはヒマラヤウラジロガシ(ブナ科コナラ属)。ヒマラヤ地方原産の常緑高木。下から見上げると雄大です。


 古井戸近くにそびえ立つ巨木のクスノキ(楠木;クスノキ科ニッケイ属)。下から見上げるとうっそうと葉が茂っています。4月頃に若葉に入れ替わります。


 常緑高木のタブノキ(椨;クスノキ科タブノキ属)。東北地方から九州・沖縄の森林に分布し、とくに海岸近くに多い。葉に覆われた木枝の中をよく見ると、花芽が出ていました。初夏に地味な花を付けます。

 これ以外にも、いろんな写真をアップしています。
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