10連休後の小石川植物園、若葉生い茂る万緑の世界へ
10連休のGWを郷里の山形で過ごした後、東京に戻り、3週間ぶりに小石川植物園を回ってきました。この季節は植物の成長が早く、園内は前回の新緑の世界から若葉生い茂る万緑の世界へと様相が一変していました。また、この時期ならではのツツジやバラなどの多くの花々も見かけました。
ソメイヨシノの桜並木も次第に緑が濃くなってきました。涼しい木陰に保育園の子どもたちが集まっています。
園入口近くで天空にそびえ立つようなメタセコイア林も青々としてきました。
(木々・草本の花々)
真紅のシナヤマツツジ(支那山躑躅;ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)が目を引きます。後方はクスノキの巨木です。
オオムラサキ@ヒラドツツジ(平戸躑躅;ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)。園内の各所で見かけました。
この日、バラ科の花を多く見かけました。これはノイバラ(野茨;バラ科バラ属)。ノイバラは日本各地の山野に多く自生し、単に野薔薇とも言います。
ハマナス(浜梨;バラ科バラ属)の花も咲き出しました。北海道に多く分布し、主に海岸の砂地に自生します。「知床旅情」の歌にも登場します。
うすピンク色の大きめのサクラバラ(桜薔薇;バラ科バラ属) の花。中国に分布する庚申薔薇と野茨の自然交雑種と言われる。
いろんな草本の花々も見かけました。これはイチハツ(一八、鳶尾草;アヤメ科アヤメ属)。アヤメの仲間の中で、いち早く咲きます。
あざやかな黄色の花が咲いたキショウブ(黄菖蒲;アヤメ科アヤメ属)が池の周りに群生していました。アヤメの仲間で湿地や水辺に生えます。
日本、台湾、中国原産で日当りのいい草地などに自生するシラン(紫蘭;ラン科シラン属)。極めて丈夫な植物で、観賞用として庭に植えらることが多い。赤紫色のシランの花が日本庭園の池の周りで咲いていました。
ウマノアシガタ(馬の蹄;キンポウゲ科キンポウゲ属)。薬草園で多くの小さく可憐な黄色の花が光を浴びてキラキラ光っていました。「馬のアシガタ」という妙な和名が付いていますが、本当は「鳥のアシガタ」で鳥の字が馬に誤記されたのではないかと言われています。
(木々の若葉・万緑)
植物園内の木々はあっという間に若葉が生い茂ってきました。また、若葉の中に目立たないながらもいろんな花穂を見かけました。
日本に自生するメグスリノキ(ムクロジ科カエデ属)。秋の紅葉は見事です。葉を煎じて服用したり、洗眼すると目の病気に効用があります。
コナラ(小楢;ブナ科コナラ属)。全国の雑木林に生育する落葉広葉樹。秋にはどんぐりの実がなります。
園入口近くの常緑広葉樹のスダジイ(ブナ科シイ属)。スダジイの大樹がうっそうと緑に覆われていました。暖地の照葉樹林を代表する樹木のひとつ。樹中をよく見てみると、雄花が枝先にたくさん付いています。雄花は強い香りを放ち、虫を呼び寄せます。
本州から九州の山地に生える落葉高木アワブキ(泡吹;アワブキ科アワブキ属)の枝先に緑色の花穂が付いています。
ミズキ(水木; ミズキ科ミズキ属)。北海道から九州までの各地に広く分布する落葉高木。早春に芽をふく時に地中から多量の水を吸い上げることから和名が由来。樹上に多くの白い花が咲いていました。
ホオノキ(朴木;モクレン科モクレン属)。大きな葉(朴葉)は、昔から食物を盛るのに用いられてきました。
トチノキ(栃の木;トチノキ科トチノキ属)。落葉性の高木で、温帯の落葉広葉樹林を構成します。白い花穂を付けていました。東日本を中心に分布し、特に東北地方に多く見られる。
ブレッシュネイデラ・シネンシス(アカニア科ブレッシュネイデラ属)。園内のメタセコイア林近くの林地に生えていました。名札にはBretschneidera Sinesis Hemsl の表記がありました。中国南部からベトナム北部にかけての山間部などに分布し、絶滅が危惧されているようです。
ヒッコリー(クルミ科ペカン属)。北米に広く分布する落葉広葉樹。材質が良く、建築、家具、工芸材やスキー用材として使用されている。また米国では、伝統的に燻製に使われています。生い茂る若葉の中に細長い花穂が垂れていました。
中国原産の落葉高木キジュ(喜樹; ヌマミズキ科カンレンボク属)。果実 や根にカンプトテシンというアルカロイドを含み制癌作用があるとのこと。
ヘツカニガキ(辺塚苦木;アカネ科タニワタリノキ属)。暖帯から亜熱帯に生え、沖縄・九州南部・四国南部に分布します。
上記以外にも、多くの写真をアップしています。
…> 季節のスケッチ(2019年5月)
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