5月後半の小石川植物園、巨樹ユリノキの花や風物詩ウツギの花
5月後半に入った17日、小石川植物園を廻ってきました。前回(5/10)の木々の若葉・万緑の写真の補充のつもりだったのですが、巨樹ユリノキの花や、この時期ならではウツギの花なども見かけ、いろいろと楽しんできました。
北米中部原産の落葉高木のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)の大樹が巨木ゾーンにそびえています。その大樹を見上げると、生い茂る緑葉の左上方部にユリノキの花が咲いていました。。
花の形は百合の花というよりもチューリップに似ています。このため、ユリノキにはチューリップ・ツリーの別名もあります。巨木のかなりの上の方に咲いているので、気がつかずに通り過ぎる方も多いと思います。
精子発見のイチョウの大木の根元付近で盛んに花を付けた樹木を見かけました。
よく見ると海岸に自生する常緑低木のトベラ(扉;トベラ科トベラ属)です。白い花が枝の先に葉が集まって付いていました。トベラはつやのある葉を密生することなどから観賞用あるいは街路樹として利用されます。
季節の風物詩のウツギ(空木;アジサイ科ウツギ属)の白い花が咲き出していました。ウツギは全国に広く分布し、卯の花とも呼ばれます。ウツギ以外にも、〇〇ウツギの呼び名の花々を見かけました。
サラサウツギ(更紗空木;アジサイ科ウツギ属)。八重咲きのウツギで、花弁の外側が淡い紅紫色になります。しっとりとした美しさがあります。
シロバナヤエウツギ(白花八重空木;アジサイ科ウツギ属)。やはり八重咲き種のウツギで白花を付ける。わが国の山野に自生します。
山地に自生する落葉低木バイカウツギ(梅花空木;アジサイ科バイカウツギ属:右)の白い花が咲き出してきました。
ニシキウツギ(二色空木;スイカズラ科タニウツギ属)。丹沢や箱根の山地全域に普通に分布します。
いろんな木々の緑葉を観察することができました。これは、落葉性の高木のトチノキ(栃の木;トチノキ科トチノキ属)。長い柄のある大形の掌状複葉が陽光に輝いています。
キリシマミズキ(霧島水木;マンサク科トサミズキ属)の緑葉。キリシマミズキは九州の霧島山系で見られ、霧島の春を代表する名花木です。
カシワ(柏;ブナ科コナラ属)日本、朝鮮半島、台湾、中国に分布する落葉高木。柏餅を包むのに用いられるカシワの葉が生い茂っています。
コナラ( 小楢;ブナ科コナラ属)。わが国全域に分布し、雑木林に多く見られる落葉高木。緑の葉が生い茂っています。
緑葉におおわれたシダレカツラ(枝垂れ桂;カツラ科カツラ属)。シダレカツラはカツラの変種で、多数の細い枝が枝垂れています。
サイカチ(皁莢;マメ科サイカチ属)の緑葉。日本の固有種で本州から九州の山野や川原に自生する落葉高木。一見しただけでマメ科の樹木であることがわかります。
いろんな野の花も見かけました。これは夏の花のダンドク(曇華;カンナ科)。カンナの原種で南米原産。堅い実の形から、インデアンの弾丸と呼ばれています。
ムシトリナデシコ(虫取り撫子;ナデシコ科マンテマ属)。可憐な小さいピンクの花が密集して咲いていました 。対生する葉のすぐ下の茎から粘液を出し、小さな虫の侵入を防ぎます。
ヨーロッパ原産のジギタリス(オオバコ科ジギタリス属)の穂状の赤紫の花。花が指の形に似ていることから、狐の手袋とも呼ばれます。全草に猛毒があります。
園内の各所にノアザミ(野薊;キク科アザミ属)の花が咲いています。葉の縁にとげがあります。春から夏にかけて草むらや河川敷にふつうに見られます。
上記以外にも、多くの写真をアップしています。
…> 季節のスケッチ(2019年5月)
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