3月上旬、黄金色のサンシュユの花や赤紫色のカンヒザクラの花が咲き出す
3月上旬は三寒四温といわれるように、目まぐるしく天気が変わりますが、気温が上がる晴れの日の小石川植物園は、格好の散歩道になります。この時期、園内では黄金色のサンシュユの花や赤紫色のカンヒザクラの花が咲き出してきました。また、草むらの野の花も次第に賑やかになってきました。

小石川植物園の巨木ゾーンの奥の林地の一角が黄金色に輝き出しました。サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の花が満開になってきました。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出しています。

沖縄に自生する赤紫色の濃い原色のカンヒザクラ(寒緋桜)が見事に満開になっていました。なお、東京のソメイヨシノは3/21開花、3/29満開との予報が出ました。もうすぐです。

薬草園の周りでひそやかな落ち着いた感じのシナミザクラ(支那実桜)が咲き出して満開になっていました。サクラの近縁種です。中国原産で実が食用になるので。カラミザクラ(唐実桜)の別名があります。中国では桜桃と呼ばれます。

トサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)。高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。無数の黄緑色の小さな花が青空に広がっています。

新発見の花もありました。サイコプシス・シネンシス(Sycopsis sinensis;マンサク科)の花が咲いていると教えてもらい、日本庭園の大イチョウの近くの塀沿いに生えている高木に近づいてみると、確かに少し暗めのオレンジ色の花が盛んに咲いていました。周りの歩道からも見えるような場所です。和名はまだ付いていないとのことです。

中国原産のホンコンドウダン(香港満天星;ツツジ科ドウダンツツジ属)の蝋細工のように釣り下がる釣鐘形の花です。ピンクと白の色合いが美しく、ピンクシャンデリアが流通名。

北海道から本州の山野に自生する落葉低木のウグイスカグラ(鶯神楽;スイカズラ科スイカズラ属)。細いロート型で先が5裂する可憐な花が咲いていました。小さくかわいらしい感じの花です。

3月上旬の啓蟄の頃になると、地上に顔を出す春の野の花が増えてきます。これはスプリング・エフェメラルのフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)の黄金色の花です。

フクジュソウの隣にミチノクフクジュソウの花が咲いていました。ミチノクといっても東北地方だけでなく、本州から九州に分布。萼片は淡色で花弁より半分くらい短いのが特徴です。

先月咲き出したユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。可憐な白い花の数がだいぶ増えてきました。やはりスプリング・エフェメラルの仲間。

散歩径の草むらでひっそりと可憐に咲くスプリング・エフェメラルの仲間のアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)の花。数輪だけ咲いています。

星くずのように可憐な青い小さな花のオオイヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)。草むら一面に咲き広がってきました。

タチイヌノフグリ(オオバコ科クワガタソウ属)。オオイヌノフグリやコゴメイヌノフグリと同属で、茎が少し長めです。花の形はオオイヌノフグリとそっくりです。

ハナニラ(花韮;ヒガンバナ科ハナニラ属)の清楚な白い花が、オオイヌノフグリの青い花に交じって咲き出しました。花の形からセイヨウアマナとも呼ばれます。

ヒメオドリコソウ(姫踊り子草;シソ科)の花が咲き出しました。花の形が踊り子に似ています。全国の道端や空地、畑などのどこでも見られるありふれた野草です。

ミチタネツケバナ(道種漬花;アブラナ科タネツケバナ属)。欧州から東アジアに分布する帰化植物。茎には葉がほとんど付かず、根生葉がロゼットをつくっています。

常緑多年草のヤマアイ(山藍;トウダイグサ科ヤマアイ属)。林地の草むらに群生しています。古来から栽培され、濃い青色の染色用に用いられてきました。
これ以外にも、いろんな写真をアップしています。
…> 季節のスケッチ(2019年3月)
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