高山植物が咲く日光山地の上三依水生植物園
GW終了後、郷里の山形から東京に帰る途中、那須高原にワンストップして宿泊。翌日、車で約1時間のところにある日光市の上三依水生植物園を訪ねてきました。2016年7月に次いで2度目の訪問です。この日はケマンソウ、コマクサ、シラネアオイ、アネモネ・ネモローサなどの珍しい花々が咲いていました。
上三依水生植物園は日光の山地につくられ、男鹿川沿いの敷地面積約2万2千平方メートルの広大な園内に約300種、3万本の高山植物、湿生植物などが季節を彩るように咲き競っています。今回は宿泊地の那須高原から日光市上三依水生植物園へは車で行きましたが、会津と鬼怒川を結ぶ野岩鉄道会津鬼怒川線(ほっとスパ・ライン)を利用すれば上三依塩原温泉口駅から徒歩7分です。
園内では、多年草のケマンソウ(華鬘草;ケシ科ケマンソウ亜科ケマンソウ属)が盛んに咲いていました。花の形を見ると、鯛が釣竿にぶら下がっているように見えることからタイツリソウとも言われます。この時期に咲き出し、9月ごろに地上部が枯れて休眠に入ります。
白花のコマクサ(駒草;ケシ科コマクサ属)が静かに咲き出していました。コマクサはその可憐な美しさから高山植物の女王と呼ばれます。
赤紫色のサクラソウ(桜草;サクラソウ科サクラソウ属)が木元に群生していました。サクラソウは山地の湿り気の多い所に生える多年草。
北海道、本州北部の湿った林地に生える多年草のオオバナノエンレイソウ(大花延齢草;シュロソウ科エンレイソウ属)。3枚の花弁、萼片、葉を持つのが特徴的です。白花の中に暗赤色のアカバナエンレイソウも交じっていました。
シラネアオイ(キンポウゲ科シラネアオイ属)。日本固有種の一属一種の植物で中部地方以北の多雪地に生える多年草。薄紫色や白色の多くの花が落ち着いた感じで咲き広がっていました。日光の白根山に多く生え、花がタチアオイに似ていることが和名の由来。
アネモネ・ネモローサ(キンポウゲ科イチリンソウ属、和名はハルオコシ)の小さな白い花が群生していました。ヨーロッパ原産のヤブイチゲの八重咲の品種。白い花びらの周りに緑色のがく片と総苞葉がついています。スプリング・エフェメラルの一つ。
ボタンキンバイ(牡丹金梅;キンポウゲ科キンバイソウ属)。北海道の利尻島にのみ分布する固有種です。利尻山の高山草原植物の多年草。
ヒメリュウキンカ(姫立金花;キンポウゲ科キンポウゲ属)。イギリスやヨーロッパ大陸の山地の湿った草原や湖沼畔に生えるキンポウゲの仲間。
落葉小低木のチングルマ(珍車、稚児車;バラ科ダイコンソウ属)。本州中部以北、北海道などに分布し、やや湿った草原に生える高山植物。
上記以外にも、多くの写真をアップしています。
…> 季節のスケッチ(2019年5月 上三依)
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