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2019年4月

2019年4月20日 (土)

武蔵丘陵森林公園の新緑の木々と春の野草



 4月下旬(4/20)、武蔵野の丘陵地に広がる304haもの大きさを有する森林公園をグループで歩いてきました。この日は暑からず寒からずの好天に恵まれ、気持ちのいい新緑下の森林浴と咲き広がる春の野草を存分に楽しむことが出来ました。

(新緑の木々)

 新緑が広がる散策路沿いには、いろんな木々の花が見られました。これは落葉広葉樹のアオダモ(モクセイ科トネリコ属、別名: コバノトネリコ、アオタゴ)。沢山の白い綿のような花を付けていました。


 北海道、本州に自生するウワミズザクラ(上溝桜;バラ科サクラ属ウワミズザクラ亜属)です。小さな花が凝集したブラシのような白い花序が多数見えます。


 新緑の林の中にヤマブキ(山吹 ;バラ科ヤマブキ属)の鮮やかな黄色の花が目立ちました。ヤマブキは本州の 丘陵、山地に自生する落葉低木です。


 日本全国の山地に普通に見られるヤマツツジ(山躑躅;ツツジ節ヤマツツジ列)の赤い花を林の中の所々で見かけました。


 コナラ(小楢;ブナ科コナラ属)の美しい新緑の木立が青空に映えていました。


 樹形が整った新緑のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)です。

(春の野草)

 野草コースをしばらく進んでいくと、ヤマシャクヤク(山芍薬)とヤマブキソウ(山吹草)の群生地が見えてきました。無数の黄色と白色の花が咲き広がっていて、別世界の花畑のような美しさでした。


 ヤマシャクヤク(山芍薬;ボタン科ボタン属)は全国の山地帯に生える多年草で石灰岩地を好む。


 黄金色に輝くヤマブキソウ(山吹草;ケシ科ヤマブキソウ属)は、花の形が木本のヤマブキ(山吹;バラ科)によく似ていますが、科が異なります。


 初めて出会った野の花も多くありました。これは野生の多年草のシライトソウ(白糸草;ユリ科シライトソウ属)です。細長い花茎が直立し、その花茎から小さな白いブラシのような花をつけています。


 フデリンドウ(筆竜胆;リンドウ科リンドウ属)。漏斗状の青紫色の花が上向きについています。山地の林内や日当たりの良いや草地に自生します。


 川岸などの低地の草原や山地の林縁などに生える多年草のジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索;ケシ科キケマン属)の花を見つけました。同属のエゾエンゴサクオトメエンゴサクキケマンムラサキケマンと形状が似ています。ジロボウエンゴサクは関東地方以西、四国、九州に分布します。


 北海道から九州にかけて分布し、山地や原野の湿った林床に生える多年草のマムシグサ(蝮草;サトイモ科テンナンショウ属)。花茎が直立し、紫褐色のまだらな模様があって、この模様が和名の由来。全草に毒性があり、要注意。


 ジュウニヒトエ(十二単;シソ科キランソウ属)の花があちこちに咲いていました。丘陵地の落葉樹林内や道端に生える多年草。


 スミレの仲間のツボスミレ(スミレ科スミレ属、別名はニョイスミレ)を見かけました。全体がごく小型で、長く茎を出して白い花をつけます。


 西口付近の小高い丘が無数のネモフィラ(ムラサキ科ネモフィラ属)の花が覆い尽くす美しい青い丘になっていました。ネモフィラの丘は国営ひたち海浜公園の丘が有名ですが、この地の丘も見事でした。


 上記以外にも、多くの写真をアップしています。
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2019年4月18日 (木)

サクラ満開の後はしっとりと美しく彩られた新緑の世界



 4月中旬の小石川植物園を回ってきました。あの華やいだサクラ満開の時期がいつの間にか過ぎてしまいましたが、この頃になると、園内はあざやかな新緑が広がり、ツツジ、サトザクラ、ハナミズキなどの色づいた花々がしっとりと美しい彩りを添えていました。


    (満開の桜並木)4/2

    (サクラが散った桜並木)4/18
 ソメイヨシノ並木。4月初旬の満開(上図)からまだ2週間ほどですが、すっかり花が散って(下図)人出が少なくなってしまいました。


 ソメイヨシノは散ってしまいましたが、まだ咲いている桜の花があります。これは一葉(いちよう)@サトザクラ。


 珍しい緑色の花を付けるの仁科蔵王@サトザクラ。


 ツツジ園では色づきが進んでいます。これはカラフルなツツジ園から見た大イチョウ、ウルムス・プロセアなどの眺望です。木々の新緑と美しいツツジの花がコラボしています。


 ツツジ園以外にも植物園の散策路の所々に色あざやかなツツジが配置されています。美しい季節の到来に心が躍ります。


 林地の奥の方で北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木; ミズキ科ミズキ属)の赤花、白花が咲き出していました。ハナミズキは、最近では各地の街路樹にもよく用いられます。また郷里の東根市では市の花になっています。


 これ以外にも満開になった木々を見かけました。これはアメリカアサガラ(アメリカ麻殻;エゴノキ科アメリカアサガラ属)。多くの小さな鐘状の花が空間を覆っていました。


 うっそうと生い茂ったトキワマンサク(常磐万作;マンサク科トキワマンサク属)の大木。木枝の花が満開になっていました。


 園内では、日々新緑の世界が広がっています。イロハモミジの小径が新緑のトンネルになってきました。右隣の大温室の工事も進んでいます。


 本州、四国、九州に分布し、山地に生育する落葉高木のイヌザクラ(犬桜;バラ科サクラ属ウワミズザクラ亜属)の大樹が新緑に覆われてきました。


 ミズキ(水木; ミズキ科ミズキ属)。4月初旬の頃と比べ、かなり新葉が増えてきました。


 園入口の所に生えるシナユリノキ(支那百合の木;モクレン科ユリノキ属)の新緑。


 ヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)。来月になると、高木の全体が白雪に覆われたように満開になります。その様からナンジャモンジャの異名があります。


 メタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属、別名アケボノスギ)。凛として天に伸びるような見事な樹形が目を引きます。冬木立の時期を終え、ようやく新緑が吹き出してきました。


 次々に野の花が咲き出してきています。これはウラシマソウ(浦島草;サトイモ科テンナンショウ属)。花姿の形状がまるで浦島太郎が釣り糸を垂らしているかのようです。先月、四国で出会ったムサシアブミユキモチソウと同属。


 日当たりのよい山野に生える常緑の多年草のホタルカズラ(蛍蔓;ムラサキ科ムラサキ属)の薄紫色の花が、ニュートンのリンゴの木の根元に咲いていました。中央の白い星形が蛍の光のようです。


 エビネ(海老根;ラン科エビネ属)。地上性のランでジエビネ、ヤブエビネとも呼ばれます。本館近くの花畑に生えていました。


 園内の草むらでは至るところで春の野の花が咲き広がっています。これはタンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)&オオアマナ(大甘菜;キジカクシ科オオアマナ属)です。


 オオアラセイトウ(アブラナ科オオアラセイトウ属)&ニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)。


 シャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)。


  このほかにも新緑の中で美しい春の景観が広がっていました。多くの写真をアップしています。
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2019年4月 2日 (火)

4月に入り青空の下の小石川植物園はサクラ満開



 4/2の小石川植物園は休園明けです。天気も良く桜満開とあって午前中から多くの入園者で賑わっていました。園内では桜並木のソメイヨシノを始め、オオシマザクラ、ヤマザクラ、サトザクラなど様々な桜が満開になって咲き誇っていました。さらにいろんな花々、鮮やかな新緑など美しい春の季節の到来です。


 春の桜といえばソメイヨシノが話題になります。植物園の桜並木に立ち並ぶサクラの木もソメイヨシノです。


 ソメイヨシノは圧倒的なボリュームの優雅な桜色の花が木全体を覆い、春の青空の中に美しく広がっていきます。まさにソメイヨシノは桜の中で王者の風格を有しています。


 園内では桜並木を始め、散歩道の所々で満開のソメイヨシノを楽しむことができます。


 ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンとの交雑種です。江戸時代の染井村(現在の豊島区駒込付近)の植木屋さんが作り出したもので、これが全国に広まったと言われています。


 ソメイヨシノから多くの品種が生まれています。これは帝吉野(みかどよしの)です。


 天城吉野(あまぎよしの)。先月四国で多く見かけた陽春桜@サトザクラはこの天城桜と寒緋桜の交配から生まれた園芸種です。


 三島桜(みしまざくら)。


 山越(やまこし)。これらのソメイヨシノの品種は研究過程や実生から作られたといわれています。


 日本の桜の野生種の一つのヤマザクラ(山桜)。赤みがかった若葉とともに開花します。


 オオヤマザクラ(大山桜)。野生種の桜でヤマザクラに比べて花や葉が大きい。


 野生種のサクラの一種で、伊豆大島などに多く自生するオオシマザクラ(大島桜)。


 紫桜(ムラサキザクラ)@サトザクラ。薄い赤紫の桜の花です。


 ベニシダレ。エドヒガンの枝垂れ品種です。何年前に植えられたばかりですが、順調に生育しているようです。後方の建設中の白い建物は今秋にオープン予定の大温室です。今、急ピッチで工事が進んでいます。

 園内では、サクラのほかにもいろんな花々、鮮やかな新緑などで美しい春の景観が広がっていました。多くの写真をアップしています。
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2019年4月 1日 (月)

文京区さくらまつりが開かれる播磨坂


 4月に入り、いよいよ桜(ソメイヨシノ)が満開になりました。晴れ上がった4/1は月曜なので小石川植物園は休園日です。そこで、文京さくらまつりが開かれている近くの播磨坂を散策してきました。


 平日の午前中でしたので人出はそこそこで心地よい花見を楽しんできました。


 播磨坂は約40mの短い区間ですが、ここに約150本もの桜の木が立ち並んでいて、毎年この時期に文京さくら祭りが開催されます。


 並木の下は遊歩道になっており、満開のソメイヨシノをゆったりと楽しむことが出来るようになっています。小川も流れていて子ども連れの親子も見かけます。


 黄色のチョウセンレンギョウ(モクセイ科レンギョウ属)や赤色のカナメモチ(バラ科カナメモチ属)、桃色のハナカイドウ(花海棠;バラ科リンゴ属)等も植えられていて美しい景観です。

 

 上記以外にも、多くの写真をアップしています。
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新元号が「令和」に決まる


 本日午前11時41分、新元号が「令和」に決まったと、菅官房教官から発表がありました。
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        〔NHK News WEBより〕

【出典】日本最古の歌集『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文にある『初春の月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風らぎ(やわらぎ)、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披き(ひらき)、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす』から引用

 

 この新元号は、新天皇の即位に伴い5月から使用されることになります。新元号「令和」の出典も同時に発表されました。日本最古の歌集『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文から引用したとのことです。

 最初に新元号が「令和」と発表された時はやや意外感がありましたが、時間が経つにつれ、なかなか味があると思えてきました。まず、語感がクールな響きをもっています。新春の清らかな大気の頃の美しい自然の雰囲気を醸し出していて、自然との共生の意味合いがあるとも考えられます。

 「和」の漢字は、もちろん平和を連想させるもので、現在の自国第一主義の風潮に対峙する概念になりうるものです。昭和の元号にも使われましたが、良い漢字だと思います。

 それから、最後に私なりの勝手な解釈です。「令」を「零(ゼロ、レイ)」と置き換えて非常に小さいもの(ミクロな細胞、あるいは個人)と考えます。「和」は、つながるとか加えるの意味がありますので、小さいものたちが輝き、力を合わせて素晴らしい全体(人の体、国や世界の形)を作り上げると考えることが出来ます。

 いずれにしても、「令和」の時代は個が輝き、世界が平和になるように念じたいと思います。

 なお、出典の万葉集が出された奈良時代の頃は、春の花といえば桜の花よりも梅の花が主役だったものと思われます(桜が主役になるのは平安時代から)。新元号に引用された三十二首の歌会は九州大宰府の梅の花を前にして行われたそうです。上の写真は大宰府天満宮の梅の花(2008年2月撮影)です。

 

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